用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【茨城県】茨城空港公園のファントム

<編集履歴> 18Nov.2020公開、08Jul.2023見直し更新(第6回目、再訪につき見直し、写真追加)

<場所 Place> 〒311-3416 茨城県小美玉市与沢1601-55、茨城空港の脇

空港HPのURL: http://www.ibaraki-airport.net/

<座標 Location>  36.1764N, 140.4068E

<訪問日Visit> 09Nov.2020, 06Feb.2022, 29May.2022, 07Jul.,2023ほか

写真1 茨城空港脇に展示された2機のファントム。(2022年5月29日撮影)

 

<行き方 Access> 

(1) JR石岡駅からタクシーで2-30分、5千円くらいか。

(2) JR石岡駅から茨城空港までのバスが1時間に1本程度ある。片道大人630円。

(3) 東京駅から茨城空港までのバスに乗り空港下車。所要約100分。片道大人1,650円、要予約。ただし2023年3月26日以降の日、木に一往復のみ。

(4) JR水戸駅北口あるいは南口から空港まで1~2時間に一本程度のバスの便あり。片道1,200円程度。

(5) 新千歳空港あるいは神戸空港から空路で1時間チョイ。

<解説General>

(1) 茨城空港脇にある公園(広場)にF-4EJ改とRF-4EJ(限定改修機)が2011年6月29日に設置された。正式に一般公開されたのは7月23日からのようだ。機首を北西に向けて展示されているので、昼ごろから午後にかけて機体左側面を順光で撮影可能。機体右側面を順光で撮影するには夏の早朝から10時ごろまでに訪問すること。空港の駐車場は一年365日、朝5時30分から夜は22時まで開いているので夜間撮影にも挑戦できる。駐車料金および展示エリアへの入場料は不要だ。

(2) 2022年1月、両機を再塗装する際の足場を組立てるための費用を集めるためのクラウドファンディングが行われ、10日ほどで必要経費が集まった。塗装工事自体に係る費用(塗料および工賃)は日本住宅塗装協会のボラティアによる無償提供だ。2022年2月14日にはまずF-4EJ改の周囲に足場が作られ始め、F-4EJ改の再塗装工事が終了した後にRF-4EJの再塗装が行われた。2か月後の2022年4月21日には再塗装完成式典が行われ、一般披露となった。オリジナル塗装と比較すると幾分の難点はあるが、再現の程度は高く、再び退色する前に一度は訪問して見てもらいたいと思う。再塗装工事プロジェクトに関わった皆様(クラファン支援者を含む)には("謝意を表する"など堅苦しい言い回しではなく、素直に)「ありがとう!」とお伝えしたい。

この再塗装工事の様子は日本住宅協会のHPにて公開されている。

外壁塗装/茨城県水戸市 (一社)日本住宅塗装協会

・本blogでの参考記事;

【記録】茨城空港のファントム再塗装の件 - 用廃機ハンターが行く!

【展示機 Aircrafts】

(1)  F-4EJ改 (37-8319)、空自の無償貸付機、第302飛行隊マーク入り。主翼下の兵装用パイロンはあるが、タンクなどの搭載物はなく、スッキリとした形で展示されている。

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写真2-1, 2-2, 2-3 F-4EJ改。(2-1: 再塗装前の2020年11月9日撮影、2-2: 再塗装後の2022年5月29日撮影、2-3: 2023年7月7日午前9時過ぎに撮影)

 

(2)  RF-4EJ (87-6412)、空自の無償貸付機。第501飛行隊マーク入り、インテークベーンに特別マークあり。RF-4EJは戦闘機F-4EJから偵察機に改修された機体で15機が存在した。本機は初期に改修された7機の「限定改修機(初期改修型)」のうちの1機で、胴体中央に偵察カメラを搭載したTACポッドを取付けて偵察任務を行っていた。RF-4EJには長距離偵察用のカメラポッドや電子偵察ポッドの搭載も可能とした「量産改修機」も8機(試改修機を含む)が存在したが、丸々一機が展示されてる例は本機のみだ(機首部分のみはOldCar Center Kudanにて展示中)。残念ながらカメラの入った偵察ポッドは装着されていない。

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写真3-1, 3-2, 3-3 RF-4EJの全機展示機は国内にこの一機しかない。(3-1: 再塗装前の2020年11月9日撮影、3-2: 再塗装後の2022年5月29日撮影、3-3: 2023年7月7日午前9時過ぎに撮影)

 

【F-4EJ改とRF-4EJ限定改修機の差異】

 戦闘機型のF-4EJ改とRF-4EJ限定改修機の外見上の違いはおおむね次の通りだ。ジックリと見比べてみよう。

(1) 塗装が異なる。F-4EJ改は全身グレイ塗装。RF-4EJは緑と茶色の迷彩塗装だ。

(2) F-4EJ改の左右主翼端と垂直尾翼先端にはレーダー電波探知用のアンテナ(J/APR-5)の受信機が設けられている。

(3) RF-4Jの垂直尾翼前縁にはHF無線機AN/ARC-190のアンテナが収められているので、F-4EJ改とはパネル形状(リベットで留めた垂直尾翼構成部品の形)が異なっている。模型製作者は必見。

(4) 垂直尾翼ラダーの後端下部、燃料放出ベントの下のドラッグシュート格納部の形状が異なっている。

(5) もともとは戦闘機であったRF-4EJだが、偵察機改造に際して尾翼のSN(シリアルナンバー)が 「87-"8"412」から「87-"6"412」へと変更されている。航空自衛隊のシリアルナンバー付与方法においてこの部分の数字の”8”は戦闘機、”6”は偵察機を表しているのだ。

 

【余談】

 茨城空港イコール百里基地でもあり、平日に戦闘機を見られるスポットが点在するが、用廃機の紹介を主体とする本Blogでは現用機の撮影ガイドは取り上げないことにする。百里基地雄飛園の展示機はゲートで申請すれば、容易に見学が可能なので、空港訪問と同時に訪れるようにするとよいだろう。さらに周辺には玉里運動公園のT-33A、ケアハウスピソ天神のOH-6D、国土地理院のB-65Pなどがあり、車でサラリと撮影するだけなら、一日で巡ることができる。

以上