用廃機ハンターが行く!

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【ベトナム】MiG-21展示機まとめ

<編集履歴>  25Jan.2023公開、24Feb.2023見直し更新(第18回目、見直し更新)

 

【概要】

  ベトナム戦争当時から2010年代まで主力戦闘機であったMiG-21は一般公開・非公開の機体が各型式あわせて70機程度が存在している。ベトナム防空軍では2016年前後にSu-27/Su-30MK2Vへと機種更新を終えているが、この前後の時期に新たな展示機が増えたように思う。展示機の型式を列挙するとF-30/ PF(PFL)/ PFM/ MF/bis/UM/USだ。特筆すべきは北部紅河デルタ地方の8省(Vinh Phuc, Bac Ninh, Hai Duong, Nam Dinh, Hung Yen, Ha Nam, Thai Binh, Ninh Binh)の省立博物館のうちtinh Nam Dinhを除く7省の博物館に機体が展示されていることだ(NamDinhにはMiG-17が展示されている)。これらは政策的に展示したものと考えられる。

 展示された機体の中には別記事に記載したS/N付与方法に合致しない機体や同一S/Nを記載した複数の展示機が存在している。おそらくは何らかの「いわく付き」(例えば多数の米軍機を撃墜したり、大きな戦果をあげるのに寄与した機体など)の番号を手元にあった機体に書き込み「政治的に使える機体」として展示したものだろう。中には古い機体を新しい型式の機体と入替えた際に古い機体のS/Nを引き継いで記載したと思われる例もある。このため海外の記事やデータベースの中には過去に存在していた展示機の型式を記載していたり、S/Nだけで型式を判断して掲載している例がいくつか見られるが、読者の皆様が新たに記事を書かれる場合には(前述の通り、ネット情報と実物との乖離が数例あるため)ネット上にある「最新の写真」を元に型式を判断して記事を書くようにと注意喚起しておく(2023年2月初旬の時点では画像投稿が少ないので確認に必要な画像を見つけるのはやっかいだぜぃ)。

 展示機は交通の不便な所にもあるので、全機を撮影するのはなかなか難しいことだろうが、ベトナム旅行の際の目的地の一つとして本リストを活用していただければ幸いだ。

ベトナムのMiG-21各型の識別方法とシリアルナンバー付与方法】

別稿にまとめましたのでこちらを参照ください。

【ベトナム】ベトナムにあるMiG-21の識別法 - 用廃機ハンターが行く!

写真1 ビエンホアのドンナイ省博物館にあるMiG-21PFM。2019年夏ごろから向きが180度変わった。(2015年4月12日撮影)

ベトナムのMiG-21展示機一覧】(機首に書かれたS/N順、番号不明の場合にはおおむね北から南の順とする。番号には便宜上A~Fの頭文字を入れる。また便宜上ネット上の写真により型式を確定していない機体には型式後に*を付ける)

<4000-4599:登録システム上はF-13型およびPF型に付与、全7機>

(A01) MiG-21F-13(4320, 21.5826N / 105.8196E) ハノイの北約60kmのタイグエンThai Nguyenにある第1軍管区博物館Bao Tang Luc luong Vu trang Viet Bac Quan khu 1。オリジナルS/Nは4520号機とされる。ベトナム国内唯一のF-13型展示機だが、機首下部のピトー管は取り外されている。

(A02) MiG-21bis(4320, 21.3053N / 105.5934E) ヴィンフク博物館Bao tang Vinh Phucにある国内2機目の4320号機。左側機首に2個のキルマークがある。Jetphotoに掲載されている2022年6月撮影のショットは「PFL型」として登録されているが、機体形状を見ずにS/Nから判断して記載したものだろう。 ネット上の写真コメントに付けられた型式はこのように実際とは異なっているケースが極めて多いので注意が必要だ。

(A03) MiG-21PF(4324, 21.0320N / 105.8400E) ハノイ軍事歴史博物館、キルマーク14個。国宝指定機

(A04) MiG-21bis*(4324, 21.2549N / 105.8357E)  ハノイのノイバイ空港の北東約6㎞にある軍事施設内(第371師団第921戦闘飛行連隊)に展示されている国内2機目の4324号機だ。以前から存在していた機体だが2016年6月から2017年5月29日までの間に敷地内が整備され、この位置に設置された。Google Mapに貼り付けられた写真より元のS/Nは5201号機と推定されるが、さらにそれ以前は5239号機か5249号機であった可能性がある。道路脇から木立越しに眺めることができる。

(A05) MiG-21PF(4326, 20.9998N / 105.8258E) ハノイの防空空軍博物館、キルマーク13個。

(A06) MiG-21PFM(4326, 21.2576N / 105.8370E) ハノイのノイバイ空港の北東約6㎞にある軍事施設内(第371師団第921戦闘飛行連隊)に展示されている機体で元の機番は4324号機。以前から存在していた機体だが2016年6月から2017年5月29日までの間に敷地内が整備され、機体番号を4326号機としてこの位置に設置された。なおこの時に隣接して置かれていた5201号機が4324号機に塗り直されている(上述)。近隣にSu-22、MiG-17F(2011(元2505か?), Mi-8がある。国内2機目の4326号機。

(A07) MiG-21PFM(4326, 10.8049N / 106.6609E) HCM市の南部空軍博物館展示機。国内3機目の4326号機だ。

 

<5000-5099:登録システム上はPFM型に付与、全4機>

(B01) MiG-21PFM(5020, 20.9992N / 105.8293E) ハノイの防空空軍博物館、キルマーク12個

(B02) MIG-21PFM(5020, 16.0494N / 108.2072E) ダナン基地ゲート奥に並ぶ3機のMiG-21のうちの真ん中の機体(ダナン基地その2)で、国内で2機目の5020号機。本当のS/Nは6122号機といわれている。

(B03) MiG-21MF(5023, 21.3160N / 105.3957E) フート省tinh Phu Thoのフンブォン博物館Bao Tang Hung Vuongにある2機のうちの一機(南東側)。S/NからPFM型とされるが、ドーサル部の形状からMF型と判断する。

(B04) MiG-21bis(5033, 21.0338N / 105.8406E) ハノイのB-52戦勝記念館。本機はかつてハノイレーニン公園に置かれていた5236号機を移設したという説が一般的。キルマーク3個。詳細は訪問記事参照

 

<5100-5199:登録システム上はMF型に付与、全10機とコクピット部分のみの0.5機>

(C01) MiG-21MF(5108, 12.2349N / 109.1931E) Nha Trangの空軍士官大学Trường Sĩ quan Không quân敷地内に2007年1月から2012年1月までの間に敷地を整備して設置した。衛星画像を見るとMiG-21は2機置かれているが、本機はそのうちの東側に置かれており、木陰で機首周辺しか写っていない機体だ。ちなみに西側にある機体は複座のMiG-21US(8107)だ。Nha Trang基地のエプロン跡にはGE-Proの2022年6月取得画像を見ると12.2316N/109.1903E付近に廃棄を待つMiG-21の姿が12機確認できるが、展示機ではないため、これらは本Blogでは取り扱わない。

(C02) MiG-21MF(5114, 16.0480N / 108.2177E) ダナン軍事博物館に2機展示されているMiG-21MFのうちの1機。もう1機は5127号機

(C03) MiG-21MF(5121, 21.0338N / 105.8406E) ハノイ軍事歴史博物館展示機でハノイ防空空軍博物館展示機と同一SN。キルマーク5個。国宝指定機。詳細は訪問記事参照

(C04) MiG-21MF(5121, 20.9998N / 105.8296E) ハノイの防空空軍博物館展示機でハノイ軍事歴史博物館展示機と同一SN(国内2機目の5121号機)。2012年訪問時には8個のキルマークがあったが、2018年訪問時にはほぼ全てが消えていた。詳細は訪問記事参照

(C05) MiG-21MF(5121, 20.4525N / 106.3487E) ハノイの南東約90km、タイビン省博物館Bao tang Thai Binh展示機で国内3機目の5121号機だ。機首右側に7個のキルマークがあるが消えかけている。周辺にはB-52の破片と称する残骸がいくつか展示されているが、中にはF-4の後席キャノピーらしきものも混じっている。

(C06) MiG-21MF(5127, 16.0480N / 108.2179E) ダナン軍事博物館に2機展示されているMiG-21MFのうちの1機。もう1機は5114号機。

(C07) MiG-21MF(5130, 15.5718N / 108.4185E) ダナンの南東約60kmにあるクアンナム省tinh Quan NamタムキTam kyの街の軍事博物館Bao tang quan doi tinh Quang Nam展示機。敷地内にはUH-1もある

(C08) MiG-21MF(5138, 13.0941N / 109.3017E) HCMの北東約530km、トゥイホアTuy Hoaの博物館Bao tang Phu Yen展示機。機首の番号はすでに消えている。敷地内にはUH-1Hも展示されている

(C09) MiG-21MF(5147, 14.0157N / 107.9928E) HCM市の北東約370㎞、ザライ省Tỉnh Gia Laiの省都Pleike市にある軍事博物館Bao tang Luc Luong vu Trang doi Gia Lai (Bao tang LLVTと略すことが多い) の展示機。2009年12月8日には既に設置されていた。敷地内にはUH-1Hも展示されている。

(C10) MiG-21MF*(5151, 20.9990N / 105.8291E) ハノイの防空空軍博物館。機首部分のみのコクピット公開機だが、SNは消されており確認することができない。なおコクピット内部の写真や動画もあるが本機を5151号機とした根拠は確認できていない。私が2018年に訪問した際にはこの機首部の展示自体を見落としており、デジタル写真は持ち合わせていない(1997年頃にポジで撮影しているが、行方不明だ)。

(C11) MiG-21MF(5057, 21.3160N / 105.3957E) フート省tinh Phu Thoのフンブォン博物館Bao Tang Hung Vuongにある2機のうちの一機(北西側)。S/NからPFM型とされるが、ドーサル部の形状からMF型と判断する。

 

<5200-:登録システム上はbis型に付与、全20機>

(D01) MiG-21bis(5207, 21.1842N / 106.0755E) ハノイの北東約30km、バクニン博物館Bao tang Bac Ninh 展示機。詳細は訪問記事参照

(D02) MiG-21bis*(5215, 21.0979N / 105.4843E) ハノイの北西約35㎞、Son Tayにある防空空軍士官学校敷地を2014年7月4日から2015年5月29日の間に整備して展示機数機を設置した。少し離れた場所にもMiG-21PFM(6145)が置かれている。

(D03) MiG-21bis(5228, 21.2772N / 106.1943E) ハノイの北東約50km、バクザン省博物館Bao tang Bac Giang展示機。2014年11月20日には展示用台座が設けらており、2015年10月18日までの間に設置された。展示当初は機首両側にキルマーク5個を描いていたが、ほぼ消えてしまい見えなくなっている。

(D04) MiG-21bis(5233, 21.1403N / 105.5045E) ハノイの北西約35㎞、Son Tayの町の古城Thanh co Son Tayに置かれた2機のMiG-21のうちの西側の機体。他にMi-8(7822)も展示されている。ハノイのロンビエン区から路線バスで3時間丁度だそうな。

(D05) MiG-21bis(5238, 21.1403N / 105.5045E) ハノイの北西約35㎞、Son Tayの町の古城Thanh co Son Tayに置かれた2機のMiG-21のうちの東側の機体。展示後しばらくしてからの作業時にクレーンを機体の上に倒したのか、風防前の機首、ドーサル部、左主翼前縁が大きく潰され、へこんでいる(2020年ごろの動画で確認)。

(D06) MiG-21bis(5246, 20.9482N /107.0975E) ハロン湾に面したクアンニン省博物館Bao tang tinh Quang Ninh展示機。2017年3月31日に設置された。左側の機首にキルマーク5個。本機の設置と同時にSAM-3(ロシア名S-125 Pechora/NATO名SA-3 Goa)も設置されている。

(D07) MiG-21Bis*(5250, 20.2586N / 105.9803E) ニンビン省博物館Bao tang Ninh Binhに2022年7月12日に搬入された国内2機目の5250号機。設置場所は20.2589N / 105.9801かもしれない。この博物館には以前にはMiG-21PFM(6105)が展示されており(20.2586N / 105.9803E)、これと交換された可能性がある。

Trưng bày máy bay MIG 21 số hiệu 5250 tại Bảo tàng Ninh Bình

(D08) MiG-21bis*(5250, 20.0609N / 106.1087E) ニンビン省tinh Ninh BinhキムソンKim son地区のレンガ工場にDuong Van Don氏が作った私設博物館Bao tang kim chinn。2021年11月10日取得のGE-Pro画像では機体を確認することができない。

(D09) MiG-21bis(5267, 20.9431N / 106.3302E) ハノイの東南東約60㎞にあるハイズオン省博物館Bao tang tinh Hai Duong展示機。371師団927連隊所属機から2018年3月7日に機体は搬入された。機首右側に5個のキルマークが記されている。樹木に覆われているため衛星画像での確認は困難だ。館内にはアメリカ国籍マークのあるF8Uの主翼部分(1m四方程度)も展示されている。

(D10) MiG-21Bis(5272, 16.0456N / 108.1904E) ダナン基地内その7、中央西部Su-22脇

(D11) MiG-21bis(5286, 18.3999N / 105.7392E)    ハノイの南約330km、ハティン市Tp. Ha Tinhの北西約20㎞の道路沿いにある「Don Loc交差点記念公園Khu tuong niem Nga Ba Dong Loc」にある展示機。ここはホーチミンルートの起点となる交差点。ベトナム戦争時代にホーチミンルートを確保するため、投下された爆弾を取り除く作業を行っていた10人の女性が犠牲になった。これを悼むために2014年頃に慰霊塔や博物館やモニュメントがこのエリアにボコボコと建てられた。第三者的に見れば「新しい観光地」だ。主要道路がT字になっている部分なので「Don Loc T」という簡易名称でも恐らくは通じる。日本国内から公共交通機関を使って行くにはかなりハードルの高い展示場所だ。機体の脇にはA-1H(Bu.134631)も展示されている。

(D12) MiG-21bis(5288, 16.0391N / 108.2058E) ダナン基地内その5(基地南東部)、2機並ぶ機体のうちの東側の機体で空色塗装機(2019年6月撮影時)

(D13) MiG-21bis(5292, 20.5408N / 105.9040E) ハノイの南約55km、ハナム省博物館Bao tang Ha Nam展示機。敷地内にはSu-22も置かれている。これら2機とも2014年12月17日から2016年5月31日の間に設置された。

(D14) MiG-21bis(5293, 21.3564N / 106.2863E) Kep基地の南東約5㎞にある第365師団 Sư đoàn PK 365駐屯地内に2014年9月16日から12月20日までの間に設置された。

(D15) MiG-21bis (5298, 20.6574N / 106.0506E) ハノイの南東約50km、フンイエン省博物館Bao tang tinh Hung YenにMiG-21U*と共に2018年1月から2019年11月の間に設置された。機首と垂直尾翼には展示用の後書きで「MiG-21bis」とキリル文字で書かれている。

(D16) MiG-21bis(5299, 27.7189N / 104.9142E) ハノイの北西約130km、中国国境の町ラオカイへの中間点辺りにあるイェンバイ博物館Bao tang Yen Baiの展示機。敷地内にはMiG-17も展示されている。

(D17) MiG-21bis(5307, 16.0391N / 108.2057E) ダナン基地内その4(基地南東部)、2機並ぶ機体のうちの西側の機体で銀色塗装機(2019年6月撮影時)

(D18) MIG-21bis(5318, 16.0493N / 108.2072E) ダナン基地ゲート奥に並ぶ3機のMiG-21のうちの南側(Su-22脇)の機体(ダナン基地その3)。Jetphoto掲載の2019年6月撮影写真にはMFと登録されているが、別稿の識別法によるとbis型だ。

(D19) MiG-21bis(5925, 13.9597N / 109.0516E) ダナンの南約250㎞、フーカット基地Phu catに2018年11月28日から2019年3月9日までの間に2機設置されたうちの東側の機体。西側に置かれた機体は複座のUM型(5940号機)だ。JetpohtosにはMF型と記載されているが別稿の識別法よりbisと判定。2011年に引退し、2018年に再塗装され濃い空色塗装になった。

(D20) MiG-21bis(5929, 16.0359N / 108.2051E) ダナン基地内その6、基地南東部のカマボコ型シェルター脇の道路上に2021年9月から2022年4月までの間に展示された真っ青なMiG-21bis。2022年4月9日と6月5日の夜間に撮影されたJetPhotos掲載写真ではMFと登録されているが、別稿の識別法よりbisと判定。

 

<6101-6200:どうやらPFM型に付与、全11機>

(E01)  MiG-21PFM(6101, Location unknown) Jetphotoに投稿された2019年10月撮影の機体で青色まだら迷彩となっている。建物の左前にあるが展示場所を特定できていない。またこの建物の影にもう1機の機体がある(機種不明)。

(E02) MiG-21PFM(6104, 18.6718N / 105.6711E)    ハノイの南約270kmにあるゲアン省Tỉnh Nghệ Anヴィン市Tp. Vinhの博物館Bao tang Nghe An展示機。2021年9月3日から2022年4月までの間に敷地内を改装して18.6717N/105.6703Eにあった機体を現在の場所に移転している。SA-2も展示されている。近隣にあるBao tang Quan Khu 4にはMiG-17があるのでこちらも訪問しよう。

(E03) MiG-21PFM*(6105, 20.2586N / 105.9803E) ニンビンNinh Binh省博物館Bao tang tinh Ninh Binhに展示されていた機体でGE-Proの2013年6月9日取得画像から2020年7月26日取得画像まで機影が確認できる。5250号機の項で述べたが、NinhBinh博物館には2022年7月12日に5250号機が搬入されており、機体が交換されているのかもしれない。(邦訳の関係でtinh Ninh Binhとは異なるNinh Binh博物館に5250号機が搬入された可能性もある)。一方でGoogle Mapで「Bao tang Ninh Binh」を入力すると2022年10月に撮影された空色再塗装されたPFM6105号機の写真を見ることができる。今後、衛星写真が更新されたら再度確認を行いたい。

(E04) MiG-21PFM(6110, 9.2938N / 1105.7265E) Bac Lieuの町のTheater Cao Van Lau式脇に置かれている。元は市内博物館Bao tang Bac Lieuにあった機体だが、2010年頃に閉鎖され、その後数年間は放置されたままだった。このころ撮影された動画がyoutubeに投稿されている。動画ではMiG-21F94という型式で紹介されているが、ここではPFM型とする。

(E05) MiG-21PFM(6124, 16.4441N / 107.5817E) 2020年5月にフエ王宮脇の歴史博物館からフエ市内のこの場所に移転された。状況から老朽化した歴史博物館の再整備工事の終わる2028年頃には再び移設される可能性がある。

(E06) MiG-21PFM(6126, 13.7620N / 109.2185E) HCM市の北東約430km、ビンディン省Tỉnh Bình Địnhの省都クイニョンQuy Nhonの町にある省軍司令部Bộ Chỉ Huy Quân sự Tỉnhに2機置かれている機体のうち北西側の機体。2008年8月26日から2010年7月31日までの間に設置された。一般人の入場はできず、また大通りから撮影しようとすると現地人でも衛兵に怒られるようだ。撮影するチャンスがあったとしても手前に植樹があるので全景は撮影できないが、隣接するホテルの4-5階付近から撮影できてしまう。

(E07) MiG-21PFM(6132, 13.7620N / 109.2185E) HCM市の北東約430km、ビンディン省Tỉnh Bình Địnhの省都クイニョンQuy Nhonの町にある省軍司令部Bộ Chỉ Huy Quân sự Tỉnhに2機置かれている機体のうち南東側の機体。隣接するホテルの4-5階付近から撮影できてしまう。

(E08) MiG-21PFM(6144, 10.9580N / 106.8297E) ビエンホアBien Hoaにあるドンナイ省博物館Bao tang tinh Dong Nai展示機。詳細は訪問記事参照

(E09) MiG-21PFM(6145, 21.0993N / 105.4831E)    ハノイの北西約35㎞、Son Tayにある防空空軍士官学校敷地を2013年12月19日から2014年7月4日の間に整備して本機を設置した。2015年頃は白色塗装だった。その後、防空空軍士官学校ではその後も敷地内整備を進めており、2015年5月29日までに少し離れた場所にもMiG-21bis(5215)を始めとする数機の展示機を設置した。

(E10) MiG-21PFM(6173, 11.1412N / 106.4623E) HCM市近郊に2つある「クチトンネル」のうち、国内観光客向けのベンズォックトンネルBen Duoc Tunnelのビジターセンター前の広場にある機体。ここにはMiG-17とUH-1も展示されている。樹木に覆われているので衛星画像での確認は困難だ。詳細は訪問記事参照

(E11) MiG-21PFM(F-94)(6176, 21.3629N / 105.3468E) Google Mapにて「Bao tang Bac Giang」を入力して表示される205枚の写真の中に1枚だけ突然現れるフート省Phú Thọベトチ市Việt Trìの第2軍区博物館Bao tang Quan Khu 2の展示機。GE-Proの2009年6月9日取得画像にて既に機影が認められるが、2018年3月23日取得画像を最後に木立の下に隠れてしまったため、現存しているのか撤去されてしまったのか不明だ。

 

<S/Nを確認できない機体、全15機>(主に衛星画像で確認できるが写真が無いもの)

(F01) MiG-21* (S/N?, 21.4062N / 103.0044E) ディエンビエンフー空港の北端部にある軍事エリアに2022年1月頃に設置された。

(F02) MiG-21* (S/N?, 21.3688N / 105.9824E) Bac Gianの町の中心部から北西に約25㎞、軍の駐屯地に2009年4月21日から2014年12月23日までの間に設置された。

(F03) MiG-21* (S/N?, 21.2421N / 105.8146E) ハノイのノイバイ空港の北北東約3㎞、921連隊司令部Trung Doan Khang Quan 921の敷地内に2機並ぶMiG-21のうちの西側の機体

(F04) MiG-21* (S/N?, 21.2421N / 105.8146E) ハノイのノイバイ空港の北北東約3㎞、921連隊司令部Trung Doan Khang Quan 921の敷地内に2機並ぶMiG-21のうちの東側の機体

(F05) MiG-21MF?bis?*(S/N?, 20.8110N / 106.6371E) ハイフォンの町の南西部、KienAn基地(空港)の東北東約2㎞にある第363師団駐屯地内に2014年8月から12月までの間に置かれた機体。衛星画像に写るドーサル部の形状からMFかbisだ。

(F06) MiG-21* (S/N?, 20.1471N / 105.9268E) ニンビン省タムディエプ市にあるBao tang Binh Doan Quyet Thangにある機体。2011年7月2日にはすでに設置されていた。ドーサル部形状の影からMiG-21PFMと思われる。

(F07) MiG-21* (S/N?, 19.8971N /105.4529E)    バイトゥオンBai Thuong空軍基地(トースアンTho Xuan空港)内に2機あるうちの1機。近隣にはSu-22, MiG-17, A-37も置かれている。

(F08) MiG-21* (S/N?, 19.8971N /105.4529E)    バイトゥオンBai Thuong空軍基地(トースアンTho Xuan空港)内に2機あるうちの1機

(F09) MiG-21* (S/N?, 16.0460N / 108.1870E) ダナン基地内その8、中央西部その9脇

(F10) MiG-21* (S/N?, 16.0460N / 108.1870E) ダナン基地内その9、中央西部その8脇

(F11) MiG-21* (S/N?, 16.0353N / 108.1777E) ダナン基地滑走路の約2.6km西側の第5軍管区居住地の一角に2014年3月28日から同年6月25日までの間に設置された2機のうちの1機

(F12) MiG-21* (S/N?, 16.0353N / 108.1777E) ダナン基地滑走路の約2.6km西側の第5軍管区居住地の一角に2014年3月28日から同年6月25日までの間に設置された2機のうちの1機

(F13) MiG-21* (S/N?, 11.6451N / 108.9460E) HCM市の北東約240㎞、ニントゥアン省省都ファンラン=タップチャム郊外のファンラン基地Phan Rang(タンソン空港San bay Thanh Son)の北側の一角に2019年9月10日ごろ設置された。隣には同日に設置されたSu-22があり、また近隣には2010年7月以降置かれているA-37がある。

(F14) MiG-21* (S/N?, 10.9691N / 106.8288E) ビエンホア基地内にMi-8と共に2019年1月頃から置かれている。ビエンホア基地のカマボコ型シェルター周辺には数機のMiG-21,UH-1, An-26が廃棄待ちで置かれているが、展示機ではないため本Blogでは取り上げない。

(F15) MiG-21* (S/N?, 10.9611N / 106.8160E) ビエンホア基地内を整備して設置された。GE-Pro画像では2022年11月28日取得画像から機影を確認できる。隣にはF-5A(67-21153といわれる)も展示されている。

 

【複座のMiG-21、全4機】

(G01) MiG-21UM(8229, 20.6574N / 106.0506E) ハノイの南東約50km、フンイエン省博物館Bao tang tinh Hung YenにMiG-21bisと共に2018年1月から2019年11月の間に設置された。ベトナム国内で一般人が見学できる唯一の複座型MiG-21。

(G02) MiG-21U* (8232, 16.0493N / 108.2072E) ダナン基地ゲート奥に並ぶ3機のMiG-21のうちの北側(最もゲート側)の機体(ダナン基地その1)。2020年5月25日から2021年3月12日の間に設置された(これによりMiG-17(2011)が撤去された)。機首部の画像しか確認できていないため、アンテナの無いUS型かアンテナのあるUM型かの識別はできていない。

(G03) MiG-21US(8107, 12.2348N / 109.1928E) Nha Trangの空軍士官大学Truong Si quan Khong quan敷地内に2007年1月から2012年1月までの間に敷地を整備して設置した。周辺には数機の展示機がある。衛星画像を見るとMiG-21は2機置かれているが、本機はそのうちの西側に置かれた機体で東側の木陰に前半分だけが見える機体は単座のMiG-21MF(5108)だ。このMiG-21USは隣接するホテルの中ほどの階から撮影できるようだ。

(G04) MiG-21UM(5940, 13.9597N / 109.0514E) ダナンの南約250㎞、フーカット基地Phu catに2018年11月28日から2019年3月9日までの間に2機設置されたうちの西側の機体。東側に置かれた機体は単座のbis型(5925号機)だ。

 

【その他】

(1) MiG-21(S/N?, Location unknown)   2000年以前から ホーチミン市内の南部空軍博物館以外の博物館にあると言われるMiG-21だが、写真も記事もネット上には見当たらない。南部空軍博物館の機体と誤認しているのではないかと考えている。

(2) MiG-21PFM(S/N?, Location unknown)   1990年以前から南部の都市カントーCan Thoの軍事博物館Bao Tang Quan Khu 9にあるとされている機体だが、写真も記事もネット上には見当たらない。誤情報が確認されずに受け継がれているのではないかと考えている。

 

【国外に展示されたベトナム空軍のMiG-21】 

(1) MiG-21bis*(5202)  タイはバンコク、ドンムアンにある空軍博物館に寄贈されて展示中。アメリカには個人で(主として東欧から)輸入したMiG-21にベトナム空軍塗装を施したものがある(あった)が、「ベトナム防空軍を退役した機体」を他国に寄贈し、これが展示されている例は本機のみだ。なおベトナム防空軍退役後に他国で使用するために売却された例を私は知らない。

写真2 タイ空軍博物館に寄贈・展示されたMiG-21bis。(2017年7月16日撮影)

以上