用廃機ハンターが行く!

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【大分県】岩下コレクションのF-86F

<編集履歴> 27Jan.2021公開、28Jan.2021見直し更新(第1回目、垂直尾翼の写真追加、垂直尾翼に関する考察追記)

 

<場所 Place> 〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北645-6 岩下コレクション

岩下コレクション 

<座標 Location>  33.2645N, 131.3411E

<機体 Aircraft>  F-86F (92-7905)

<訪問日Visit>  30Apr.2011

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写真1 屋内に胴体部分が展示されている。(2011年4月30日撮影)

 

<行き方 Access> 

(1) JR由布院駅から北西に直線で約1.2km、道なりで約1.7kmの県道216号線脇。

 駅からは徒歩、もしくは車を利用する。

<解説General> 

(1) 温泉地湯布院にあるオートバイやアンティーク品のコレクションで有名な私設博物館。屋内の一角にF-86Fの胴体を展示している。年中無休、開館時間は9時~17時。

(2) このF-86Fは1982年ごろから2001年3月末頃までは佐賀県の「とんかつの木村」にあったもの。ここでの展示の際には機体右側の外板が剥がされ、内部構造が見えるようになっていた(ヒコーキ雲さんには1998年7月31日に私が撮影した写真が掲載されているが、その際に撮影したスライド一式が行方不明なので本Blogに掲載出来ずにいる)。

 2001年4月ごろに岩下コレクションに移送されたが、その際には垂直尾翼のラダー取付ヒンジ部分より上の部分が切断されている。屋内搬入ための処置だろうか。岩下コレクションにおいては両主翼と右側の水平尾翼を外されて展示されている(左側の水平尾翼は残されている)。外された翼は屋外の建物脇の草むらに放置されていたが、現在も存在するかどうかは不明だ。

(3) 岩下コレクションは2016年4月14日に発生した熊本地震で大きな被害を受けたが、それを乗り越えて現在も展示を続けている。私が訪問したのは地震前の2011年なので、現在ではいく分展示内容が変わっていると思うが、HP掲載の写真などを見る限りではF-86F自体の展示方法に変化は無いように見える。

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 写真2 手前の展示物の配置は現在では変わっている。(2010年9月11日撮影)

 

(4) かなり前(私がデジタル写真を撮り始めた2006年以前)から浜松にある「喫茶飛行場」の店内に第7飛行隊のマークを残した92-7905の垂直尾翼が置かれている。本機の垂直尾翼部分なのか、別な機垂直尾翼に「92-7905」と描いたのかは不明だ。また岩下コレクションの機体の垂直尾翼(あるいは機体後半部分)が本当に92-7905なのかどうかも不明だ。

 ヒコーキ雲さん掲載情報(2021年1月28日閲覧)によると1975年7月27日に松島基地で撮影された第7飛行隊所属の905号機が撮影されている。航空情報別冊JASDFセイバースペシャル(1983)によると第7飛行隊は1977年7月1日に解隊されるが、905号機はそれに先立つ1975年12月に格納され、1978年6月に用廃となっている。したがって第7飛行隊のマークを付けたままでスクラップとなった可能性はある。そうなると岩下コレクションにある「機体番号92-7905」は実は異なるナンバーの機体なのではないだろか?少なくとも垂直尾翼は違う機体のモノだと言えそうだ。

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写真3 ”32369”と書かれた垂直尾翼部分。黒い稲妻の下の赤地の部分にラインが見えるが、第6飛行隊あるいは第10飛行隊マークの帯の下のラインの名残ではないだろうか。(写真提供:大路 聡 氏)

 

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写真5 浜松の喫茶飛行場の店内にある905号機の垂直尾翼。私が訪問した際にはお客さんがいて撮れなかったのだ!(写真提供:大路 聡 氏) 

以上