用廃機ハンターが行く!

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【青森県】空自 大湊分屯基地のF-104J

<編集履歴> 26Jul.2024公開、04Aug.2024見直し更新(第1回目、写真追加)

 

<場所 Place> 〒035-0093青森県むつ市大湊大近川44 航空自衛隊大湊分屯基地

第42警戒隊|大湊分屯基地 [JASDF] 航空自衛隊

<座標 Location>  41.2528N, 141.1281E 

<訪問日Visit> 18Jul.2024

 <行き方 Access> 

(1) JR大湊線の終点「大湊」駅より、脇野沢行のバスに乗車し、11分ほど(300円)の「高校入口」で下車して、山への道を5分ほど登る。バスの便は1~2時間に1本程度の頻度で運行されている。

(2) 「高校入口」バス停から420mほど上り坂を行くと、県立大湊高校への入口より上は「一般車両進入禁止」となる。その190mほど先が正門ゲートだ。

(3) JR大湊駅からは道なりに約4.9km、徒歩なら1時間ほどかかる。

<解説General>

(1)「大湊」というと海上自衛隊が有名だが、こちらは「航空自衛隊」の分屯基地だ(親基地は三沢基地)。この辺りで最も高い釜臥山(878m)山頂にJ/FPS-5B”ガメラレーダー”を設置し、これを運用する第42警戒隊が駐屯している。

(2) 正門ゲート奥の山すそにF-104Jが1機展示されており、例年7月末頃に開催される夏祭り(盆踊り大会)の際に撮影できる。なお、大湊高校入口より先は防衛省専用道路となり、関係者以外は進入禁止となるうえ、ゲートまで行ったとしても木々に阻まれて機体はほとんど見えない。このためイベント時以外は行っても得られるものは無い。「見えないかな~?」と現地を訪問するのは時間の無駄だと言っておこう。

(3) 分屯地公開イベント時にはガメラレーダー見学ツアーが催行されることがある。マイクロバスに乗車して行くため、一回当たりの定員は約20名。正門前からレーダーの足元まで約7.3kmの山道をゆっくり登り、山頂(レーダーの足下)で説明を含めて10分ほど滞在してから下山するという流れだが、往復でちょうど1時間というタイムスケジュールだ。マイクロバスは防衛省専用道路を走ることもあって、ツアー中の撮影は一切禁止となっている。そもそも夏祭りの開場時間が16時過ぎに設定されるので、ツアーは日没までの3回程度しか行われない。光のあるうちにF-104Jを撮影すると、ガメラレーダー見学ツアーの初回には間に合わず、参加希望者が多い場合には3回目(最終回)の乗車となる。乗車まで1時間以上待たされたうえ、挙句の果てには定員で打ち切られ、見学できない場合があるので注意しよう。F-104を撮るか、それともガメラレーダーを見るか?目的を絞って訪問することが大切だ。

(4) 訪問ついでに道なりに約1.8km離れた海上自衛隊大湊航空基地のゲート前に置かれている2機のヘリコプター(HSS-2BとSH-60J)を訪ねるとよい。

・本Blogでの関連記事;

【青森県】海自 大湊航空基地の展示機 - 用廃機ハンターが行く!

 

【展示機】

(1) F-104J (46-8622) 1985年5月29日付で用廃になったとされる機体。ノーズコーンは黒色で、尾翼には 第207飛行隊のマークを描いている。1983年8月の千歳基地航空祭時には第203飛行隊所属機であったが、その後、用廃までに沖縄の第207飛行隊所属となっていたかどうかは不明。個人的には第203飛行隊所属機を展示した後、塗り直しの際に描き換えられたのではないかと思っている。GE-Proによると2011年4月5日取得画像以降に機首を南東に向け、山道の中腹に置かれている姿を確認できる。機体左側に沿って山への道があり、ここから撮影可能だが、終日逆光だ。機体までの距離は数メートル程度なので、真横写真ならば10~16mm程度の超広角レンズが欲しい。機体右側面は山側となるうえ、樹木が茂っているので、写真はまず撮れない。

写真1-1, 1-2,1-3  夏祭りの際には機体左側面を撮影できる。標準ズームレンズ(作例はフルサイズ24mm程度)で撮影できるが、機首付近では見上げる形になる。中望遠レンズでグラウンドから撮影すると、電線やら駐車中の車やら、祭りの看板や提灯などが画面に入る(作例)。過去には機体の様子が確認できた機体右側面は、樹木等が生い茂っていたので訪問時には撮影できなかった。(2024年7月18日)

 

【その他】

(1) むつ市周辺では、どこからでも釜臥山頂上に設置されたJ/FPS-5B、通称”ガメラレーダー”を見ることができるが、その様子をそこそこに撮影したい方は、JR下北駅近くから「かまふせパノラマライン」に入り、釜臥山展望台へ行こう。中望遠ズームレンズでそこそこの大きさに写真を撮ることができる。パノラマラインは季節や時間により閉鎖されるので、その時期や開門時間は都度確認すること。また、状況次第ではあるが、展望台からでは”親ガメ”(大型レーダー面)を見られる機会は少ないと思われる。

写真2 JR大湊駅前から見た、釜臥山にあるガメラレーダー。フルサイズで800mmくらいかな。(2024年7月18日撮影)

 

【余談その1】

 2024年7月18日の訪問時、開門と同時に入場し、F-104Jの写真を一通り撮影してからレーダー見学ツアーの待機列に並ぶと、第2回目のギリギリ最後に乗車することができた。その乗車の際にはバスの直ぐ脇にまで、カモシカニホンカモシカ)が現れました。この日の日中には、海自大湊航空基地の正門脇にあるヘリコプターを撮影中にもニホンカモシカが姿を現しており、一日で二個体を間近に撮影することができました。

写真3 マイクロバスに乗車する直前に姿を現したニホンカモシカ。右はバスや乗客を誘導する係の隊員です。乗車後は撮影禁止だったので、既にカメラをバックパックにしまっていたのだけれど、慌てて取り出して撮影したもの。この際にレンズキャップを落として無くしてしまったようだ(後日、購入した)。(2024年7月18日撮影)

 

【余談その2】

 青森県車力村(現つがる市車力町)の農民研修センターには1980年代ごろから2010年頃までF-104J(36-8530)が展示されていた。この機体が撤去された頃、大湊分屯基地にF-104Jが展示された(展示されていた)という話を耳にしたので、530号機が移設されたのかと思っていたが、まったく別に搬入された機体であった。農民研修センターの530号機は、やはり解体されちゃったのだろうなぁ。

以上