<編集履歴> 17Feb.2021公開、13Mar.2023見直し更新(第3回目、体裁見直し)
第二次世界大戦後、各国空軍や多くのエアラインで運用されたDC-3/C-47。台湾でも多くの機体が使われていた。現在残されている4機を紹介しよう。
【展示機】
1. C-47A (7231 / 43-15924) 台北松山空軍基地 (25.0644N / 121.5596E)
台北松山空港民間ターミナルの東側にある空軍基地内には一機のC-47Aが機首を西に向けて展示されている。公開日でないと撮影することはできない・・・が、その「公開日」が何時のことになるか全く予想が立たないのが現状だ。
写真1 松山空軍基地のC-47A。(2008年12月12日の開放活動時に撮影)
2. C-47A (B-259 / 42-93674) 旧桃園大園基地内 (25.0535N / 121.2491E)
かつて桃園国際空港敷地内にあった航空科学館に展示されていた機体の大部分は現在も隣接する桃園大園基地内の一角に集められ、そのまま放置されている。このC-47Aはそのうちの一機で民用航空局の飛行点検機の塗装を施されており、機体には”B-126”と記載されている。2021年2月23日には台中の朝陽科技大學に移送されるとの情報がFacebookを通じてアナウンスされた。今後の情報に注目したい。
さて上述のとおり本機のS/NはB-259だが機体には"B-126"と描かれている。また元となるUSSerialもかつては”42-93681”と考えられており、多くの文献やリサーチャーのリストに「桃園国際空港(あるいは旧名称である中正国際空港)の航空博物館の機体は”42-93681”」との記載が存在している。しかし台湾のリサーチャーが博物館に申し入れて機体を確認したところ、「42-93674 (cn 13612)」であることが判明した。
DC-3/C-47のリストを掲載しているサイトの中には「”-681”と”-674”の両方とも桃園国際空港(あるいは旧名称である中正国際空港)の航空博物館に存在する」というように読み取れるような表記をしている場合もあるので、よくよく注意しておこう。
写真2 桃園国際空港の航空科学館に展示されていた頃のC-47A(B-259 / 42-93674)。民用航空局の塗装を施し、尾翼には”B-126”と書かれていた。(2011年8月15日撮影)
3. C-47B (7219 / 43-48806) 岡山の空軍航空展示館 (22.7937N / 120.2694E)
本機は1945年に供与され総統座機(空軍一號/エアフォース・ワンだ)「美齢」号となった。1988年からは軍官学校に所属替えとなり、1994年9月6日に退役した。ちなみに 「美齢」とは蒋介石(台湾では蒋中正の呼び名が一般的らしい)軍事委員会委員長(当時)の夫人「宋 美齢」の名前だ。
写真3 空軍航空展示館内のC-47B「美齢」号。(2017年11月26日撮影)
4. C-47A (7273 / 43-15794) 屏東南基地 (22.6778N / 120.4672E)
屏東南基地の正門を入って1ブロックほど先、エプロンの手前に機首を南に向けて展示されている。松山基地同様に基地公開時でなければ撮影することができない機体だ。そして、こちらもまた、いつ一般公開されるのか予定は全く判らない。私自身も現地基地公開には行ったことが無いので写真は無い。本機の写真はネット上で探してみて欲しい。
【注意】
台湾の基地公開に外国人(日本人を含む)が行く際には「事前登録」が必要です。
詳細は別稿「台湾における展示機の概要」に記載していますのでご参照ください。
以上