用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【台湾】AT-3「自強」号とXA-3「雷鳴」号の展示機

<編集履歴> 19Feb.2021公開

 

 台湾が独自開発した双発ジェット練習機「自強」号は1980年9月16日に初飛行を行い、1989年までに63機が製造された現在も使用中の機体だ(参考までに川崎T-4の初飛行は5年後の1985年7月29日)。初期の機体は用廃が進んでいると思いきや、展示機はわずかに2機のみ。しかもCCK基地に展示されている0825号機はレーダーをAPG-66(V)とし、コクピットを近代化したAT-3Bだ。あと10年もすればもう少し展示機が増えることだろう。

 現在ではAT-3の全機が岡山基地に配備されて教育訓練機として使用されているが、1990年年代半ばごろの数年間は第35中隊(羚羊部隊)にて約20機が夜間攻撃機として運用されていた。ちなみに第35中隊はかつてU-2を運用した「黒猫部隊」があまりにも有名なため、夜間攻撃中隊を示す場合には部隊マークの羚羊(邦訳だとカモシカだが、羊の頭蓋骨のマーク)より「羚羊中隊」「羚羊隊」などの識別を示す言葉を付記することが多い。

 

 XA-3「雷鳴」号はAT-3自強号を単座にして攻撃能力を付与した機体で2機が試作された。初号機の初飛行は1982年7月8日。2号機も1983年2月17日に進空したが1983年7月にはXA-3開発計画は幕を閉じることになった。評価試験が終わった後の機体は中山科學研究院籍で漢翔(AIDC)が運用するという形になった模様。そして各種装備の搭載評価や対艦ミサイルなどの発射母機として使用されていたが2機とも用廃となり、現在は航空教育展示館と成功嶺の展示場でそれぞれ展示されている。

機体のウンチクはこちらへ;

AT-3自強號高級教練-輕攻擊機 - 维基百科,自由的百科全书

 

例によって展示機の状況をサラリと紹介し、のちのち解説などを書き加えていくことにする。毎度ながら突っ込みは3か月後程度経過してからにしていただけるとウレシイな・・・。

 

【AT-3の展示機】

(1) XAT-3 0802 / 71-6002 漢翔航空工業股份有限公司

(2) XAT-3B 0825 / 75-6025 清泉崗空軍基地、第35中隊使用時の3色迷彩塗装となっている。2009年(民国98年)12月23日に総飛行時間わずか1,512時間で退役した。
※ かつて清泉崗にある漢翔の沙鹿翔園教育訓練中心にはAT-3構造試験機があったが、現状は不明だ。

f:id:Unikun:20210219144720j:plain

写真1 AT-3展示機の写真が無いので現用機にて代用。展示を終えて戻ってきた雷虎特技小組のAT-3。(2019年10月19日台南基地公開時に撮影)

 

【XA-3の展示機】

(1) XA-3 0901 / 71-7001 航空教育展示館

(2) XA-3 0902 / 71-7002 台中の成功嶺、かつては清泉崗にある漢翔の沙鹿翔園教育訓練中心の中庭に展示されていた。

f:id:Unikun:20210219145000j:plain

写真2 航空教育展示館のXA-3(0901 / 71-7001)。(2017年11月26日撮影)

 

f:id:Unikun:20210219145030j:plain

写真2 漢翔の沙鹿翔園教育訓練中心の中庭にあった頃のXA-3の2号機(0902 / 71-7002)。(2009年8月14日撮影)

以上