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【福岡県】大刀洗平和記念館と駅前のT-33A

<編集履歴> 01Jul.2021公開、17Nov.2023見直し更新(第7回目、震電実部大模型の由来追記)

 

<場所 Place>

(1) 〒838-0814福岡県朝倉郡筑前町高田2561-1 筑前町立大刀洗平和記念館

大刀洗平和記念館

(2) 〒838-0814 筑前町高田417-3 太刀洗レトロステーション

ちくご観光案内所|太刀洗レトロステーション  

<訪問日Visit>   28Aug.2010, 11Jan.2016, 25Jun.2021 and 02Sep.2022ほか  

<行き方 Access> 

(1) 甘木鉄道太刀洗駅前にT-33Aがある。大刀洗平和記念館は駅から道路を挟んだ反対側にある。駅改札口から記念館入口まで直線で約160m。

<解説General> 

(1) 大刀洗平和記念館は旧陸軍飛行場・周辺施設の遺構を通じて平和を語ろうという趣旨の町立博物館。館内に97式戦闘機とゼロ戦32型、そして震電の実物大模型がある。また屋外にはMH-2000Aヘリコプターが展示されている。開館時間は0900-1700(入場は1630まで)、休館日は12月26~31日。入場料600円。閉館時には屋外のMH-2000Aのみ敷地外から中望遠レンズで撮影可能だが、イロイロと邪魔なものが写り込むので記録写真程度にしかならない。

(2) T-33Aは旧太刀洗駅舎(現太刀洗レトロステーション)の前にあり、1年365日24時間いつでも撮影可能だ。駅舎としての機能を終えた後は現在の平和記念館が建設されるまでは平和記念館となり、97式戦闘機などを展示していた。展示物を現在の記念館に移した後は昭和前半(国鉄時代)のアンテーク品などを展示した「太刀洗レトロステーション」として2009年10月3日にリニューアルオープンした。営業時間は0900-1700、火曜日休み、入場料500円。

(3) 車を利用して訪問し、うきは市スポーツアイランドのT-33Aも一度に巡ることをお薦めする。

(4) 近隣の町名は「"大"刀洗」、駅名は「”太”刀洗」と漢字表記が異なるので地名や施設名称などの固有名詞を記述する際には使い分けに注意すること。 

【機体 Aircraftと座標 Location】

(1) 97式戦闘機(機番なし、33.4123N / 130.6196E) 博多湾から揚収された機体をほぼそのままの状態(ただし3点着陸状態にして)で展示している。2022年春ごろまでは撮影禁止であったが、震電の実物大模型が展示された後の2022年7月30日にHPを見たところ撮影可能となっていた。2022年7月6日より震電の実物大模型を公開した際に、ゼロ戦震電について写真撮影可能としたが、本機のみが撮影できないのはおかしいと考え、管理基準を見直ししたそうだ。

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写真1 博多湾から引き揚げられた97式戦闘機。2022年7月から撮影可能となった。(2022年9月2日撮影)

 

(2) ゼロ戦32型(Y2-128、33.4123N / 130.6196E)

 1979年12月サイパンにて発見し、1982年10月に福岡航空宇宙協会が輸入して修復した機体。2004年10月まで名古屋空港(小牧)内の展示館にて展示されていたがターミナルビルの更新改築に際して返却された(小牧空港の展示館は2004年10月に閉館)。しかし当時は保管施設が無かったため、しばらくの間は福岡県朝倉市黒川の音楽館に展示されていた。2009年10月3日からは現在の大刀洗平和記念館にて展示されている。国内唯一の32型で角ばった翼端が特徴だ。

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写真2 主翼先端が角ばっているゼロ戦32型。(2021年6月25日撮影)

 

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写真3 表の明るさと館内の暗さの差が大きく、日中は良い写真が撮れない。曇天か冬季の夕方に訪問して撮影すると明暗の差が少なくなり、比較的良い写真が撮れるハズだ。(2021年6月25日撮影)

 

(3) MH-2000A(JA003M, 33.4123N / 130.6191E) 全部で7機しか生産されなかったMH-2000シリーズの量産型MH-2000A通算5号機(試作機2機の後の量産型3号機)。2004年9月まで運行されていたが、その後運航中止。2005年3月に筑前町が購入し、博物館建設までゼロ戦と共に朝倉市黒川の音楽館に展示されていた。

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写真4 量産型のMH-2000Aは5機しか製造されていない。(2021年6月25日撮影)

 

(4) 震電(実物大模型) 2023年に公開された映画「ゴジラ-1.0」の撮影に使用された機体を2,200万円(おそらく解体・輸送費・再組立て/設置作業費込み)で入手したもの。映画の撮影が終わった後に搬入され、2022年7月6日に一般公開が始まった(注:最近の映画はCG作成/合成があるため、実写自体は1年以上前に終了してしまうことは良くある話だそうな)。現存する実機はアメリカのスミソニアン博物館にあるが、組み立てられてはおらず、胴体部分のみが展示されている。先尾翼機の特異な形態を実感できるのはココだけだ。

写真5 先尾翼式のユニークな形態をした震電(実物大模型)。(2022年9月2日撮影)

 

(5) T-33A(71-5293, 33.4137N / 130.6192E) 甘木鉄道太刀洗駅前にある航空自衛隊の無償貸付機だ。いつでも撮影可能だが機体配置の都合上、機体右側はマトモには撮影できない。機体左側キャノピーフレームに描かれるS/Nは訪問時には消えていて確認できなかった。

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写真6 太刀洗駅前に展示されているT-33A。(2021年6月25日撮影)

 

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写真7 同じ機体を大刀洗平和記念館の駐車場より中望遠レンズで撮影。(2021年6月25日撮影)  

以上