用廃機ハンターが行く!

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【遼寧省】瀋陽市の瀋飛航空博覧園

<編集履歴> 02Feb.2020公開、25Nov.2021見直し更新(第4回目、写真追加)

<場所 Place>       辽宁省沈阳市皇姑区陵北街1号 沈飞航空博览园(瀋飛航空博覧園)

<座標Location> 41.8622N, 123.4275E

<訪問日 Visit>  30Apr.2007および19Jul.2014

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写真1 ズラリと並んだ展示機(2014年7月19日撮影)

 

<行き方 Access>

(1) 地下鉄「三台子」駅から徒歩1.8km。または200路バスにて「瀋飛航空博覧園」下車。

(2) 市内各所から121路、131路、157路、178路、200路バスにて「瀋飛航空博覧園」下車。

<解説General> 

(1) 瀋陽北駅からほぼ真北に約5km。J-11製造工場のある瀋飛の滑走路の南西端付近にある博物館。12機(11.5機)の展示機がある。開館は0830-1630(館内見学は16時まで)、入場料30元。月曜休館。館内の閉館時間を過ぎると入場者の有無を確認をすることなく照明は消されて閉じ込められる。閉館時間には自主的に退館するよう、十二分に注意しよう。

(2) 2017年7月に魯山の航空博覧園で拘束された際に、ここは外国人入場不可だと言われたことがある。実際には問題なく入場・見学できるが、少しばかり気になるので記しておく。

【展示機 Aircrafts】   

(1) J-5 (56719) 中国製MiG-17だ。中国内にはMiG-15も数多く展示されているが機体紹介の説明板に書かれている機種が間違っていることが時々ある。主翼上面の境界層板が2枚ならMiG-15、空力的に改良して境界層板を3枚に増やした機体がMiG-17(J-5)系統と覚えておこう。

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写真2(2014年7月19日撮影)

 

(2) JJ-5 (71938) J-5(MiG-17)の複座型練習機。

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写真3(2014年7月19日撮影)

 

(3) J-6 (63923) 中国製MiG-19。

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写真4(2014年7月19日撮影)

 

(4) J-6 (11260)  機体構造を説明するため前部胴体のみを館内に展示。

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写真5 館内に展示されているJ-6の前部胴体(2014年7月19日撮影)

  

(5) J-6III (69805) J-6の発展型。インテーク内のコーンが特徴。

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写真6(2014年7月19日撮影)

 

(6) JJ-6 (70116) J-6の複座型練習機。

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写真7(2014年7月19日撮影)

 

(7) J-7 (66117) 本家MiG-21も中国版も多くの形式があるが、本機はMiG-21F-13相当のJ-7Iとされている。説明板には「J-7戦闘機」とあり、サブタイプまでは書かれていなかった。2007年訪問時には濃い青を基調とした塗装だったが、2014年訪問時には標準塗装に近い色になっていた。

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写真8(2014年7月19日撮影)

 

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写真9 かつては青を基調とした塗装で5つの星を描いていた。(2007年4月30日撮影)

 

(8) J-8I (69705) J-7を双発にして大型にした中国オリジナル戦闘機。2007年訪問時には砂漠迷彩のような塗装だったが、2014年訪問時には標準塗装に近い色になっていた。

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写真10(2014年7月19日撮影)

 

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写真11 かつては砂漠迷彩という感じの塗装だった。(2007年4月30日撮影)

 

(9) J-8ACT (99913, c/n: J8IIACT-0003)

 中国で運動性能制御実証研究に使われたJ-8IIACT(Active Control Technology)が2007年の訪問後に展示された。インテーク脇に小さな翼が付いているのが外見上の特徴だ。1999年9月13日に飛行した本機はこの博物館最大のお宝だが、説明板の”Active”の綴りが"Actiue"となっているのが残念。

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写真12 運動性能制御実証機J-8IIACT。(2014年7月19日撮影)

 

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写真13 J-8IIACTのカナード翼部。この位の大きさの翼では大きな揚力変化は期待できず、制御検証と言ってもかなり限定的なものだったのではないだろうか。(2014年7月19日撮影)

 

(10) Q-5 (65604) J-6(中国版MiG-19)を元に作られた攻撃機。後ろに見えるのが展示館だ。

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写真14(2014年7月19日撮影)

 

(11) CJ-6 (70417 / 47) 練習機。

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写真15(2014年7月19日撮影)

 

(12) Y-5 (3238) An-2Tの中国版。

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写真16(2014年7月19日撮影)

 

(13) J-11 (19981216) 中国製Su-27。隣接する瀋飛で製造されていた。GE-Pro画像によると2020年3月25日から5月25日の間に本機が展示された。ネット写真を見るとエンジンノズル部分は明らかに造り物。もしかしたらFSM(全規模模型)の可能性がある。機体番号も正規のものとは全く異なっている。1998年12月16日と読めることから、恐らくは製造日か初飛行日など、何らかの記念日を表しているものと思われる。本機が展示された後に訪問していないので写真はない。ネット上を探してみて欲しい。

 

【展示後移転、廃棄など】

(1) J-8II (84612) 2007年の訪問時に展示されていたJ-8IIは瀋陽航空航天大学に移設された。

【遼寧省】瀋陽航空航天大学 - 用廃機ハンターが行く!

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写真17 本機は訪問後に瀋陽航空航天大学に移設された。(2007年4月30日撮影)

以上