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【東京都】東京都立産業技術高等専門学校(荒川キャンパス)科学技術展示館

<編集履歴> 13Apr.2021公開、29Apr.2022見直し更新(第5回、写真追加、FD-25に関するウンチク追記)

 

<場所 Place> 〒116-8523 東京都荒川区南千住8-17-1

東京都立産業技術高等専門学校(荒川キャンパス)科学技術展示館

科学技術展示館について(荒川キャンパス) | 東京都立産業技術高等専門学校

<座標Location> 35.7345N, 139.8088E

<訪問日Visit>  25Mar.2016,15Apr.2021, 01Dec.2021ほか

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写真1 科学技術展示館内の様子。機体を格納して観客の目から遠ざけて機体間隔を広げた浜松広報館のやり方と較べてみよう。なお2020年度、2021年度は3階を開放しなかったので、作例のような「上から見下ろした写真」は撮影できなかった。(2016年3月25日撮影)

 

<行き方 Access> 

(1) JR常磐線東京メトロ日比谷線つくばエクスプレス南千住駅から道なりに約1.1km、徒歩14分

(2) 東武伊勢崎線東武スカイツリーライン)の鐘ヶ淵駅から徒歩約18分。

(3) 東武伊勢崎線東武スカイツリーライン)の牛田駅から徒歩約20分。

(4) 京成電鉄京成関屋駅から徒歩約20分。

 <解説General>

(1) 「科学技術展示館」と銘打っていても一部は整備実習施設だ。展示機はもともと都立航空工業高等専門学校の実習機群で、そのコレクションは「F.A.M.E.ギャラリー」(F.A.M.E.=Fascination of Aeronautical, Mechanical and Electronic engineering)として世界中のそのスジのマニアには有名。年間8~10回程度の一般公開日を設けており、例年4月15日「ヘリコプターの日」前に発表される。公開時間は例年1000~1500で入場料は無料。基本は平日の公開なので空いている。

(2) 公開日は概ね次の日に合わせているが、曜日や学校側の理由で数日ずれることがある。訪問前には必ずHPの最新情報で公開日を確認すること。

<例年の公開日>

4月15日:ヘリコプターの日

5月17日:世界電気通信の日

6月1日:電波の日

9月20日:空の日

10月14日:鉄道の日

11月初旬ごろ:学園祭

12月1日:鉄の日

12月17日:ライト兄弟初飛行の日

3月25日:電気記念日

(3) 保有する5機とエンジン一基は2009年(平成21年)5月18日に財団法人日本航空協会の「重要航空遺産」として認定された。

(4) 狭い施設内に機体がギッシリ詰め込まれているので、「キレイな側面形」などはまず撮れない。超広角~広角レンズを持参しよう。

(5) 構内にはほかにも整備実習施設があると伝え聞く。「科学技術展示館」から姿を消した「比較的最近まで使われていた機体」はこちらで現在も整備実習機として使用されている可能性がある。保有機全機を調べたいという方は、こちらの方まで頑張って調べよう。なお私自身はそこまでの調査を行うつもりが無く、リサーチャー各氏のレポートが公表されるまでは待つつもりだ。 

【展示機】 

(1) 東洋航空TT-10練習機 JA3026、重要航空遺産

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写真2 重要航空遺産に認定された東洋航空TT-10練習機。(2016年3月25日撮影)

 

(2) 東洋航空フレッチャーFD-25A軽攻撃機/練習機 JA3050(製造番号531)、重要航空遺産

 Wikipediaによるとアメリカのフレッチャー社によって1950年代に単座型2機と複座型1機の試作機が製作されたが、アメリカ軍からの発注は無かった。1952年に日本の東洋航空工業が製造権を買い取って製造し(1952年に製造権を取得し1953年に国産化(完成)となるようだ)、カンボジア(空軍)に7機(5機のFD-25B軽攻撃機と2機のFD-25A練習機、英語版Wikipediaより。日本語版Wikipediaでは単座型3機、複座型3機、不明1機となっている)、ベトナムに4機、タイに1機(JA3051/FD-25B)を販売した。カンボジアへの輸出(1954年7月に4機)は戦後初の国産機輸出となった。ところで「武器輸出三原則」は1967年ごろからの運用基準とされているので、戦後から1967年ごろまでは「国産の攻撃機」を輸出できたのですね。恐らく実態は「農業用機」などとして輸出していたのでしょうけれど。この辺りはキチンと調べて記事にするとネタになることでしょう(誰かやってよ、と暗にほのめかしておく)。なお国内に登録されたFD-25AはJA3041とJA3050(本機)の2機だ。JA3041は元フレッチャー社製造の元N90802を輸入したもので製造番号1。1953年2月25日に「フレッチャーFD-25」(AかBかは分からないので、Nナンバーで確認する)として登録され、1955年12月30日には老朽化のために解体されている。登録が抹消されたのは翌1956年2月22日だ。JA3050(本機)は1953年4月13日に登録され、同年10月15日に藤沢飛行場で大破、11月24日に登録抹消となっている。展示された機体のうち、本機にだけJAナンバーの記載が無いのは事故機を譲り受けたからなのかもしれない。

写真3 永年、天井から吊り下げられている複座のFD-25Aの上面はうっすらと埃で覆われている。コロナ感染が広まった2020年度以降は3階を開放していないので、このような「上からのショット」は撮影できなくなっている。(2016年3月25日撮影)

 

(3) 東洋航空フレッチャーFD-25B軽攻撃機 JA3092(製造番号2)、重要航空遺産。一般的には単座型には”A型”、その複座型には”B型”という名称記号を付与することが多いが、本機は単座の「軽攻撃機」に”B”が付与されている。なお上記FD-25Aの項で述べたFD-25BのJA3051(製造番号1)は1953年4月13日に登録され、1962年6月25日に抹消され、「タイ空軍」に売却されたことになっている(胴体に"401"のナンバーを記した右側面の写真が残る。なお海外のサイトにはJA番号抹消日を1953年6月25日とするものがある)。英語版wikipediaでは「タイ警察」に売られたことになっているので「タイ空軍が購入窓口」→「タイ警察で運用」という流れがあったのだろう。国内登録されたFD-25BはJA3051(製造番号1)とJA3092(製造番号2、本機)の2機のみとなっている。f:id:Unikun:20210413194817j:plain

写真3 重要航空遺産に認定された東洋航空フレッチャーFD-25B軽攻撃機。翼下にパイロンがあることに注目!(2016年3月25日撮影)

  

(4) Auster J/5G Cirrus Autocar JA3029、2021年4月度には主翼を外して展示

(5) Chrislea C.H.3 Super Ace Series 2 JA3062 小型機ながら双尾翼の機体。シロウト目には通常の機体よりも双尾翼にしたことで構造が複雑になり、重量が増したのではないかなどと見える(ホントの所は知らないよ)。

写真4 ゴチャゴチャと配置されているので見づらく、スルーしがちだが、垂直尾翼が二枚ある双尾翼機だ。(2016年3月25日撮影)

 

(6) 富士FA-200-180 JA3622

(7) ビーチクラフト58 JA5304 (C/N. TH-1610)  2019年より実習機材として使用

写真5 展示機の中では最も新しい機体。(2021年4月15日撮影)

 

(8) パイパー PA-22-135 Tripacer JA3036

(9) Stolop SA.300 Starduster Too 

(10) F-86D (84-8117) 空自の無償貸付機。屋内各納機のためステンシル(機体の注意書)がオリジナルのままで残っている。今では貴重な”史料”だ。ロケット弾パックは外されている。訪問時にはレーダーも外されて脇に置かれていた。このレーダーの「置き方」はコーン部分を通路からナナメに見られるように(機体軸から45度くらい傾けた感じ)で置いて前、側面が見られるようにする)配置して欲しいと思う。次回訪問して、そのままだったら、キチンと要望書を提出してみようなどと考えるが、「次回訪問」はいつになることやら。

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写真6 スターダスタートゥー(手前左)とF-86D。(2016年3月25日撮影)

 

(11) 読売Y-1ヘリコプター JA7009)、重要航空遺産。1954年10月に完成した戦後初の民間ヘリコプター開発機。JAナンバーも取得して地上試験を続けたが、振動の問題などが解決できず、一度も飛行することなく1958年3月(昭和32年度末)に開発中止となった機体。

写真7 読売Y-1ヘリコプター。(2016年3月25日撮影)

 

(12) 自由航空研究所JHX-3ヘリコプター、重要航空遺産

(13) 富士ベル204B JA9023

(14) 川崎ベル47G-2 JA7021 

(15) Sikorsky R-6A (VS-316B) JA7001

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写真8 シコルスキーR-6。後ろに見えるのはベル47Gではなく重要航空遺産の読売Y-1。右端の骨組みだけの機体はこれまた重要航空遺産に認定されているJHX-3だ。(2016年3月25日撮影)

  

<その他>

瓦斯電「神風」エンジン(立飛R-52練習機搭載)、重要航空遺産

 

<過去に科学技術展示館内にあり、2021年4月訪問時確認できなかった機体>

(1) 日飛ピラタスB4-PC11AF JA2275 C/N. 1002

(2) PZL-ビエルスコSZD-48 JA2247 C/N. W-885 機首に”jantar standard 2”と記載

(3) セスナ170P JA3970 C/N.17276491

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写真9 2021年4月訪問時には姿を消していたセスナ170P (JA3970)とPZL-ビエルスコSZD-48 (JA2247)。(2016年3月25日撮影)

 

【余談】

(1) 2021年4月の訪問時に配布されていたパンフレットは「東京都立航空工業高等専門学校」のものだった。印刷記号から恐らくは2004年3月に印刷されたものだろう。展示内容がほとんど変わっていないし、訪問時の観客数は2時間で5名ほどだったので、この先も当面は同じパンフレットが配布されるものと予想する。学校に対して「パンフレットを更新しろよ」とは「絶対に言わない」けれど、文化継承事業には予算を付けてやって欲しいと文部科学省には一言言っておきたいと思う。

(2) 上述したように狭いスペースに多くの機体が押し込まれているので仕方がないといえばそれまでなのだが、旧型ヘリコプター群の近くには行くことができない。浜松広報館のように展示機体を減らしてスペースを設けることは”絶対にやって欲しくはない”が、幅30㎝程度の通路で良いから、これらヘリコプター群の近くまで行ける「通路」を設定してもらえないだろうかねぇ?と思う。時間を定めて「ガイド付き見学」の設定として近づけるようにしても良いのだが・・・。もっとも見学者数を考えると、そこまでして見たいなら事前に連絡しておいて公開日に近くで見せてもらうか、公開日以外の見学を申請した方がベターという気もするね。あえて学校側に伝えるような内容ではナイか・・・(自己納得)。

以上