用廃機ハンターが行く!

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【ベトナム】ベトナム軍回転翼機の展示機まとめ

<編集履歴> 10Feb.2023公開、28Feb.2023見直し更新(第3回目、見直し更新)

 

【概要】

 ベトナム戦争中、米軍と南ベトナム軍はヘリコプターを運用したが北ベトナム軍はヘリを使っていたっけ?というレベルの知識を元にして書く。戦後はベトナム空軍(一時期組織上分離した防空軍を含む)と海軍(航空部隊の所属は空軍??)で数機種を使用したようだ・・・(調べていない)。・・・例によって「そのうち」Upadateするので、しばらく放っておいてください。

 現在、展示されているヘリコプターは5機種19機。その内訳はカモフKa-25BSh(3機)、Mi-4(2機)、Mi-6(2機)、Mi-8(5機)、Mi-24(7機)だ。

 

【カモフKa-25BSh:全3機】

 海軍で使用された対潜哨戒ヘリコプター。海軍航空隊所属か空軍所属で海軍配備なのかは調べていない。カモフならでは二重反転ロータに加え、機首に大きなレドームがある、極めて独特な形態をしている。

(1) Ka-25BSh (7511, 20.9988N / 105.8288E) ハノイの防空空軍博物館、1990年5月には展示されている。

(2) Ka-25BSh (7509, 20.8260N / 106.7005E) ハイフォンの海軍博物館、2004年頃の開館当初から展示されている。

(3) Ka-25BSh (S/N?, 11.9765N / 109.2270E) カムラン基地内に置かれた機体。GE-Pro

では2018年3月12日以降の取得画像で確認できる。

写真1 ハイフォンの海軍博物館にあるKa-25BSh。(2018年9月29日撮影)

 

【Mi-4S:全2機】

(1) Mi-4S (5951D, 20.9994N / 105.8285E) ハノイの防空空軍博物館。S/Nは2012年1月8日訪問時には"151D"、2018年9月30日訪問時には"5951D"となっていた。

(2) Mi-4S (52 57.D, 18.6583N / 105.6947E) ハノイの南約260km、Vinh市の第4軍管区博物館Bao tan Quan khu4にある機体。敷地内にはMiG-17も展示されている。テイルブームに書かれたSNは偽番号。”52”と”57.D”の間に一文字分の隙間がある。

写真2 防空空軍博物館のMi-4S。(2018年9月30日撮影)

 

【Mi-6A:全2機】

(1) Mi-6A (7609, 20.9985N / 105.8289E) 防空空軍博物館、実質的に国内唯一の展示機

(2) Mi-6A (2005, 10.9664N /106.8280E) ビエンホア基地内に”比較的キレイに/まともにな形のままで放置”された機体であり、”展示機”とは言い難い存在。S/N"2005"は偽番号。

写真3 ハノイ防空・空軍博物館にあるMi-6A。手前に駐車車両があることが多く、全景写真は撮りづらい。(2012年1月8日撮影)

 

【Mi-8:全5機】

 Mi-8は1993年頃から現在(2022年)に至るまで使用され、Mi-17(Mi-8MTの輸出型)に置換されつつある。S/N.は734X~78XXまで数ブロックに分散して約50機分が確認されているが、Mi-17を”Mi-8”として掲載する例も多く、どこまでが”Mi-8”でどこからが”Mi-17”なのか正確なことは判らない。

(1) Mi-8 (7822, 21.1403N / 105.5046E) ハノイの北西約35㎞、Son Tayの町の古城Thanh co Son Tayに置かれた機体。2機のMiG-21にはさまれるようにして展示されている。ハノイのロンビエン区から路線バスで行けるが3時間かかる。

(2) Mi-8 (7826, 21.0983N / 105.4842E) ハノイの北西約35㎞、Son Tayにある防空空軍士官学校敷地を2014年7月4日から2015年5月29日の間に整備して展示機数機を設置した。本機はその際に展示されたうちの1機だ。

(3) Mi-8 (S/N?, 10.9690N / 106.8288E) ビエンホア基地内にMiG-21、UH-1Hと共に2019年1月頃から置かれている。

(4) Mi-8T (7812, 10.8052N / 106.6609E) HCM市の南部空軍博物館

(5) Mi-8 (S/N?, 10.0858N / 105.7247E) HCM市の南西約135km、カントー空港の軍事基地エリアにUH-1HおよびMi-24と共に2021年初めごろから置かれている。GE-Pro画像で確認できるのは2021年10月1日取得画像から。

※Bob OgdenのS/N本(第2版)にはSon Tayの防空空軍士官学校にMi-8があるとされているが、当該機のロータ直径を測定すると約16mしかない。Mi-8は約21mだ。このことから展示機はMi-8ではなく、Mi-24と判断する。

写真4 南部空軍博物館のMi-8T。植樹が邪魔で撮りにくい。(2014年11月1日撮影)

 

【Mi-24:全7機】

 Mi-24Aの活動する姿が確認されたのはおおむね1990年から2006年の約16年間で、その後2016年頃まではタンソンニャット空港の一角などで保管されている姿が見られていた。S/N.7401-7440が確認されているが中抜けの部分も数多くあり、本当に40機が配備されていたのかどうかは調べがついていない。英語版Wikipediaベトナム空軍を見るとMi-24Dを配備していたような記載があるが、Mi-24Aの引退後には戦闘・攻撃ヘリを有していない。

注:本機の運用については次の説もあるが、まだ確認・検証していない;

ベトナム防空空軍は Mi-24A/B/Uを1979 年から 1980 年にかけて受領した。

・ Mi-24A (Hind-A) は標準仕様、Mi-24B (Hind-B) は機首に 12.7 mm 重機関銃を装備、 Mi-24U (Hind-C) は訓練用の非武装機。

ベトナム防空空軍初の武装ヘリコプター飛行隊は1980 年 1 月 11 日に設立された第 916 連隊第 304 飛行隊であり、全てのMi-24は第 916 連隊(飛行隊不明)に配備されていた。

・1982年から1984年の間に30機のMi-24Dを受領したとの説があるが、これまでに機体は確認されていない。説の出所はSIPRI(ストックホルム国際平和研究所)らしい。

<展示機>

(1) Mi-24A (S/N?, 21.2579N / 105.8370E) ハノイのノイバイ空港の北東約6㎞にある軍事施設内(第371師団第921戦闘飛行連隊)に展示されている機体。2016年6月から2017年5月29日までの間に敷地内が整備された際に設置された。近隣にMiG-21、Su-22、MiG-17Fがある。BoBOgdenの本やSpottingmode.comでは”Mi-8”とされているが、ロータ直径が16m程度なのでMi-24と判断する(カタログ上のロータ直径は17.3m)。ちなみにMi-8のロータ直径は約21m(カタログ上のロータ直径は21.29m)。南部空軍博物館に2機並んでいるので比較して見ると良い。

(2) Mi-24A (S/N?, 21.0480N / 105.4901E) ヘリコプター部隊の基地であるHoa Lacの敷地内にある機体で2011年12月には置かれていた。Spottingmode.comでは”Mi-4?”としているが、ローター直径が約16mなので(Mi-4やMi-8ではなく)Mi-24と判断する。

(3) Mi-24A (7430, 20.9987N / 105.8288E) ハノイの防空空軍博物館展示機。1997年には置かれていた。

(4) Mi-24A (7435, 16.0485N / 108.2074E) ダナン基地ゲートガード群のうちの1機。2018年2月17日から同年5月9日までの間に設置された。

(5) Mi-24A (7440, 10.9638N / 106.8294E) ビエンホア基地内展示機。GE-Proの2010年1月29日取得画像から機影が確認できる。

(6) Mi-24A (7403, 10.8051N / 106.6610E) HCM市の南部空軍博物館に1997年には置かれていた。

(7) Mi-24A (S/N?, 10.0854N / 105.7240E) HCM市の南西約135km、カントー空港の軍事基地エリアにUH-1HおよびMi-8と共に2021年初めごろから置かれている。GE-Pro画像で確認できるのは2021年10月1日取得画像から。

写真5 南部空軍博物館のMi-24A。(2015年4月11日撮影)

以上