用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【東京都】空自 府中基地の展示機

<編集履歴> 18Jan.2021公開、28Jul.2023見直し更新(第5回目、納涼祭訪問、写真追加)

 

<場所 Place> 〒183-8521 東京都府中市浅間町1-5-5 

府中基地|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊

<座標 Location>  35.6732N, 139.4970E 

<訪問日Visit>  08Nov.2009, 07Apr.2018, 11Jul.2021, 27Jul.2023

<行き方 Access> 

(1) 京王線東府中駅下車後、北に向かって約400m歩く。基地前に着いたら右折して約200m進む。駅から徒歩で8分程度だ。

<解説General>

(1) 京王線東府中駅の北約400mにある航空自衛隊府中基地。ここにはヘリポートのみで滑走路はないが戦闘機2機とUAV1機が機首を西南西に向けて展示されている。これらは一般開放日(通常は夏季の盆踊り)でなくとも機体の南側をほぼ東西に走る外周道路から金網越しに撮影することができる(逆を言うと機体右側は基地公開や見学した時でないと撮れない)。桜の時期に訪問すると良い絵が撮れるかもしれない。

【展示機 Displayed aircrafts】

1. F-104J (56-8662) 本機は2007年ごろまでは正門を入って直ぐの建物脇(35.6732N, 139.4957E)に置いてあったものだ。現在の展示位置にはかつては建物があったが、2007-2008年ごろに解体撤去され、その跡地に移設した。

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写真1-1, 1-2, 1-3 写真1-1と写真1-2は道路から金網越しに撮影したもの。基地内から撮影した場合でも隣のF-1の主翼が被るので、写真1-3よりも自身が左側に寄って撮影することは難しい。(1-1: 2018年4月7日、1-2: 2021年7月11日、1-3: 2023年7月27日撮影)

 

2.  F-1 (60-8275)  このF-1はGE-Pro画像の取得時期より2007年3月31日から2009年3月19日の間に建物を解体撤去した跡地に新たに搬入された。

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写真2-1, 2-2 府中基地に展示されている三菱F-1。写真2-1は道路から金網越しに撮影したもの(2018年4月7日撮影)。写真2-2は納涼祭開催時に正門奥から撮影したもので、配置の都合上、どうしても機体後半部が植樹に隠れてしまう。(2023年7月27日撮影)

 

3. UAV (1004)  このUAV(「無人機研究システムの開発」で試作された無人機)は2018年3~4月ごろに搬入された。搬入当初は金属製の台座(黄色に塗った鉄板)の上に置かれていたが、2019年下期頃にコンクリート製台座となったようだ。「試作」の「無人機」が「常設展示」となるのは大変に珍しく、また貴重な存在だ(ちなみに塗色の異なる1001号機が修武台記念館内に展示されている)。道路側からでは見えない機体右側には4個の投下マーク(サソリのマーク)が記載されている。2023年7月の納涼祭時にはまだ見ることができたが、劣化退色が進み再塗装が行われる前に早めに訪問して撮影しておくことをお薦めする。なお2023年時点で機体右側の「1004」の4の前の0はほぼ剥がれ落ちていた。 

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写真3-1~3-6 3-1は設置からほどなくして道路から金網越しに撮影したもので、当時は黄色に塗った金属製台座の上に置かれていた(2018年4月7日撮影)。その後、立派な説明板ができたが、おかげでベストアングル(左前方から左側方)の写真は撮れなくなってしまった。やや後方からかろうじて全景を撮影できる。機首の"1004"はシールで、ほとんど剥げ落ちている(3-2~3-4: 2021年7月11日撮影)。機体右側は基地公開時もしくは基地見学時でないと撮影できない。納涼祭時は日没時間との闘いだ。(3-5,3-6: 2023年7月27日撮影)

 

<参考>

事業名称「無人機研究システムの開発」において2004年から2009年の間に4機の無人機が試作された。試作総経費は4機分で約103億円とのことだが、墜落した機体の報道記事によると機体そのものの価格は約8億円らしい。約103億円というのは事業経費全体のことだろう。事後の製作評価書によると2007年から2011年の間に飛行試験が行われたとされるが「無人機の試験技術について」を読むと「母機適合試験は2008年6月~2009年7月」、「自律飛行試験は2009年10月~2011年12月」となっており、2007年度の試験状況について齟齬が生じている。なお2010年2月9日午前9時45分ごろの試験においてはエンジン停止により試作機1機を失っている。また2010年7月23日にも1機を失っている。残る2機は試験終了から5年が経過した2016年の岐阜基地航空祭においてF-15に1001号機と1004号機を懸吊した形態で一般公開が行われた。これら2機の無人機はその後、入間基地修武台記念館内(1001号機)と府中基地(1004号機)に展示された。

なお航空自衛隊では2001年ごろから無人機の研究を行っており、通称TACOMと呼ばれる試作機が存在していたが、こちらは洋上回収型であった。洋上での回収は天候により困難となることから新たに「自律飛行・自動着陸による回収が可能な機体」の開発を行うことが目的の一つとされ、本機が開発された。(外観は以前のものと似ているけれど「中身は別よ」ということです) 

参考URL:

1) 平成24年政策評価書(事後の事業評価)より無人機研究システムに関する評価書 https://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/24/jigo/honbun/06.pdf(現在リンク切れ)

2) 無人機の試験技術についてhttps://www.mod.go.jp/atla/research/dts2012/R3-5p.pdf

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写真4 このUAV(1004号機)は評価試験終了後には岐阜基地F-15に懸吊されて展示されたことがある。府中基地での展示に際しては胴体に取付けてあった細い針金状のアンテナは外された。(2016年10月30日岐阜基地航空祭にて撮影)

以上