用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

海上自衛隊 H-60系統の展示機

<編集履歴> 13Nov.2020 公開(海上自衛隊 回転翼機の展示機より分離独立)、

22Nov.2022見直し更新(第15回目、SH-60J残存状況追記)

 

 海上自衛隊のH-60系統とはSH-60J/K/L、UH-60Jのことだ。ここでは主に減勢の進むSH-60JとUH-60Jに注目して記載する。なおタイトルには「展示機」と書いているが、教育訓練用の機材も含めて記載する。

【SH-60J】

  HSS-2Bの後継機として1986年から103機が導入された哨戒ヘリコプター。

<現役機数の変化と予想>

2020年3月末 18機:令和2年(2020年)防衛白書、資料5

2021年3月末 14機:令和3年(2021年)防衛白書、資料5

2022年3月末 12機:令和4年(2022年)防衛白書、資料8

2022年11月22日時点では8281, 86, 88, 89, 91, 93, 95, 96, 98, 99, 8300, 01, 02の13機のうちの12機程度が残っており、年度末までに3機程度の用廃機が発生すると考える。

<機齢延長実施予算>

2019年度予算で2機、2020年度予算で2機の機齢延長実施予算が認められている。

<全機用廃時期の予想>

2025~26年度ごろまではSH-60Jを第22航空群(大村航空基地)にて使い続けるものと予想している。なお2021年4月1日付の公式Twitterでは館山基地に所属していたSH-60Jの最後の1機が配置換えとなり、第22航空群(大村)に向けて飛び立っていったと発信した。

【展示機】

 2022年5月27日の時点では4機が展示機となり、7機が教材や消火訓練機材となっている。なお訓練機については漸次SH-60Kに更新され、SH-60Jの機体は廃棄されていると思われるが、更新に関する情報は確認していない。確認されている用廃機を以下に記す。

(1) 8221 館山基地にて展示中(SH-60Jの展示初号機)

(2) 8231 長崎県南島原市 漬物の里ふるさと館前に2008年12月頃から展示中。2010年7月頃よりMAD(AN/ASQ-81)が装着された。

(3) 8249 青森県大湊基地ゲート前に2018年公開から2019年公開までの間に設置され現在も展示中。第25航空隊にちなみ”8225”という番号が記載されている。銘板は無いが、機首の”25”の数字の下に”40”もしくは”49”の数字がうっすらと確認されたことと、8249号機が2017年までは第25航空隊に配置されていたことから本機は8249”と思われる。(情報はインターネット航空雑誌ヒコーキ雲より)

(4) 8273 徳島県小松島基地に展示中。第24航空隊にちなみ機体番号を8224に変更して記載している。機体後部を黒く塗った機体は2017年のサマーフェスタでエプロン地区で公開されたあと、現在の場所に据え置かれたという。

 

【教材あるいは消火訓練機】

(1) 8204 長崎県大村航空基地にて胴体部分を消火訓練に使用。GoogleMapの衛星写真にて2019年11月15日時点で機体を確認できる。Jウイング誌2006年8月号p.93に投稿写真が掲載されている。

(2) 8205 千葉県下総航空基地第3術科学校で教材として使用(現状不明)

(3) 8206 千葉県下総航空基地で第3術科学校で整備教材として使用していたが、2020年度からは横転した状態で設置・固定して陸上救難訓練用航空機となっている。

(4) 8256 長崎県大村航空基地にて何らかの訓練用途に使用されている雰囲気の画像がTwitterに投稿されていた(2019~、2022年11月存在確認)。

(5) 8268 護衛艦いずも 艦上操作訓練機。ネット上では2016年6月12日に撮影されたものが日付の分かる最も古い写真。2022年12月4日に横須賀で公開された際にも格納庫内で確認されている。 

(6) 8272 護衛艦かが 艦上操作訓練機。2018年11月18日公開時。

(7) 機番不明 護衛艦ひゅうが 艦上操作訓練機。機首には”ひゅうが181”と記載。

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写真1 島原半島の島原よりやや南にある道路沿いの漬物屋に展示されているSH-60J。(2010年09月11日撮影)

 

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写真2 護衛艦ひゅうが艦上の訓練機。”ひゅうが181”と機首に記載されている。(2009年4月11日、横須賀公開時)

 

【SH-60K】

 本機種は2001年8月8日にロールアウトし、翌9日は早くも初飛行を行った。現用の主力機であり、抹消機は無く、用廃展示機も存在しない。2002年度予算で量産機7機が調達されているので、これらは2005年頃に引き渡されたハズ。20~25年運用するものと考えると2026年ごろからは用廃機が生ずることだろう。最終号機は2020年度予算で調達した83号機(2023年度末頃納入と予想)となる予定。

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写真3 編隊離陸を見せるSH-60K。(2009年5月31日館山基地にて撮影)

 

【(X)SH-60L】

 SH-60Kの後継機。2020年秋に初号機がMHIのエプロンに姿を見せ、2021年5月12日に初飛行を行った。

 

【UH-60J】

 現行の海上自衛隊の救難ヘリコプターUH-60Jは1991年12月に初号機が納入され、最終的には8961-8979号機の19機が調達された。すでに8971号機までと8977,8988号機は退役しており、2022年6月末時点での在籍数は6機以下となっているが展示機となったものは確認されていない。中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度、p.7の下から3行目)に回転翼救難機は航空自衛隊に一本化する旨が書かれていたため「2019年度末頃には全機が退役する」とアチラコチラで吹聴してきた(ええ、私がデマの発信源)。財務省が2020年1月に発行した「予算執行調査資料 反映状況票(令和2年度予算政府案)」にも「海自のUH-60の除籍に合わせた、空自への一元化を推進中である」との一文があるが、調整の結果、SH-60Kから対潜機器を外し、UH-60Kとして運用することとして2020年度予算にて2機、2021年度予算で1機、2022年度予算で2機(12億円)を改装して海自で運用する予定だ。なお海上自衛隊隊の硫黄島航空分遣隊が航空救難を行う根拠は「航空救難に関する訓令」第3条による。

http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1960/ax19601224_00056_000.pdf

これらは2023-24年ごろから納入され、代わりにUH-60Jは全機が退役する。UH-60JのIRAN終了時期から考えて用廃時期は次のようになると私個人は予想している(2021年02月20日予想更新)。:

8970 当初予想2020年度→2020年9月30日に用廃済

8971 当初予想2021年度→予想変更2021年1~3月度、用廃済と推定

8972 当初予想2022年度→予想変更2023年8~10月度

8973 当初予想2022年度→予想変更2022年10~12月度

8974 当初予想2023年度→予想変更2023年10~12月度

8975 当初予想2023年度→予想変更2024年9~11月度

8976 当初予想2023年度→予想変更2024年8~10月度

8977 当初予想2025年度→予想変更2022年9~11月度→2022年2月度用廃

8978 当初予想2024年度→予想変更2024年4~6月度→2022年2月14日用廃

8979 当初予想2024年度→予想変更2025年1~3月度

<年度末時点でのUH-60J在籍数予想数>

2020年度末 8機(8971号機用廃)

2021年度末 8機(用廃機なし)→8977用廃、8978用廃(2022.02.14、同時に第224飛行隊解隊)

2022年度末 6機(8973、8977号機用廃)→8977号機は1年早く用廃に。8973号機の引退をもって鹿屋分遣隊は閉隊か?→8978用廃(2022.02.14、同時に第224飛行隊解隊)

2023年度末 4機(8972、8974号機用廃、UH-60K救難仕様機を2機納入、救難合計6機)

2024年度末 0機(UH-60J用廃、UH-60Kを1機納入、救難合計3機)

さぁ、どうなることやら?

追記1 2022年2月度に8977号機用廃。引退時期は1年度分、私の予想より早かったことになる。(2022.3.4追記)第213飛行隊閉隊(3月末予定)

追記2 2022年2月14日にUH-60J(8978)用廃。引退時期は3年度分、私の予想より早かったことになる。上述の用廃予想は1年度分繰り上げても良いかもしれない。(2022.3.4追記)同時に大村の第224飛行隊解隊。公式Twitter/Facebookより。

南日本新聞は2021年9月2日に第22航空隊鹿屋分遣隊が2022年度末に廃止されることをネットで伝えた。上記の退役予想に記した2機が退役するためだろう。

※2021年8月末に公表された令和4年度予算概算要求にはSH-60Kの救難仕様への変更が2機分11億円含まれている。この要求が通るか通らないか、本年度末に確認する必要がある。2機分要求しておき、1機分が認可されるところが落としどころだろうか。

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写真4 格納庫の中で部品を外され、埃まみれ、鳥の糞だらけになって置かれていた用廃UH-60J。(2019年7月27日館山基地にて撮影)

 

以上