用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【沖縄県】空自 那覇基地の展示機

<編集履歴> 30Apr.2021公開、09Dec.2024見直し更新(第5回目、写真追加)

 

<場所 Place> 〒901-0194 沖縄県那覇市当間301

那覇基地webサイト

<座標 Location>  26.1974N, 127.6596E 

<訪問日Visit>  13Dec.2014, 4 Mar.2020, 11_12Dec.2022, 10Dec.2023, 08Dec.2024ほか 

<行き方 Access> 

(1) ゆいレール赤嶺駅から正門まで約350m、徒歩約5分。

(2) 那覇空港国内線ターミナルから正門まで約1.8km、徒歩約25分。

<解説General>

(1) 航空自衛隊南西航空方面隊の基地。海上自衛隊および陸上自衛隊が同居し、かつ民間の那覇空港と供用しているという全国で唯一の存在。例年12月初旬頃に航空祭が開催されている。

(2) 近年では航空祭の時でも展示機エリアを公開していないので、展示機は赤嶺から空港に向かうゆいレールの車内から撮影する。ドアの窓は非着色ガラスだったが、近年では紫外線除けの着色ガラスを使用した車両もあるので、時間があれば”旧型”車両が来るまで待って乗車しよう。着色ガラス車両の場合にはRAWで撮影して、あとで色合いを調整すると良いだろう。なおラッピング車両が多数走っており、こちらに乗車した場合には窓が覆われるために事実上、撮影はできない。2022年12月に訪問した際には、おおむね5本に1本(45分~1時間に1本)程度の割合で”車内から撮影することができる車両”が投入されていた。空港から市内に向かう車内から広角レンズを使用すると、手前に反対側のレール(コンクリート製の軌条)が入るので出来るだけ避けたいところだ。2022年12月時点訪問時には、日中でも市内から空港に向かう車内はなかなか混んでおり、牧志駅よりも首里側の駅から乗車しないと基地側のドア脇を確保できない状態だった(このため空港から市内に向かう列車に乗り撮影している)。

(3) 外周(地上)からある程度は撮影できるが、植樹等が邪魔で思うようには撮影できない。なお基地祭時には、機体の手前側にズラリと観光バスが停められることがあり、これにブロックされて機体が見えなくなることもある。

(4) 2022年8月25日入札・契約の「展示用航空機の再塗装」の契約金額は935万円であった。仕様書では役務対象としてB-65とF-104Jしか記述が無かったが、展示されている4機全てを11月中旬ごろに塗り直している。履行期限は11月30日で、12月1日に「展示機再塗装記念」の記念撮影を行った。

f:id:Unikun:20210430130415j:plain

写真1-1, 1-2 ゆいレール車内から展示機を撮影する。(上:2020年3月13日撮影、下2022年12月11日撮影)

 

【展示機 Displayed Aircrafts】

1. F-104J (76-8688) 機体前半部分は"76-8688"号機、主翼後端付近以降の後部胴体は”76-8683”号機のものだ。1997年12月には設置済だった。2022年11月中旬に再塗装されたが、この時には機体を台座から地表に降ろして作業を行った(X上に投稿写真あり)。

f:id:Unikun:20210430131541j:plain

写真2-1, 2-2, 2-3 外周から撮影したF-104J。植樹が邪魔になり、フェンス脇からの撮影は”極めて困難”だ(2022年12月時点では”不可能”な状態であった)。写真2-2は少し離れたフェンスの隙間から中望遠レンズで撮影したもの。写真2-3は同じ場所から12月中旬の午前8時40分ごろに撮影したものだ。用廃展示機の場合には記録写真以外にも「絵」となるように考えて撮影してみよう。(上:2014年12月13日撮影、中:2022年12月11日撮影、下:2022年12月12日撮影)

 

2. F-4EJ改 (37-8321) 2008年11月11日には設置済であった。設置当初は実機とは異なる色合いのグレー塗装が施されていて違和感があった。2022年11月中~下旬に再塗装されたが、今度はオモチャのような感じになっている。再塗装により細かな注意書は無くなっている。2024年6月中旬から7月中旬にかけ、これまでの展示位置にF-104J同様の台座を設け、その上に飛行姿勢で据え付けるための工事が行われている。

f:id:Unikun:20210430132115j:plain

写真3-1, 3-2, 3-2 展示されてから15年以上経過しているF-4EJ改。2022年秋には再塗装が行われ、細かな注意書は無くなっている。写真3-1はゆいレール車内から撮影。写真3-2と3-3はフェンスの隙間から中望遠レンズで撮影したもの。(3-1: 2020年3月14日、3-2: 2022年12月11日、3-3: 2024年12月8日撮影)

 

3. T-33A (81-5327) 機体前の説明書によると本機は1995年(平成7年)6月にラストフライトを行った。1997年12月には設置済。2022年11月中~下旬に再塗装された。

f:id:Unikun:20210430132235j:plain

写真4-1, 4-2 上はゆいレール車内より撮影。下はフェンスの隙間から撮影したもの。近年の補修でキャノピーを磨いたためか、キレイになっている。(上:2020年3月14日撮影、下2022年12月12日撮影)

 

4. B-65 (03-3095) 5機のB-65のうち2機が那覇基地に配備された。機体前の説明板には「当基地においては、昭和55年(注:1980年)10月に2機が配備されました。約19年間所属し、平成11年(注:1999年)3月ラストフライトを最後に沖縄での飛行任務を終了しました。」と書かれている。なお、"注"は本Blogにて書き込んだものだ。この説明は基地での運用の歴史を記したもので、本機のラストフライトを記したものでは無いようだ。一方、ヒコーキ雲さんには本機は1998年7月16日に用廃となった旨が記載されていながら約半年前の1997年12月3日には展示機として設置されている姿が掲載されており、いずれかの情報がおかしい状態にある。もっとも事実上の用廃(ラストフライト)が1997年中にあり、12月までに展示が行われ、書類上の用廃が1998年7月16日となった可能性もあるのだが。この辺りの経緯をご存知の方がおられましたら、コメントをいただくかヒコーキ雲さんの方に投稿していただければ幸いです。2022年11月中~下旬に再塗装された。

f:id:Unikun:20210430132415j:plain

写真5-1, 5-2, 5-3 フェンスの隙間から中望遠ズームレンズで撮影したB-65。(3-1: 2014年12月13日、3-2: 2022年12月11日, 3-3: 2024年12月8日撮影)

 

【展示後撤去】

1. F-104J (36-8544) 1986年以前から2005年頃まで展示されていた。

 

【その他】

1. 基地内には2011年(平成23年)7月5日に墜落(操縦者死亡)したF-15J(72-8879)の垂直尾翼を用いた「飛行安全への誓い」の碑がある。

f:id:Unikun:20190403214417j:plain

写真6 墜落現場付近で回収された垂直尾翼を用いた碑。2022年12月11日の公開時には塗り直されたのかラダーの「傷跡」が消えていた。(2016年12月11日撮影)

 

【その他】

 例年12月初旬に行われる航空祭では自衛隊機だけでなく民間機も間近に撮影できるので通い続ける方は多いように思う。逆にトラフィックが多いため、飛行展示やブルーインパルスのフライトで激しい機動はあまり期待できないが、その分、他基地では見られないような異機種編隊飛行や日没後の発着訓練の公開など、趣向を凝らした展示が行われている。なおブルーインパルスは2023年12月の公開時に初めて垂直系アクロを披露した。F-86F時代にローパス以外に何を実施していたのか、その記録を見つけることができないため、「那覇におけるブルーインパルス初の垂直系アクロ」かどうかは分からないが、「T-4ブルーインパルス」となってからは初の出来事であった。

写真7 民間機も数多く撮影できるのが那覇基地祭の魅力の一つ。自衛隊機(特に戦闘機)と民間機を絡めたショットを撮影できるタイミングは多いけれど「光線や雲の状態などが良好で」、「良いタイミングで」、「絵になるように」絡めるのは結構難しい。この作例とて”ベスト”とは思っちゃいないので、また来年も通って同じようなショットを狙うかいね。(2022年12月11日撮影)

以上