<編集履歴> 24Dec.2022公開(「海上自衛隊固定翼哨戒機の展示機(??Aug.2018Mixiにて公開、21Feb.2019はてなBlogに移設)」より分離独立)、15Dec.2024見直し修正(第4回目、余談追加)
1. P-1 / UP-1
(1) 2007年9月に試作1号機が初飛行し、現在も生産中の現用機で用廃機/展示機は存在しない。
(2) 調達は2027年頃まで続けられ、試作機2機を含む63機程度が生産される見込みだ(注1)。2022年秋に35号機が引き渡されている。
(2) 1号機はUP-1として第51航空隊(厚木)にて使用されている。P-1は厚木、鹿屋、下総(2024年度から機種更新中)の各基地に配備されており、近い将来には那覇基地のP-3Cが置き換えられる予定だ。
注1:2023年1月6日の防衛大臣記者会見中に「P-1哨戒機のような次の5年間で取り切り、次期には取得する必要がなくなる装備」との一言がある。当初は70機程度を調達する計画であったが、2022年12月16日閣議決定された防衛力整備計画により調達数を削減する方針が示されている。
防衛省・自衛隊:防衛大臣記者会見|令和5年1月6日(金)10:56~11:10
最初の量産機(2機)は2012年度末に厚木基地に配備された。30~40年ほど運用するものと考えれば2042~2052年度頃に最初の用廃機が生ずるハズだ。ただし、この頃には国内人口も2017年比で12%ほど減り、1億人を少し下回るくらいになるという推計がなされている。機体があっても運用する人員が単純計算で12%減る。メーカーのサポート人員などを考えれば、もっと人員減の影響がでてくるものと考えている。早めに自律哨戒の可能な無人機へ置換したり、得られたデータの自動分析などの検討が必要となることだろう。”時勢にそぐわない”と言う理由で用廃となる時期はもう少し早くなるかもしれない。

写真1 バリバリの現役機P-1。用廃機が生ずるのは2040年ごろからだろう。(2016年2月11日厚木基地にて撮影)
【余談その1】
そういえばUP-1のマトモな写真は撮ったことがない。厚木基地の端から陽炎にゆれる駐機している機体は幾度も目にしているのだが・・・。
【余談その2】
2021年9月7日、岐阜基地にて試験飛行を行っていたP-1(5533号機)が着陸後に滑走路を逸脱する事案が生じた。この時、航空自衛隊岐阜基地が管理・運用する滑走路において、海上自衛隊納入前で、所有権等は川崎重工にある機体が、領収前の飛行で海自パイロットの操縦で運行されていたため、各報道機関の記事において海自/空自/川崎重工の説明が乱れに乱れたという状況が見られた。結局のところ、報道機関は航空機製造から引渡し、部隊運用の流れを理解せずに記事を書いて発信しているということが明らかにされたのだった。マス”ゴミ”と揶揄されるが、ホントに普段から何をベースに”取材”しているのだろうかと思わされた事案であった(レベルが低いぞ!)。
以上