用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【教えて!】海上自衛隊MH-53Eのホントの製造番号は?

【はじめに】

海上自衛隊で運用していたMH-53Eは2017年2月20日に最終フライトを行って全機が引退した。その機体や部品などはアメリカに売却されて米軍で使用されているが、機体の製造番号がネット上にある「大手」軍事系サイトのデータベースによって異なることが先日発覚した(ご連絡いただいたガメラさんに御礼申し上げます)。これは用廃機ハンターの出番!・・・かもしれない。その内容をお伝えしよう。

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写真1 編隊飛行を披露するMH-53E。(2007年9月9日、岩国基地航空祭

 

【製造番号とは】

 まず「製造番号」とはメーカーが出荷する前に「製品」(今回は機体)につける製品管理番号のことだ。製造会社によってその付与方法や付与基準は異なっているが、基本的には「あの機体は今、どこの国の空軍でシリアルナンバー(通常S/Nと略す)何番として使われているのか?」ということを調べる際に用いる。マニアのためではない、自社製品のフォロー活動のために必要な個別管理番号だ。通常はconstruction numberを略してc.n.、もしくはc/nと表記する。あるいはmanufcturer serial numberを略してmsn.とする記載方法もある。小文字で書かれていることが多いが全て大文字であったり、頭だけ大文字であったりすることもある。本項ではc/nとしておこう。厳密を期す場合には「当該メーカーのやり方」を記載すればよい。

 先に述べた通り付与方式はメーカー任せだが、基本的には連番だ。「アメリカから注文10機、毎度ぉ!」「お次、日本から3機!」「イランから2機入りましたぁ!」「日本から追加1機!」・・・なんてやっていると製造番号(c/n)は01~10がアメリカ政府向け、11~13が日本向け、14と15がイラン向け、16がまたもや日本向け・・・となる。番号は製造初期、ラインに載せられたあたりで付与するが製造過程で生ずるミスや部品手配の乱れなどにより、出荷の順番が変わることもある。

 一方、受領側では受領順にS/Nを振るから、例えば前述の例を引継いでc/n13がc/n 12より先に出荷されちゃった場合のことを仮想の日本の場合で記すと001号機(c/n 11)、002号機(c/n 13)、003号機(c/n 12)、004号機(c/n 16)・・・という具合に、連番の規則性が無くなっていく。まぁ、こんなモンだ程度に頭に入れておいてほしい。

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写真2 体験飛行から戻ってきたMH-53E。(2009年10月4日、岩国基地航空祭

 

【各サイトの記載確認結果】

 さて本題に戻るが、大手軍事・航空サイトに記載されている海上自衛隊のMH-53EのS/Nとc/nを列挙してみよう。ここではS/N 、 Scramble on the webのデータベースのc/n、 日本のFlyteamさんに記載されたc/n、 helis.comのデータベースに記載されたc/nの順に記す。調査日は2020年10月12日だ。(airliners.netを追加、10月13日)なおMH-53Eのc/nは本来65543(あるいは65-543)のように5桁の数字であるが、ここでは見やすくするために下3桁のみを記載する。

<JMSDF's MH-53E, S/N and c/ns>

S/N / c/n(Scramble) / c/n(Flyteam) / c/n(helis.com) / c/n(airliners.net)

8621    543  540  540  543

8622    542  542  542  投稿無し   同一

8623    540  543  543  540

8624    548  548  548  548  同一

8625    563  562  563  563 

8626    564  563  564  投稿無し

8627    583  583  583  583  同一

8628    585  585  585  585  同一

8629    586  586  586  586  同一

8630    587  587  587  587  同一

8631    610  610  610  610  同一

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写真3 米国売却事案が無くとも、大きすぎて国内に用廃機を展示することは難しかったろうなぁ。(2011年9月18日、岩国基地航空祭) 

 

【まとめ】

 海上自衛隊で使用していたMH-53EのうちS/N 8621, 8623, 8625, 8626の4機については参照するサイトによってc/nが異なっていることが判明した。しかし機体は既に日本国内になく、確認しようもないのが現実だ。このため、本記事を読んだ皆様がご自身の執筆物にc/nまでを記載する場合には、その出典を同時に記載されることを強く希望いたします。

 

【情報募集】

 先に述べた通りMH-53Eは日本国内にありませんので、これ以上調べようがないというのが実情です。かつてこの機体の整備に関わった方で、〇号機の製造番号は確かに××だった、と記憶されている方がおられましたら、お教えいただけないでしょうか。

 また「こちらのサイトの方が確実性の高い情報が記載されている」というネット上の情報がありましたら、どうかお教えください。

回答は本文へのコメントでなく、Twitterで「用廃機」「海上自衛隊」「MH53E」のタグをつけてつぶやいていただければ、こちらで「定期巡回」した際に拾い上げます。

ご検討いただければ幸いです。

【参考】

Flyteamさん:https://flyteam.jp/airline/japan-maritime-self-defense-force/aircrafts?filtertype=model&filtercode=mh-53e

helis.com:S-80M-1 in Japan Maritime Self-Defense Force

Scramble on the web: https://www.scramble.nl/database/military/jp

Airiners.net: https://www.airliners.net/search?country=213&keywords=MH-53E&photoCategory=9

 

以上

編集履歴

12Oct.2020 公開

13Oct.2020 見直し更新(第1回目、Airliners.netの記載状況確認結果を追加)