用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

陸上自衛隊 OH-6Dの展示機

<編集履歴> 13Apr.2020公開、19Dec.2021 見直し更新(第30回目、墜落機のS/Nに疑いあり)

 

 陸上自衛隊ではOH-6Jの後継機として193機のOH-6D(31121-31313)を導入し、1979年から2020年3月26日まで運用していた。全運用機の1/3以上となる72機が展示機や訓練機となり、2021年10月13日の時点では47機が存在している。機種別でみるとUH-1H(約80機)に次ぐ展示機数だ。

【残存状況まとめ】(2021年10月13日確認)

導入:                           193機(100 %)

事故抹消:                      14機(14/193 × 100 =   7.3 %)

展示・訓練機:               73機(73/193 × 100 = 37.8 %)

展示・訓練機後撤去:    26機(26/193 × 100 = 13.5 %)

現存機:                          47機(47/193 × 100 = 24.4 %)

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写真1 桐生が岡動物園の31195号機。テイルブームは31218号機のもの。(2019年8月3日撮影)

 

【展示機 Now on display】

 以下の一覧では訓練用途に用いられている機体には「訓練機」というコメントを付けてある。屋外展示機は特記しない限りは2020年4-5月度にGoogleEarth-Pro衛星画像(GE-Pro画像と略)により機体が存在することを確認している。明らかに撮影日の異なる画像がネット上に存在する場合にはできるだけ最も古い年月と最新の年月を記すようにして、いつ頃からいつ頃まで展示されていたのかが判るようにした。私自身が訪問して確認したものではないことに注意願う。 

(01) 31122 淡路島 ミツ精機(株) 2019年訪問確認、屋内展示

(02) 31127 船岡駐屯地(38.0477, 140.7796)、2004年4月以降存在

(03) 31129 川崎重工(株)西神工場(34.7292, 135.0269)、2004年12月31日GE-Pro画像に存在せず、2006年4月24日以降GE-Pro画像に存在

(04) 31130 福島駐屯地(37.7126, 140.3818)、2004年10月以降存在

(05) 31132 北熊本駐屯地(32.8422, 130.7326)、2007年7月以降存在

(06) 31133 奈良県立王寺工業高校(34.5920, 135.7016)、2010年3月22日以降GE-Pro画像に存在 

(07) 31135 北宇都宮駐屯地(36.5134, 139.8756)、正門前展示機 2016年1月以降存在

(08) 31136 大和駐屯地(38.4491, 140.8754)、2005年4月以降存在、Tailは31186のもの

(09) 31146 郡山駐屯地(37.3994, 140.3252)、2010年4月11日以降存在(J型と置換)

(10) 31147 徳島駐屯地(33.9734, 134.6500)、2014年3月存在

(11) 31148 信太山駐屯地(34.4916, 135.4419)、2007年4月以降存在

(12) 31149 米子駐屯地(35.4583, 131.3272)、訓練機、2003年9月以降存在

(13) 31151 日本航空学園(山梨)2019年4月屋外搬出時に確認

(14) 31153 静岡理工科大学(34.7379, 137.9595)、2014年3月7日以降GE-Pro画像に存在、Tailは31225号機のもの

(15) 31156 仙台駐屯地(38.2683, 140.9211)、2011年3月27日以降GE-Pro画像に存在

(16) 31157 千僧駐屯地(34.7891, 135.4049)、2014年5月以降存在、2019年5月12日公開時に確認するもGE-Pro画像(2018/11/30)では確認できず。

(17) 31161 日本航空学園(輪島)、2018年10月6日の学園祭で格納庫内に展示。

(18) 31162 中日本航空専門学校 教材機 2010年12月および2019年11月存在

(19) 31163 千葉科学大学(銚子) 教材機

(20) 31168 中日本航空専門学校 教材機 2010年12月および2019年11月存在

(21) 31172 立川駐屯地 教材機 2021年7月4日ららぽーと立川立飛に一日出張展示

(22) 31175 神町駐屯地(38.4025, 140.3853)、2010年8月11日以降GE-Pro画像に存在

(23) 31178 八戸駐屯地(40.5520, 141.4516)、2009年4月存在、Tailは31201のもの。

(24) 31179 岩手駐屯地(39.8372, 141.1090)、2010年6月以降存在

(25) 31180 日本航空学園(山梨)2016年10月以降2019年4月存在、Tailは31174号機のもの。

(26) 31181 山口駐屯地(34.1883, 131.4836)、2015年10月以降存在

(27) 31182 東立川駐屯地(35.7061, 139.4270)、2002年7月7日GE-Pro画像に不鮮明な機影あり、2007年7月-2021年4月存在(公式Twitterより。なお掲載写真よりTailは31196号機のもの)

(28) 31183 前川原駐屯地(33.2907, 130.5546)、2010年11月以降存在

(29) 31195 群馬県桐生が岡動物園(36.4191, 139.3395)、2009年10月-2019年8月存在

(30) 31197 石川県金沢工業大学 2012年5月12日搬入・設置、Tailは31214号機(鹿児島県湧水町展示機)のもの。2019年11月時点ではローターが外されていた。

(31) 31200 高知駐屯地(33.5573, 133.7526)、2013年4月16日存在、なお高知駐屯地(新)の開庁は2010年3月。

(32) 31201 千葉県富里市 清郷会青空保育園(35.7672, 140.3279)、2012年3月29日以降のGE-Pro画像に存在

(33) 31211 鹿児島県霧島市丸岡公園(31.8905, 130.6733)、2012年10月5日以降のGE-Pro画像に存在。 

(34) 31214 鹿児島県湧水町吉松体育館(32.0145, 130.7460)、2014年11月19日以降GE-Pro画像に存在、Tailは別の機体のもの(S/N不明)

(35) 31241 宇都宮駐屯地(36.4780, 139.8694)、2014年4月-2019年6月存在

(36) 31245 茨城県かすみがうら市ケアハウスピソ天神(36.1300, 140.2712)、2019年6月以降存在

(37) 31246 国分駐屯地(31.7240, 130.7542)、2017年10月以降存在

(38) 31251 小倉駐屯地(33.8439、130.8802)、2017年10月以降存在

(39) 31261 佐賀県北稜高校、教材機、2017年9月8日貸与式実施

(40) 31262 帯広駐屯地(42.8970, 143.1680)、2018年10月4日以降存在 

(41) 31270 青森県立三沢航空科学館 2015年6月より屋外常設展示

(42) 31276 東千歳駐屯地(42.8349, 141.7109)、展示機、2019年5月存在確認、GE-Proでは2009年8月11日以降存在するが画質悪く確認は困難

(43) 31280 相馬原駐屯地 展示機 2019年4月存在確認、GE-Proでは画質悪く確認は困難。Twitter情報にて2021年6月時点でも存在

(44) 31311 霞ケ浦駐屯地 OH-6D最終フライト実施機(立川から霞ケ浦へのフェリーが最終フライト)。2021年10月時点で展示機が先代の31265号機と交換されていたとの情報あり。

(45) 31313 防府北基地 OH-6Dの最終号機。2021年3月26日に防府北基地公式Twitterにて展示された旨の発信あり。

(46) S/N不明 出雲駐屯地(35.3684, 132.7075)、2012年4月23日から2014年10月30日の間に設置後GE-Pro画像に存在 

(47) S/N不明 霞目駐屯地(38.2379, 140.9246)、以下に不明機として記した31138号機かもしれないが、確認はされていない。

 

【展示後撤去もしくは現状不明 Scrapped after display or unknown】

特記ない場合は撤去済み。

(01) 31121 北宇都宮駐屯地(36.5118, 139.8751)、訓練機、メインロータ無し、2012年9月以降存在、OH-6D運用終了により2020年12月ごろ撤去

(02) 31123 前川原駐屯地 2007年頃存在、2010年11月以前に31183号機と置換。

(03) 31124 北宇都宮駐屯地(36.5119, 139.8752)、訓練機、2012年9月以降存在、OH-6D運用終了により2020年12月ごろ撤去

(04) 31125 霞ヶ浦駐屯地 訓練機 撤去時期不明

(05) 31128 霞ヶ浦駐屯地 訓練機 撤去時期不明

(06) 31131 霞ヶ浦駐屯地 訓練機 撤去時期不明

(07) 31134 弘前駐屯地展示か?「2018年4月-2019年4月存在」と書いたが、オリジナルデータ再確認できず。誤記の可能性あり。要確認。

(08) 31137 霞目駐屯地 2013年2月にスクラップ状態を確認 展示機・訓練機としての写真記録は見つけていない。

(09) 31138 霞目駐屯地(38.2380, 140.9248)、2007年5月以降、正門脇付近で何度か配置場所を変えながら2018年6月7日GE-Pro画像まで存在。2018年10月21日以降のGE-Pro画像では確認できず、撤去されたものと考える。

(10) 31140 霞ヶ浦駐屯地 訓練機 撤去時期不明

(11) 31141 北宇都宮駐屯地(36.572, 139.8760)、2005年5月以降正門脇に存在、2019年6月16日公開時は展示機体更新のため航空公園展示場脇に移動、2020年12月ごろ廃棄

(12) 31144 岡山県倉敷市佐藤建設(34.5530, 133.7527)、Tailは31193のもの。2012年1月存在。2016年3月22日GE-Pro画像に存在も以降視認できず。2020年6月訪問者が撤去済を確認。

(13) 31152 霞ヶ浦駐屯地 訓練機 2012年5月-2014年5月存在、撤去済

(14) 31154 立川駐屯地 展示機 2009年10月以降2012年11月まで存在、31173号機と置換され撤去か?(1992年3月事故機か?)

(15) 31170 霞ヶ浦駐屯地 訓練機 2012年5月-2014年5月存在、撤去済

(16) 31173 立川駐屯地 2015年9月から2018年9月まで存在、2020年4月衛星画像で確認できず。木立の下か?

(17) 31184 青森県立三沢航空科学館 2006年11月展示、2015年7月31270と置換され撤去

(18) 31187 霞ヶ浦駐屯地 展示機 2008年5月-2012年5月存在、2013年5月以前に31212号機と置換

(19) 31188 北宇都宮駐屯地(36.5120, 139.8752)、訓練機、ローター無し、2010年5月以降存在、Tailは31226号機のもの、OH-6D運用終了により2020年12月ごろ撤去

(20) 31193 北宇都宮駐屯地(36.5120, 139.8752)、訓練機、2010年5月以降存在、Tailは31221号機のもの、OH-6D運用終了により2020年12月ごろ撤去

(21) 31203 霞目駐屯地 格納庫内 2019年4月13日公開時に格納庫内にて展示あり。この時点では既に用廃となっていたものと思われる。その後の状況は不明

(22) 31212 霞ヶ浦駐屯地(36.0382, 140.1905)、2013年5月以後存在、2018年5月公開時には31265号機に置換済

(23) 31225 BobOgdenのS/N本で静岡にあり。

(24) 31230 千葉県船橋市みやぎ台3丁目三咲小鳩幼稚園運動場(35.7553, 140.0374)Tailは31267号機のもの、2014年3月8日以降のGE-Pro画像に存在。2021年2月19日撤去解体。

(25) 31139 福井県永平寺町人希の里公園(36.0707, 136.4042)、2002年7月設置、2010年7月26日以降GE-Pro画像に存在、2021年3月(2020年度末)に貸付を更新せずに撤去予定も2021年10月時点で残存。本Blogでは(あちこちに書いちゃったし、修正が面倒なので)このまま「撤去済」の扱いとする。

(26) 31265 霞ヶ浦駐屯地(36.0382, 140.1905)、2018年5月26日公開時より存在するも2021年10月には31311号機に交換されていたとの情報あり。

 

【事故抹消機 Crashed and then w/o】(日付は事故日、確認できたもののみ)

  (1) 31159 1987年07月10日

  (2) 31160 1983年05月30日

  (3) 31165 1997年01月13日

  (4) 13166 1987年07月10日

  (5) 31185 1992年10月13日

  (6) 31201 2005年11月21日 三重県内の池に水没。”31210”号機かもしれない

  (7) 31206 1997年08月21日 PA-28(JA3361)と空中衝突し墜落(竜ケ崎)

  (8) 31222 2004年05月15日

  (9) 31249 2015年04月06日 宮城県内に不時着時テイルブーム折損

(10) 31256 1993年02月22日

(11) 31260 2001年02月14日 AH-1S(73463)と空中衝突し墜落(千葉)

(12) 31274 2002年03月07日 31301と空中衝突し墜落(大分)

(13) 31301 2002年03月07日 31274と空中衝突し墜落(大分)

(14) 31154 1992年03月12日 修理して立川駐屯地に展示

 

【二種類の番号を持つ機体】

 胴体部分(エンジンマウント部)に記載された番号とは異なる番号のTailブームを取付けた展示機が2021年11月時点で7機確認されている。展示に際して程度の良いTailブームを現用機に渡し、不要となったTailブームを取り付けて貸与機としたために生じた事例だ。どうやら1対1での交換とは限らず、玉突き的に交換して機体延命を図っていたようだ。Tailブームを切り離す位置が機体左側の「JG-」と「4桁番号」の間にあるため、こちら側は交換しても違和感がないが、機体右側は「JG-1234(四桁数字)」の"2"の位置で切り離されるので、100番台、200番台、300番台の番号が異なる機体間で交換していると一目で判る。

このためエンジンマウント部の番号と機体左側のブームに書かれた番号は必ず確認して記録に残しておこう。

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写真2 エンジンマウント部には"31195"と書かれているが、Tailブームは"JG-1218"となっている桐生が岡動物園の展示機。(2019年8月3日撮影)

 

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写真3 31195号機の胴体に31218号機のTailブームを取り付けた機体(写真1および2)の右側の状況。百位の番号の部分で切り離されるので数字がおかしな形になっている。(2019年8月3日撮影)

 

【余談:スペシャルマーキング】

一部のOH-6Dには冬季に白色まだら塗装を施したものがあったが、基地祭等のイベントにおいてスペシャルマーキングを施した機体が数多く存在した。これらは展示機としては残っていないいないが、個人的に「最高」と評価するものは2004年10月16日の八尾駐屯地創立50周年記念行事の際に展示された全身トラ模様の31295号機だろう。ネット上に幾枚かの写真が残されているので検索してみて欲しい。

 

【余談 その2】

2020年7月21日に明野駐屯地で撮影されたトラックに載せられた32189号機の姿がTwitter上に流れている。どこかに展示されるのか、スクラップとしての搬出されるのかは不明。

 

以上