用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【まとめ】国内自衛隊機展示機・訓練機の総数

<編集履歴> 22May.2020公開、15Mar.2024見直し更新(第56回目、見直し実施)

【はじめに】

 物事を述べる際には全体を見回して分母となる事象を定量的な表現で確認しておくことが大事だ。そこで国内に存在する自衛隊機の展示機総数を表計算ソフトを用いてまとめてみた。日本国内にある自衛隊機の用廃機について、ウンチクを語る際にはこの数字を利用してもらえれば幸いだ。

そしてもちろん、数え間違いを発見したら、どうか一報くださいませ!

自衛隊機の展示機と展示場所の総数】

・国内に展示されている陸海空自衛隊機の総数は約600機

・国内の陸海空自衛隊の展示場所は約250か所

・上記のうち、一般人がいつでも見られる機体は約220機

・上記のうち、一般人がいつでも見られる場所は約100か所

・上記のうち、基地・駐屯地内などにあり通常は見ることができない機体は約380機

・上記のうち、基地・駐屯地内などにあり通常は見ることができない場所は約150か所

 

【計数に際してのルール】

1. コクピット周りの機首部のみの展示は1機と数えるが、計器盤部分のみの展示や計器盤部分を用いた「体験搭乗用設備」は含めない。

 すなわちF-2の110号機、スクラップ回収品のF-15J、存在が確認されている(本Blogで紹介している)個人所有のT-33やT-2などの機首部を含むが、百里基地広報館のF-4操縦席や千歳基地のF-104J計器盤部分、岐阜地方連絡本部のF-4操縦席、下総航空基地YS-11の操縦席、八戸基地のP-3C操縦席は含めない。

2. 垂直尾翼のモニュメントは含めない。すなわち松島、百里、熊谷、築城、新田原、那覇基地にあるものはカウントしない。また岐阜基地の室内にある#102号機の垂直尾翼もカウントしない。

3. 「展示機」という言葉には用廃機を使用した基地・駐屯地内の教育訓練機を含める。一方で教育訓練用に飛行不能な機体を別途購入した場合は含めない。すなわち陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地のLR-2訓練用ビーチ機と習志野演習場の訓練用B-767はカウントに含めない。

4. 次の機体は含めない。

1) 岐阜基地から2020年9月度に電波研究所飯岡支所に運ばれたX-2(51-0001号機)

2) 東日本大震災で被災後、電子装備研究所飯岡支所で使われたT-4(S/N不明、評価試験実施後の状況不明)

3) 岩国基地で地元の博物館建設に備えて保管しているUS-1A(9090号機、非公開)

4) 個人所有機の機首部分で本Blogにて明確に紹介していないもの。

 F-1, F-4EJ改, RF-4EJ, F-86F, F-86D, F-104J, T-1, T-33A, T-34A, MU-2S, C-46, A-4, AV-8などが存在しているが、これらは所有者がその存在の公開を望んでおらず、また敷地外から見えないようにして保管していることから情報が少なく現状が確認できない事例も多い。

5. 次の機体を含める。

1) 浜松広報館展示場から2021年3月に撤去され、浜松基地内に格納中(非公開)の機体

2) 岐阜基地に保管されているF-4EJ初号機(27-8301、航空祭時公開)。

6.「いつでも見られる」の定義は次の通りとする。

1) 公園等の公共の場所にあり365日24時間いつでも見られる状態にあるもの。

2) 定期閉館日があるが、年間半年以上が公開日となっている施設(博物館等)

3) 教育施設等にある機体で年間数日未満の一般公開日を設けている施設は除く

4) 自衛隊基地・駐屯地にあるが、ごく簡単な手続きで見学可能なものは含む。(百里基地雄飛園、善通寺駐屯地乃木館など)

5) 基地駐屯地内にあるが、外周から見られるように配置されたものを含む

 

【詳細まとめ】(2024年03月15日時点)

 航空自衛隊  固定翼機 301機、回転翼機   11機、合計  312機

 海上自衛隊  固定翼機   43機、回転翼機   26機、合計    69機

 陸上自衛隊  固定翼機   21機、回転翼機    206機、合計  227機

 三自衛隊合計 固定翼機 365機、回転翼機 243機、総計   608機

 

<内訳>

航空自衛隊

1. 戦闘機:F-86D(19機)、F-86F(35機)、F-104J/DJ(46機)、F-1(25機)、F-4シリーズ合計(21機 : 内訳F-4EJ(3), F-4EJ改(15),  RF-4E(1), RF-4EJ(2))、F-15J(1機)、F-2B(1機)、小計148機

2. 練習機:T-33A(43機)、T-34A(15機)、T-1A/B(19機)、T-2(20機)、T-3(18機)、T-4(3機)、T-6(19機)、小計136機

3. 輸送機:C-46(7機)、YS-11(2機)、C-1(1機)、小計10機

4. 連絡機、救難機、その他:B-65(3機)、MU-2S(2機)、その他(2機)、小計7機

5. 回転翼機:V-107A(4機)、S-62J(3機)、H-19(2機)、H-21(2機)、小計11機

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写真1 美保基地のF-104J。(2017年5月28日撮影)

 

海上自衛隊

1. 哨戒機:P2-V7(1機)、S2F-1(3機)、P-2J(5機)、P-3C(1機)、小計10機

2. 輸送機::R4D-6Q(1機)、小計1機

3. 飛行艇:UF-XS(1機)、PS-1(1機)、US-1A(2機)、小計4機

4. 連絡機・訓練機:B-65(5機)、C-90(2機)、JRB-4(3機)、SNJ(6機)、T-34A(2機)、KM-2(9機)、T-5(1機)、小計28機

5. 回転翼機:Bell47G(1機)、V107A(2機)、HSS2A/B(8機)、OH6J(1機)、S61A(2機)、S62J(2機)、SH-60J(10機)、小計26機

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写真2 小松島基地のSH-60J。本当のS/Nは8273だが第24航空隊にちなみ8224に書き換えて展示されている。(2018年7月15日撮影)

 

陸上自衛隊

1. 固定翼機 L-5(1機)、L-19(6機)、L-21(1機)、KAL-2(1機)、T-34A(3機)、LR-1(9機)、小計21機

2. 大型回転翼機:CH-47J(5機)、V-107A(23機)、小計28機

3. 中型回転翼機:UH-1B(19機)、UH-1H(78機)、UH-1J(3機)、H-19C(2機)、V44(1機)、小計103機

4. 小型回転翼機:AH1S(1機)、OH-6J(16機)、OH-6D(51機)、TH-55J(4機)、H13(2機)、H13KH(1機)、小計75機

写真3 宇都宮駐屯地のUH-1B(41514)展示機。(2023年3月27日撮影)

以上