用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

三菱スペースジェットM90

 三菱重工の泉澤社長は2020年10月30日の決算会見にてスペースジェットの開発を「一旦立ち止まる」と発表しました(リンク先参照)。個人的にはコロナで大揺れする世界の航空事情から、「一旦」をひっくり返すのは難しいことだと思っています。またホンダジェットの「応援」はしていたけれど、こちらは「少しばかりは期待」していた程度の思い入れしかありませんので「中止・撤退」となったとしても騒ぐほどのことはないのですが。(なお発表時の表現は言葉のあやであって、事実上は撤退だと思ってますよ。念のため。)

三菱重工業発表資料;

https://www.mhi.com/jp/finance/library/plan/pdf/201030presentation.pdf

 

 このBlogとしての注目点は完成機5機(アメリカで飛行試験実施中の4機と国内に残る1機)、地上試験用の1機および未完成機3機(標準型2機、短胴型2機)、合計10機の今後についてです。

 アメリカにて試験飛行を行ている1~4号機は設計変更前の機体なので、使い続けることに意味がない(空力的な試験や限定的な搭載システムの確認試験には使えるだろうけれど、改修前の機体なので総合評価には使えない)ので、そもそも計画が進むとしても廃棄は確実でしょうね。おそらくは日本に持ち帰り解体処理するよりも現地で解体する方が安い費用で済むと思っています。まだ国内にある10号機(JA26MJ、設計変更済みの機体)は本来ならばアメリカで評価試験を行うハズだったのですが・・・博物館行きかな?

 さて、あいち航空ミュージアムwikipediaを2020年11月13日に読むとに試験飛行終了後にMRJを展示する予定だと記載されていますね。Google Mapの距離測定機能を用いて同博物館の大きさを確認したところ、滑走路に沿った長さは90m、幅60mほどでした。長さのうちの8mは作業エリア・屋内展示エリアとして充て、幅のうち15mは管理室やミュージアムショップなどに充てるとした場合の展示エリアは実質82m×45m程度。スペースジェット(M90)の長さは33.4m、幅29.2mなので十分に展示スペースはある。機体を斜めに置くならおおむね24m四方程度のスペースがあれば良いことになる。うん、これなら確かに展示可能だ。あとは「金をかけてでも」初号機を日本に持ち帰り展示させるか、「金をかけずに」隣接する格納庫にある10号機を持ってくるかの経営判断次第なのでしょうね。

 

【参考:製造されたスペースジェット一覧】

No. 製造番号 形式 登録番号 初飛行日 備考

 1    10001        M90(MRJ90)    JA21MJ  11Nov.2015  初号機、アメリカで試験中

 2    10002        M90(MRJ90)    JA22MJ  31May.2016  アメリカで試験中

 3    10003        M90(MRJ90)    JA23MJ  22Nov.2016  アメリカで試験中

 4    10004        M90(MRJ90)    JA24MJ  25Sep.2016  アメリカで試験中

 5    10005        M90(MRJ90)    JA25MJ  飛行せず

 6    10006        M90(MRJ90) No.なし  飛行せず 設計変更後の再地上機能試験機

 7    unknown    M90(MRJ90)   No.なし  飛行せず 

 8    unknown    M70(MRJ70)   No.なし  飛行せず 短胴型初号機、未完成

 9    unknown    M70(MRJ70)   No.なし  飛行せず 短胴型2号機、未完成

10   unknown    M90(MRJ90)   JA26MJ  18Mar.2020  設計変更後の初号機

※ 三菱重工は2019年6月13日にMRJをSpaceJetに改称することを発表した。

 

【私自身の撮影記録】
 改称前のMRJ時代の写真はたしか一枚あったハズ、と過去の記録をひっくり返してみたら、記憶通り小牧基地祭に行った際に同じ場所から2カットだけ撮ってました。
f:id:Unikun:20201101065625j:plain

写真1 小牧基地航空祭の会場から見たMRJ90(当時)のJA21MJ。(2016年3月13日撮影)

 

以上

編集履歴

01Nov.2020 公開

13Nov.2020 見直し更新(第2回目、あいち航空ミュージアムへの展示可能性について記載し、文章を見直し変更)