<編集履歴> 19Jul.2021公開、01Feb.2026見直更新(第17回目、魚沼市星光堂のF-86F撤去)
国内には自衛隊や在日米軍機の用廃機が約600機がある。これらは国内約250か所の基地・駐屯地や公園・博物館等で展示されたり、あるいは部隊や教育機関等で訓練機や教材機として使用されている。本Blogでは、これらについて様々な切り口でまとめているが、本記事では「いつ訪問しても、(パーツでなく)一機丸ごとの展示機を見られる場所」をピックアップしてみよう。「ほぼ一機分ある」という場所もあるが、それは定義の部分で定めることにする。
【本記事で取り上げる展示機や展示場所の定義】
1. 対象とする展示機は自衛隊機と在日米軍機とする。民間機や大戦機は含まない。
2. 機体全体がそろった状態で展示されている場所のみを対象とする。
このためバラバラになったF-104Jが置いてある千葉県の大慶園は除く。
3. 「いつでも見られる」という言葉には次の意味合いを含む。
1) 自由に出入り可能は公共の公園等にあり、365日24時間いつでも見られるもの。
あるいは正規の開園時間中であれば見ることができるもの。
2) 博物館、展示館等にあり、入場可能な時間内であれば見られるもの。
3) 基地・駐屯地等や学校・各種の教育機関や私企業・個人の敷地内にある機体のうち、公道わきや一般駐車が可能な駐車場に置いてある場合や、あるいは金網越しであれども遮るものがほぼ無く、機体全体が見えており、おおむね200mm程度未満の標準~中望遠程度のレンズで全景を撮影することができるものは、原則としてカウントの対象とする。
一方で、おおむね200mm以上のレンズを用いなければ十分に撮影できないような距離にあるもの(超望遠レンズを使用した場合に金網を通して陽炎に歪んだ機影が撮影できるような状態のもの)は除く。判断が微妙な案件は次の通り;
1) 航空自衛隊木更津分屯基地の機体は手前の植樹が邪魔になるので対象外とする。
2) 石川県小松基地のF-4EJ改は、頼めば正門前からの撮影は可能なので対象とする。
3) 東京都府中基地、埼玉県入間基地、埼玉県熊谷基地(T-4)、鳥取県米子基地、徳島県小松島基地、福岡県春日基地、沖縄県那覇基地のフェンス脇の機体は対象とする。
4. 次の機体は除く。
1) 学校や教育施設等にあり、文化祭や所定の見学日には公開されるが、通常時にはアポなしでは見学が困難なもの。
2) 博物館や教育機関等の保有する機体で、常時一般公開されていないもの。具体的には所沢航空発祥記念館の収蔵庫にある機体、2021年3月に浜松広報館展示から基地内に格納された機体や、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館のT-1A初号機など。
【まとめ】(2026年2月01日時点)
上述した定義に基づいてまとめたところ、該当する展示場所と展示機数は全国に86か所、合計208機であった。
その内訳は北海道(2か所2機)、東北(8か所22機)、関東(18か所44機)、甲信越(8か所20機)、東海(14か所45機)、北陸(3か所9機)、近畿(2か所8機)、中国(5か所9機)、四国(6か所12機)、九州沖縄(20か所37機)だ。
これが多いか少ないかは各人の判断によるところだが、「日本国内の約250か所に約600機の軍用機が存在しているが、このうち機体を一機丸々、いつでも見られる場所にあるものは全国で約90か所(展示場所全体の約4割)、約210機(展示機数の約3割6分≒約4割)だ」と覚えておこう。
ある事象について、「数多くある」とか「極めて少ない」などの表現ではなく、「母数がいくらに対して、どのくらいの割合である」ということを客観的な数値や割合で確認・把握しておくことはマネジメントの基本だ(逆にメディアや反対派など、大衆を扇動しようという場合には、「目を付けた事象の数値(絶対値)だけ」を取り上げる傾向が強い)。
もっとも「機体を丸ごと見られる場所」の数値をもって、何をどうマネジメントするのかは何も決まっちゃいないのだが・・・(汗)。自衛隊広報担当者がどこかの自治体をたぶらかす・・・、もとい”営業をかけて”公園に機体を設置させる際に「全国でこれだけありまっせ」というような言いまわしをする際の「参考」にでもなれば幸いです(笑)。
<全機展示機を見られる場所>
【北海道】(2か所2機)
(1) 美幌航空公園 T-33A
(2) 中頓別町寿公園 F-104J
コメント:広い北海道で、いつでも見られる軍用機は、わずかに2機だけしかない。
※ 帯広駐屯地のAH-1SとOH-6Dは外周からは撮りづらい(と聞いている)ので対象外とする。

写真1 中頓別町寿公園のF-104J。(2020年8月19日撮影)
【東北】(8か所22機)
(1) 海上自衛隊大湊航空基地 HSS-2B、SH-60J
(2) 青森県立三沢航空科学館 屋外に11機
(5) 青森県五戸町ひばり野運動公園 T-34A
(7) 山形県神町駐屯地 LR-1, UH-1H, OH-6D, V-107A
コメント:東北には三沢航空科学館があるので、展示機数が多くカウントされるのだな。青森県内の展示機数が多いのは、広報担当者の”営業努力”の結果か。
※1 多賀城駐屯地の訓練機UH-1Hは200mm以下で撮影可能だが、対象外とする。
※2 船岡駐屯地のV-107は外周から十分に見えるが、手前の桜の樹が邪魔なので対象外とする。

写真2 青森県五所川原市芦野公園のT-2。(2010年1月24日撮影)
【関東】(18か所44機)
(2) 茨城県 小美玉市茨城空港 F-4EJ改、RF-4EJ
(5) 茨城県 かすみがうら市ケアハウスピソ天神 OH-6D
(9) 埼玉県 狭山市航空自衛隊入間基地 F-86F, F-104J, C-46D, T-33A, T-34A
(10) 埼玉県 熊谷市航空自衛隊熊谷基地 T-4 Blue Impulse 機(外周より)
(11) 埼玉県 朝霞市陸上自衛隊広報センターりっくんランド AH-1S, UH-1H
(13) 埼玉県 羽生スカイスポーツ公園 T-3
(14) 埼玉県 行田市埼玉スバルさきたまガーデン T-1B
(15) 千葉県 旭市緑地公園 SNJ-5
(16) 千葉県 鎌ヶ谷市市制記念公園 SNJ-5
(18) 東京都 府中市航空自衛隊府中基地 F-1, F-104J
※ 埼玉県 所沢市所沢航空発祥記念館はリニューアル工事で閉館中のため、リストから外したが、C-46DとYS-11の2機は現在でも”いつでも”見ることができる。オープン時に展示機数を再カウントする。
※神奈川県にはいつでも見られる全機展示機が存在しないのだな。

写真3 群馬県桐生市桐生が岡公園のT-6G。左翼の先にOH-6Dも見える。(2022年3月23日16時30分ごろ撮影)
【甲信越】(8か所20機)
(4) 山梨県 成沢村河口湖自動車博物館 F-86F, F-104DJ, C-46D, T-33A
(5) 山梨県 身延町個人宅 F-86F, F-104J, T-33A, T-6G, OH-6J(その他は部分展示)
(6) 山梨県 甲斐市日本航空学園 F-86D, T-33A, T-6G(いずれも外周から撮影可)
(8) 長野県 麻績村聖博物館 F-86F, F-86D, F-104J, T-34A

写真4 山梨県北杜市の白州保育所にあるT-34A。(2017年6月3日撮影)
【東海】(14か所45機)
(1) 静岡県 焼津市(株)ハセガワ F-104J, T-3
(9) 愛知県 幸田町郷土資料館 F-86F, H-13H
(10) 愛知県 豊山町あいち航空ミュージアム T-4B.I., YS-11P
(12) 岐阜県 各務ヶ原市岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 13機
(13) 岐阜県 高山市飛騨エアーパーク KM-2, HSS-2B
(14) 岐阜県 美濃加茂市ヤマザキマザック(株)工作機械博物館 T-6G
※ 愛知県豊山町三菱重工(株)小牧南工場のT-2初号機は、道路わきにあるものの、植樹でまともに見ることが出来ないため対象外とする。

写真5 愛知県幸田町郷土資料館のF-86F。72-7743と描かれているが実際は92-7910だ。(2016年3月12日撮影)
【北陸】(3か所9機)
(2) 石川県 小松市石川県立航空プラザ 7機
(3) 石川県 小松市航空自衛隊小松基地 F-4EJ改(正門前から許可を得て撮影可)
コメント:石川県 金沢工業大学のOH-6DおよびT-3は一部が道路から一部が見えるが建屋の奥にあるため、対象から外す。
【近畿】(2か所8機)
コメント:奈良県なら工業高等専門学校のT-6Gは公道脇にあるが、道路からではやや見づらいので対象から外す(ただし校門守衛所で許可を得れば容易に撮影可能)。また王寺工業高校のT-1BとOH-6Dは正門後の駐車場のあるエリアにあるようだが、こちらも未訪問で現地の状況が不明なため対象から外す。舞鶴のメイホウゴルフガーデン跡地にJRB-4が置かれているが、廃業後のアクセス可否が不明なので、対象から外す。ミツ精機のコレクションは私設博物館としては国内最高の維持管理レベルだ。一度は訪問して見て欲しいと思う。

写真6 舞鶴市のメイホウゴルフガーデンにあるJRB-4。2018-19年ごろにノーズコーンが落ちてしまった。2022年頃には廃業され、機体は残るが、現在もアクセスできるかどうかが不明なため、対象からは外すことにした。(2020年11月3日撮影)
【中国】(5か所9機)
(1) 鳥取県 航空自衛隊美保基地 F-4EJ改, C-1, YS-11
(2) 鳥取県 陸上自衛隊米子駐屯地 V-107A, OH-6D, UH-1H
(4) 萩市アクティビティパーク KM-2
(5) 有倫舘学園大平山講堂 T-34A
コメント:岩国基地ゲート奥のF/A-18は道路の反対側から望遠レンズで狙うと撮影できないワケではないが正々堂々と撮影可能な存在でもないグレーな位置にあるので対象から外す。
【四国】(6か所12機)
(1) 徳島県 海上自衛隊小松島基地 HSS-2B(SH-60Jもあるが、こちらは外周からの撮影はやや困難)
(2) 徳島県 海上自衛隊徳島航空基地 TC-90(2機), S2F-1, S-62J
(6) 香川県 陸上自衛隊善通寺駐屯地乃木館 F-86D, V-107A, UH-1H, OH-6J
コメント:四国内の展示機は少ないが、個性的な機体を見ることができる。互いに離れているので訪問するのは大変だが、早期にコンプリートを目指したい(笑)。

写真7 高山航空公園のT-2。(2020年4月5日撮影)
【九州・沖縄】(20か所37機)
(1) 福岡県 春日市航空自衛隊春日基地 F-1(F-86FとF-104Jは除外)
(2) 福岡県 築前町メタセの杜物産館 F-4EJ改, T-33A
(3) 福岡県 中間市明願寺幼稚園 T-34A
(5) 福岡県 うきは市スポーツアイランド T-33A
(14) 宮崎県 都城市ホテル2 in 1 T-6G
(16) 鹿児島県 鹿屋市海上自衛隊鹿屋航空基地史料館 14機
(17) 鹿児島県 霧島市上床公園 T-34A
(18) 鹿児島県 伊佐市大口総合運動公園 T-33A
(19) 鹿児島県 湧水町吉松体育館 OH-6D
(20) 沖縄県 航空自衛隊那覇基地 F-4EJ改、F-104J、T-33A、B-65
コメント:福岡県の全機展示場所が意外に多いことに気づく。

写真8 中間市の明願寺幼稚園の屋上にあるT-34Aを遠賀川土手から撮影する。(2021年6月23日撮影)
以上