用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【神奈川県】防衛大学校の展示機

<編集履歴> 19May.2021公開、18Nov.2023見直し更新(第7回目、見直しと写真追加)

 

<場所 Place> 〒239-8686 神奈川県横須賀市走水1-10-20

防衛大学校

<訪問日Visit> 16Nov.2019, 11 Nov. 2023ほか

<行き方 Access> 

(1) 京浜急行線「馬堀海岸」駅より正門まで約2km、徒歩約25分。京浜急行バス防衛大学校行き」で約6分。防大は高台にあるので往路はバスを利用した方がよい。なお2023年11月の開校祭の際には 「馬堀海岸」駅近くから大学校前まで往路のみの有料シャトルバスが運行されていた。午前10時30分ごろでは復路便には乗せてもらえない運行であったため、30分に一本程度の頻度で走る横須賀駅行バスを待って戻ってきた。

<解説General>

(1) 自衛隊の幹部自衛官を養成する教育施設。例年11月頃に開校記念祭が行われ、一般に開放されている。(ただし2020、2021年は新型コロナウイルス感染防止のために中止、2022年は関係者のみで開催)

(2) 構内2か所にF-104JとF-1の2機が展示されている。

(3) かつては教材用にT-34Aが2機あったが一機は廃棄され、もう一機は防府北基地に移設されており、現存しない。

(4) 開校祭の時にはグライダー部の機体や陸自車両等が展示されることがある。ただし、土曜日の午前中に訓練展示が行われると、これが終わるまでは車両は展示されないうえ、車両通行路の先にあるグライダー部の展示場所へは行かせてもらえない(そもそも訓練展示が終わるまではグライダーも展示されていない)。

(5) 開校式のうちの一日および3月中旬頃の卒業式の際には陸海空それぞれの機体が上空を通過する。卒業式の場合には一般人は構内には入れないが、周辺から眺めることは可能。通過する航空機や時間などの詳細は、都度発行されるNOTAMを参照すること。

【展示機】

(1) 三菱F-1 (20-8263, 35.2572N / 139.7229E) 元築城基地第6飛行隊所属機で2005年3月27日以降のGE-Pro画像に確認できる。両翼下にRL-4ロケット弾ポッド、胴体下に増槽タンクを装着している。この搭載物および搭載形態も見られるのは防大だけだ。増槽タンクは展示当初の2年間ほどは水色のスペシャルマーキングが施されていた。

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写真1-1, 1-2, 1-3 RL-4ロケット弾ポッドにセンタータンクという形態での展示は本機だけ。写真1-1は12時過ぎの撮影だが校舎の照り返しで機体右側に柔らかい光が当たっている。写真1-2は機体左側を晴天時の午後に撮影した例。順光サイドだが、御覧のとおり植樹の影となる。写真1-3は曇天の朝、フルサイズ24mm相当で撮影した例。(1-1, 1-2: 2019年11月16日、1-3: 2023年11月11日撮影)

 

(2) F-104J (46-8609, 35.2587N, 139.7198E) 1987年ごろには第207飛行隊のマークで現在F-1が展示されている場所に展示されていた。その後、マークは第204飛行隊のものに書き変えられ、2004年3月6日以前に現在の展示場所の道路を挟んだ反対側(35.2592N, 39.7199E)に移設された。さらに2019年8月8日以降11月16日の開校記念祭までの間に現在の場所に再度移転されている。

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写真2-1, 2-2, 2-3,2-4 2-1と2-3は15時ごろに撮影したもの。2-2機体は曇天の朝9時過ぎに撮影したもので、晴れていれば順光となっていたハズだ。2-4は13時ごろに撮影した機体右側。植樹の影が機首付近にかかる。植樹の剪定状況次第ではあるが、完全に影になる15時過ぎの方がキレイに撮りやすいと思う。(2-1, 2-3, 2-4: 2019年11月16日、2-2: 2023年11月11日撮影)

 

【過去に存在した機体】

(1) T-34A (防大0781、41-0297)元は航空自衛隊の41-0297号機で1978年7月3日に防大へ移管された。開校記念祭の際に屋外もしくは整備実習施設の中で展示されることがある。GE-Pro(もしくは2022年8月30日時点のGoogle Map)を見ると35.2576N, 139.7256Eに置かれているが、2021年度中に廃棄された。

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写真3 このT-34Aは2021年度中に廃棄された。(2019年11月16日撮影)

 

(2) T-34A (防大0782, 51-0372)  元は航空自衛隊の51-0372号機で1978年7月3日に防大へ移管された。開校記念祭の際に屋外もしくは整備実習施設の中で展示されることがあった。防大で最後に展示されたのはおそらく2017年11月12日の開放日のことで、この時には0781号機とともに展示されていたことがネット上の写真で確認できる。2018年度中に防府北基地に移転された。

 

【その他】

(1) M4戦車 李k上自衛隊では発足時に約200両のM4A3E8戦車の供与を受けて運用したが、現在では本校を含めて全国に4両しか残されていない貴重な戦車だ。ちなみに本校以外では土浦駐屯地、富士駐屯地、玖珠駐屯地にて展示されている。

写真4 M4戦車。(2023年11月11日撮影)

 

(2) 61式戦車 戦後初の国産戦車で560両が生産された。2000年に全車両退役。国内駐屯地等に57両が展示されているほか、ヨルダンに寄贈した1両があり、この車両はヨルダン国内で展示されている。

写真5 (2023年11月11日撮影)

 

(3) 74式戦車 上に紹介した61式戦車に続く戦後二代目の国産戦車だが、2023年度で全廃となる予定だ。2023年夏までに全国で71両が展示されているが、完全引退に伴って、もう少しは展示車両が増えるものと思われる。

写真6 74式戦車。(2023年11月11日撮影)

 

(4) 41式山砲、ボフォース式山砲ほか

写真7 41式山砲(右端)、型式不明の砲(中央)、ボフォース式山砲(左端)。後方には61式戦車が置かれている。(2023年11月11日撮影)

 

(5) 93式水上艦艇用魚雷 旧日本海軍が運用した対水上艦艇用の酸素魚雷。93式とは「皇紀2593年式」なので昭和8年(1933年)に制式化された魚雷ということだ。防大には上述の通り、陸自および空自の展示物はあるが、なぜか海自の展示物がなく、旧海軍の展示物のみが存在している。

写真8 93式水上艦艇用魚雷。(2023年11月11日撮影)

以上