<編集履歴> 22May.2020公開、14Mar.2023見直し更新(第49回目、陸自OH6DとLR1機数見直し)
本Blogでは自衛隊展示機の状況を機種別にまとめているが、ここで国内にある全自衛隊機の展示機総数をまとめてみた。その結果を一言で書けば約600機が国内各地に存在していることが判った。
物事を述べる際には分母となる事象を定量的な表現で確認しておくことが大事だ。表計算ソフトで確認すると「国内には約600機の自衛隊機が約250か所に設置されており、このうちいつでも一般人が見られる機体は約100か所にある約220機だ。残る約150か所に存在する約380機は自衛隊敷地内(基地、駐屯地、演習場など)に置かれているため通常は間近に見ることはできないが、基地開放行事の際などには見ることができる可能性がある」ということになる。用廃機についてウンチクを語る際にはこの数字を利用してもらえれば幸いだ。
そしてもちろん、数え間違いを発見したら、どうか一報くださいませ!
<計数に際してのルール>
1. コクピット周りの機首部のみの展示は1機と数えるが、計器盤部分のみの展示は含めない。すなわちF-2の110号機、スクラップ回収品のF-15J、存在が確認されている(本Blogで紹介している)個人所有のT-33やT-2などの機首部を含むが、百里基地広報館のF-4操縦席や千歳基地のF-104J計器盤部分、岐阜地方連絡本部のF-4操縦席、八戸基地のP-3C操縦席は含めない。
2. 垂直尾翼のモニュメントは含めない。すなわち松島、百里、熊谷、築城、新田原、那覇基地にあるものはカウントしない。
3. 展示機には用廃機を使用した基地内の教育訓練機を含める。一方で教育訓練用に飛行不能な機体を別途購入した場合は含めない。すなわち陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地のLR-2訓練用ビーチ機と習志野演習場の訓練用B-767は含めない。
4. 次の機体は含めない。
1) 岐阜基地から2020年9月度に電波研究所飯岡支所に運ばれたX-2(51-0001号機)
2) 東日本大震災で被災後、電子装備研究所飯岡支所で使われたT-4(S/N
不明、評価試験実施後の状況不明)
3) 岩国基地で地元の博物館建設に備えて保管しているUS-1A(9090号機)
4) 個人所有機の機首部分で本Blogにて紹介していないもの(F-1, F-4EJ改, RF-4EJ, F-86F, F-86D, F-104J, T-1, T-33A, T-34A, MU-2Sなどの存在が知られているが、それぞれ情報が少なく確認できないことと、所有者がその存在の公開を望んでいないため)
5. 次の機体を含める。:浜松広報館展示場から2021年3月に撤去され、浜松基地内に格納中(非公開)の機体
【まとめ】(2022年10月28日時点)
航空自衛隊 固定翼機 295機、回転翼機 11機、合計 306機
海上自衛隊 固定翼機 44機、回転翼機 25機、合計 69機
陸上自衛隊 固定翼機 21機、回転翼機 205機、合計 226機
三自衛隊合計 固定翼機 360機、回転翼機 241機、総計 601機
<内訳>
【航空自衛隊】
1. 戦闘機:F-86D(19機)、F-86F(35機)、F-104J/DJ(46機)、F-1(25機)、F-4シリーズ合計(15機 : 内訳F-4EJ(1), F-4EJ改(12), RF4E(1), RF4EJ(1))、F-15J(1機)、F-2B(1機)、小計142機
2. 練習機:T-33A(43機)、T-34A(15機)、T-1A/B(19機)、T-2(20機)、T-3(18機)、T-4(3機)、T-6(18機)、小計135機
3. 輸送機:C-46(7機)、YS-11(2機)、C-1(1機)、小計10機
4. 連絡機、救難機、その他:B-65(3機)、MU-2S(2機)、その他(2機)、小計7機
5. 回転翼機:V-107A(4機)、S-62J(3機)、H-19(2機)、H-21(2機)、小計11機
写真1 美保基地のF-104J。(2017年5月28日撮影)
【海上自衛隊】
1. 哨戒機:P2-V7(1機)、S2F1(2機)、P-2J(5機)、P-3C(1機)、小計9機
2. 輸送機::R4D-6Q(1機)、小計1機
3. 飛行艇:UF-XS(1機)、PS-1(1機)、US-1A(2機)、小計4機
4. 連絡機・訓練機:B-65(6機)、C-90(2機)、JRB-4(3機)、SNJ(6機)、T-34A(2機)、KM-2(10機)、T-5(1機)、小計30機
5. 回転翼機:Bell47G(1機)、V107A(2機)、HSS2A/B(9機)、OH6J(1機)、S61A(3機)、S62J(2機)、SH-60J(7機)、小計25機
写真2 小松島基地のSH-60J。本当のS/Nは8273だが第24航空隊にちなみ8224に書き換えて展示されている。(2018年7月15日撮影)
【陸上自衛隊】
1. 固定翼機 L-5(1機)、L-19(6機)、L-21(1機)、KAL-2(1機)、T-34A(3機)、LR-1(9機)、小計21機
2. 大型回転翼機:CH47J(5機)、V107A(25機)、小計30機
3. 中型回転翼機:UH-1B(19機)、UH-1H(81機)、H19C(2機)、V44(1機)、小計103機
4. 小型回転翼機:AH1S(1機)、OH-6J(16機)、OH-6D(48機)、TH-55J(4機)、H13(2機)、H13KH(1機)、小計72機
写真3 北宇都宮駐屯地のUH-1H(41601)訓練機。(2006年5月21日撮影)
以上