用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

C-1の用廃機発生の予想

<編集履歴> 28Sep.2020 C-1の020号機が用廃となった可能性を指摘した記事として公開開始、28Mar.2024見直し更新(第23回目、予想追加)

 

【運用計画表の作成】 

 マニアな方は表計算ソフトを使って「ある機種の何号機」が「今、どこの基地所属」で「過去にはどこの基地に所属していた」というような情報を集めた一覧表を作られている人が多いのではないだろうか。そして雑誌や画像投稿情報を見ては自分の情報をアップデートしているものと思う。

 私の場合、C-1に対しては上述の情報に「IRAN契約情報」「納期情報」「C-2納入情報」を加えて、「いつ頃、何号機を用廃にするか」という自分なりに運用を推測する表(運用計画表)を作成している。「IRAN契約情報」「納期情報」は防衛装備庁のHPで契約済の情報や年度内の発注予定およびその納期が公表されているので、丹念にチェックして記載する。ここ数年はC-1のIRAN契約は10月から翌年1月ごろに行われている。

<仮定条件>

1) 納期はザックリ言って翌々年度末まで。

2) 機体ごとのIRAN間隔は3年。

3) 川崎重工で作業にあたる工員は2セット分(2機分)もしくは1セット分で専門の工員が必要な時期をずらして作業を行うものとする。

4) 川崎重工での年間の受入れキャパシティは2機。時期的には3機が工場に入ることもあるが、その前年度もしくは後年度は1機となるものとして平均すると年間2機と仮定する。

f:id:Unikun:20200928152013j:plain

写真1 追い出し間際の入間基地エプロンでうっすらと茜色に染まる20号機。(2018年11月3日)

 

 上記のような条件を「仮定」して、いつ頃何号機がIRANに入るか、次のIRAN時期はいつか、そのIRANは実施するか(実施すると寿命が約3年延びることになる)ということについて年度ごとの変化がみられるような表にするのだ。

 これで誤差はだいたいプラスマイナス1.5年程度、年度にするとプラスマイナス2年度くらいだが、まぁ趣味で使う分にはイイ線いっているのではないかと思っている。

f:id:Unikun:20201117165339j:plain

写真2 2025年ごろには全機が運用終了となるものと予想している輸送型C-1。撮影できるうちに様々なアングルや条件で記録しておきたい。(2020年11月16日、入間基地南端にて撮影) 

 

【C-1用廃機発生時期の予想(2024年3月28日版)】

ここで私の予想するC-1の用廃時期を公開してしまおう。

 この予測には前述のとおり、最大で2年度分変化する可能性がある。C-1の運用が後年にズレこむことはあり得ないので、この予測による運用最終年度は2年度分前倒しになる可能性を含んでいる。また地震や台風で被害が生じた場合には運航頻度が増加して用廃時期が早まることがある(東日本大震災対応で海上自衛隊のYS-11M/MAが早期に引退した例がありましたね)。さらに事故等が生じた場合には、その対応によっては全機一斉運航停止となる可能性もある(T-33Aの運用中止がその例です)。と、いうことでホントにご参考まで・・・。

2022年度:用廃機なし →029号機が引退してしまった!(11月3日)

2023年度:019(予想変わらず)→2023年9月27日以降に用廃となった模様

2024年度:024(予想変わらず→2023年10月初旬に引退した模様)、030(予想変わらず)、021(地元説明資料より)、002(前々回予想から1年前倒しして、2025年度退役としていたが、さらに1年前倒しして2024年度引退へ予想変更)、031(前々回予想から2年前倒しして2025年度としていたが、さらに1年前倒しして2024年引退へ予想変更)

※2025年度末で輸送型C-1全廃と予想→輸送型C-1全廃時期の予想を1年早めて2024年度末までに全廃と考えます。

2026年度:001FTB(2023年度にIRAN実施したので、プラス3年延命して2026年度まで運用可能と考える →部品の枯渇状況次第では2025年度中の用廃も有り得るものと考えます。

 

さぁ、どうだ?!(この予測に対する評価は数年後に・・・)

 

<参考:予想公表後(2020年9月28日以降)の結果>

019号機: 2023年度中にIRANに入るか、用廃か?という予想で「用廃」説を唱えていました(最終的には、ネ)。どうやら2023年秋に用廃となってみたいです。(要観察継続)

024号機:私の予想では2021年度中に用廃となるハズだったが、2022年2月7日にきれいにリペイントされてIRAN後の試験飛行を実施した。3年後の2024年度末から2025年度前期ごろには用廃になるものと考えている。→2023年10月初旬に引退したとの説あり。2024年3月27日には解体場所に移動されていた。

025号機:用廃予想は2024年度だったが2020年11月4日がラストフライトらしいとのTweetあり。予想よりIRAN一回分早く用廃となってしまった。

026号機:用廃予想は2021年度でしたが2020年度末から2021年度初めごろに用廃になったものと考えています。「ほぼ予想通り」と自己評価していたのだが、用廃となった理由は機体構造に基づく飛行時間が尽きたからではなく、定期便運用時に床が抜けたコトが原因というコメントが寄せられている。おそらく修理費用と残りの飛行時間のコストメリットを検討した結果でしょう。結果として用廃時期の予想は当たったものの、実際には予想を外していたことになる。結局、ここに掲載した機体の用廃予想は全て外したコトになりますね。「シロート予想なのでしゃーないかぁ!」と開き直ってます。2022年8月に解体。

028号機:用廃予想は2025年度だったが、2021年11月2日にラストフライトを迎えた。予想よりもIRAN一回分早く早く用廃となってしまった。

029号機:2022年11月3日の入間航空祭でのデモフライト(午前中)が最終飛行となった。ランプイン時にはウォーターサリュートが行われ、その後は飛行時間は17,880時間であったという看板を機体前に掲げて地上展示機となっていた。私の予想では2026年度中の用廃であったので、IRAN一回分早く引退してしまったことになる。2024年3月27日には解体場所に移動されていた。

031号機:2022年8月29日にIRANを終え、ピカピカになって入間基地に戻ってきました。あと3年は活躍しますが次のIRANは無く、2024年度末まで用廃となるものと予想しています。

 

【追記(2024年3月5日記)】

 2024年3月3日の小牧祭ではC-1の031号機が展示されたこともあり、多くの方が引退予定について、居合わせたクルーに質問したようだ。ネット上のアチコチにある話や伝聞を総合すると、おおむね次のようになる。

 何を信じるかは読者の自由だが、ホントの話は判らないヨと釘を刺しておく。

(ウワサ話その1)

 入間基地のC-1およびEC-1は令和6年度末(2025年3月末)までに全機が引退する。岐阜基地の01号機、通称”銀ちゃん”がいつ引退するかは分からない。

(ウワサ話その2)

 C-1の030号機が先に引退する。この機体のエンジンや部品等を使って02号機を動かす。

(ウワサ話その3)

 C-1の031号機が先に引退する。この機体のエンジンや部品等を使って02号機を動かす。

(ウワサ話その4)

 今年秋の入間祭が一般お披露目最後となる。

(ウワサ話その5)

 今年秋の入間祭まで飛べるかどうかは分からない。

※上記のウワサ話その2とその3、ウワサ話その4とその5は、それぞれ背反する話となる。繰り返すけれど「ホントのコトは判らないヨ」というコトだ。ちなみ私個人としては「030号機を先に引退させる」説を取っている。入間基地航空祭で最後のフライトが見られるかどうかは微妙なトコロだと思っている。(能登半島地震対応で飛行時間使っちゃったからねぇ)

 

【追記/2024年3月28日見直しの予想】

(1) 2024年3月末時点で入間基地にて確認できるC-1は3機のみとなりました。このペースで行くと2024年度末(2025年3月末)までには「輸送機としての(すなわち入間基地第402飛行隊での)」運用を終えるのではないかと予想します。11月3日の入間航空祭で最後の展示飛行が行われるか、それとも9月末(2024年度上期末)までに運用を終えるかというのが、マニア目線でのチェックポイントでしょう。

(2) EC-1は、地元説明資料から2024年度末までには引退するとされています。スタンドオフ電子戦機が飛ぶまでは運用すると思ったのだけれどなぁ。なお、同時にYS-11EAも引退するようなので、電子戦隊の閉隊のみならず、電子作戦群の組織改編もあるのではないかと思ってます。

(3) 岐阜基地の”銀ちゃん”ことC-1FTBは2023年の年末頃には定期点検を終えたので、2026年度までは飛びつつけるでしょうか。機体寿命よりも部品枯渇から維持困難となり、2025年頃には用廃になるような気がしてます。入間で用廃になった機体の部品を岐阜に移送しても、「FTBだけの部品」がダメになり、在庫も無くなった時がお終いなのでしょうかね。

いよいよファイナステージとなったC-1。撮影はお早めに、かつ存分に、そして様々なアングルで。

以上