用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【静岡県】浜松市の喫茶飛行場(閉店・解体済・記録)

<編集履歴> 03Sep.2020公開、23Oct.2022見直し更新(第11回目、店舗解体)

 

 浜松基地の南、佐鳴湖の南東端付近には引退した航空機の機首を店先に展示する喫茶店「喫茶飛行場」が存在していた。1987年12月13日にオープンしたお店だが、オーナーが高齢化したため2022年10月4日17時をもって35年間にわたる営業を終了し閉店した(お疲れさまでした・・・)。店舗は2022年10月19日ごろから数日かけて解体されてしまった。ここでは「過去の記録」として扱うことにする。

<場所 Place>    喫茶飛行場、浜松市西区入野町4702-16

<座標 Location>  34.7023N, 137.6876E

<訪問日Visit> 12Mar.2016, 27Aug.2020, 20Dec.2021ほか

f:id:Unikun:20200903101041j:plain

写真1  かつての店先の様子。多くの機体があったが、お店の所有物はこのT-33Aのみで他の機首部分は他の所有者が”敷地に置かせてもらっていた”という位置づけだった。T-33Aは2021年12月2日ごろに搬出された。なお右翼端タンクは2018年の台風で落ちたそうだ。(2020年8月27日撮影)

 

<行き方 Access> 

(1) JR東海道線高塚駅から北北東に直線で約1.4km、道なりに約1.8km、徒歩で25分程度。

<解説General>

(1) 浜松の佐鳴湖の南端付近にある1987年12月13日にオープンした喫茶店。2022年10月4日17時をもって閉店する。開店時間は1100-2300、水曜日は閉店であった。

(2) 店の周囲に退役機の機首部分が置いてあったが2018年ごろからは”閉店の前準備”として機体を手放すために売出していた。なお喫茶店保有機はT-33Aのみであり、その他の機体は他の所有者が喫茶店の敷地に「置かせてもらっていた」という位置づけだった。最後に残っていたF-86DとT-1Bの機首部は2022年6月10日に搬出された。

(3) 店内にはC-1のドアやいくつかの部品、珍しい写真や、古い年代物のポスターなどがあり、会計の際に使用する手回し式のレジは「一見の価値あり」と有名であった。

(4) 私自身は青春18きっぷを利用した旅行のついでや浜松広報館見学のついでなどに何度か立ち寄り、目を楽しませていただきました。35年に渡る営業、お疲れさまでした。

f:id:Unikun:20200903102300j:plain 

 写真2 T-1B(855号機)は特別塗装を施したまま用廃となったが、搬入後に再度塗装されたもの。F-86Dの鼻の傷は裏山が崩れた際の倒木によるもの。(2020年8月27日撮影)

 

【かつての展示機 Aircrafts】

(1) F-1 (80-8212) 機首部のみが存在した。個人に売却。

(2) F-86D (04-8164) 機首部のみ。もと高蔵寺分屯基地展示機。「喫茶飛行場」に搬入したあと、2018年頃に裏山が崩れた際に倒木によってレドームが破損したとのこと。2022年6月10日に九州の新所有者の下へと搬出。

写真3 T-1Bと共に最後まで残っていたF-86D。(2020年8月27日撮影)

 

(3) F-104J (36-8517) 機首部のみが存在した。個人に売却。

(4) F-104J (36-8536) 機首部のみが存在した。1997年4月ごろには諸事情により機首の番号を"506"と描いて展示していたが後年、正しい機番に書き直した。2020年6月15日に愛知県の新所有者の下へと搬出 。

写真4 F-104J。(2016年3月12日撮影)

 

(5) F-104J (46-8604) 機首部のみが存在した。もと浜松基地展示機。2021年4月28日に九州の新所有者の下へと搬出。

写真5 F-104J。(2020年8月27日撮影)

 

(6) MU-2S (73-3201) MU-2S初号機、機首部のみが存在した。2021年4月28日に九州の新所有者の下へと搬出。

写真6 MU-2Sの初号機。(2020年8月27日撮影)

 

(7) HSS-2 (8067)  前胴部のみが存在した。搬出済

(8) T-33A (51-5623) このT-33Aは喫茶店所有物だが、周囲に置かれた機体前部の展示品は喫茶店の所有物ではなく、他の所有者が「置かせてもらっている」という位置づけだったとのこと。2018年9月30日の台風で右翼端タンクが落下してしまった。2021年12月2日ごろ愛知県の新所有者の下へと搬出された。 

写真7 T-33Aとその周囲に置かれた各機。(2016年3月12日撮影)

 

(9) T-1B (25-5852) 機首部のみ。スペシャルマーキングあり。2022年6月10日に九州の新所有者の下へと搬出。

写真8 F-86Dの機首と共に最後まで残されていたT-1Bの機首。(2020年8月27日撮影)

 

(10) T-1B (25-5855) 機首部のみの青色系の特別塗装機。喫茶飛行場に搬入されてから特別塗装通りに”再塗装”を行ったが樹木のヤニなどが原因で1~2年で汚れてしまったという。2021年12月21日に訪問した際には既になくなっていた。

写真9 一足お先に貰われていったT-1B。(2020年8月27日撮影)

 以上