<編集履歴> 16Oct.2018公開、15Nov.2021見直し更新(第7回目、冒頭の文書を更新)
航空自衛隊からF-4ファントム戦闘機の引退が進む2018年10月16日付けで「【特設】小松にファントムを!」という提案を公開した。その中で石川県立航空プラザの置かれた立場や展示に際して必要なことは何だろうかと考え、まとめてみたつもりでいる。(まとめることと、それを文書にして公開することは別次元の話だと痛感しているが)
2021年11月時点では「展示しない」ことが決定していますが、以下、このカテゴリー内では投稿当時の文書を記録として(一部に手を加えるものの)当面は残しておこうと考えます。
※2021年3月17日に航空自衛隊岐阜基地に残る最後の3機が引退。19日付で「航空プラザでは検討したけれど予算がつかなかった」とのTweetあり。展示できなかったことは残念ですが、検討していただきありがとうございました。 (2021年3月21日記)
<以下はオリジナルの投稿文です>
【はじめに】
航空自衛隊のF-4EJファントム戦闘機の用途廃止が進んでいる。
この機体の一機を石川県立航空プラザ(以後、特に断らない限りは航空プラザ)に展示できないものか?そう考えて提案・要望書の原案を作ってみた。
この原案を直接関係者各位に配布するわけではありませんが、読者の方で賛同される方(特に石川県在住者)が居られましたら、全文もしくは一部抜粋、あるいは本文をさらに加工したものでも構いませんので関係機関等(航空プラザ、石川県庁の文化事業担当部署、小松市の青年会議所など)に伝えてみませんか?
何もしなければ全機がスクラップになります。しかし、もし声を上げることで一機が展示されることになればうれしいと思う次第です。
【提案・要望書】
1.提案内容の主旨
(1)石川県は防衛省航空自衛隊から2020年度末(2021年3月末)までに全機が現役から引退するF-4EJ戦闘機の貸与をうけ、これを石川県立航空プラザに恒久的に展示する。
(2)展示するF-4EJは能力向上改修を施していない形式(以後、通常型と称します)とする。
2.提案の背景
<航空プラザの位置づけ>
(1)石川県立航空プラザ(以後、航空プラザと略します)は国内有数の航空機展示施設であり、将来に渡り航空知識の普及に努めることが求められる公的施設と位置付けることができます。このためには適宜、新たな展示機体を補充することにより、航空技術の発展並びに新規技術に関する知見等を一般大衆に公開していくための努力が必要と考えられます。(資料1)
<小松市とF-4EJ戦闘機の関係>
(2)航空自衛他のF-4EJ戦闘機は1971年に米国製の301号機と302号機が日本に到着して以来、ほぼ半世紀に渡り日本の防空に携わった機体です。本機種は小松基地第六航空団において1975年から1997年までの22年間運用されており、航空プラザのある地元小松としてもつながりの深い航空機です。(資料2)
<展示機入手の機会>
(3)航空自衛隊のF-4EJ戦闘機は2021年末までに全機が引退する予定であり、今しか入手できない機体です。(資料3)
<F-4EJ戦闘機(通常型)を展示する意義>
(4)現在、国内各地に展示されている航空自衛隊のF-4戦闘機(偵察型および戦闘機型から偵察型への改造機を含む)のうち、大部分は改修により能力向上を図った機体であり、本提案書で提案する通常型は岐阜基地にある1機のみです。
この通常型を日常的に公開・展示することで全国的に見ても歴史資料的な価値が格段と高まることが考えられます。(資料4)
<地域への貢献>
(5)航空プラザは石川県金沢周辺と福井県の東尋坊・永平寺という著名な観光地の中間に位置しております。観光拠点とすることで従来は通過してしまう観光客を集め、地域の活性化に寄与することができるものと考えられます。(資料5)
3.提案実現のために解決すべき事項
(1)防衛省・航空自衛隊との交渉
防衛省・航空自衛隊の関係部署と連携し、現在までに航空プラザに展示されている各種の自衛隊航空機と同様の貸与を受けられるよう交渉する必要があります。
また次項に述べる機体の運搬や設置の手段および費用について、様々な協力をいただけるよう、お願いすることが必要になるものと思われます。
(2)機体の運搬、設置に係る費用の予算化
F-4EJ戦闘機を航空プラザまで輸送し、設置するためには次の二通りの方法が考えられます。いずれの場合においても数百万円規模の予算を必要とします。機体の運搬、設置の手段と費用に関する考察を資料6にまとめますので、ご参照ください。
1)岐阜基地にて用途廃止となった機体を分解して、陸路にて搬送する。
分解された機体は航空プラザ到着後に組立て、展示に供します。
陸送に際してはおおむね一千万円程度以上の費用が必要と考えられます。
2)展示予定機が用途廃止となる最終フライト時に小松空港まで空輸します。
小松基地において防衛上の機密事項に関わる装備・部品等を取外したのち、専用の牽引車にて小松基地、空港、一般道路を経由して小松航空プラザに搬入します。
この場合には航空自衛隊担当部署との間で十分な調整・連携が必要となりますが、搬入にかかる費用は上記1)に比べると大幅に抑えることができるものと考えます。
4.展示方法の提案
F-4EJファントムが貸与されることになった場合の展示方法を次の通り提案します。
(1)機体は館内展示とします。これにより雨、雪、日照等の天候による劣化を極力抑え、将来にわたりる維持管理費用を軽減するものとします。
(2)F-4EJ戦闘機の重量による設備の損傷並びにタイヤなどの劣化を極力抑えるため、二基装備されているエンジンは外した状態で展示するものとします。
ただし外したエンジンのうち少なくとも一基は機体と並べて展示し、その構造等に関する知見を一般に深めるために供するものとします。
(3)展示スペースの確保並びにF-4EJの構造上の特徴を一般に周知するため、少なくとも一方の外翼は上方に折りたたんだ形態で展示を行います。また着艦フックは降ろした状態とします。
(4)展示方法に関する考察を資料7に記しますので、ご参照ください。
5.維持管理
(1) 展示された機体の維持管理については航空自衛隊およびその退職者等、関係者の指導をもとに実施します。
(2)なお実際の運用においてはおおむね3年ごとに一回の定期点検を行い、6年に一回の再塗装を行っておりますが、現在の航空プラザの展示機の状態から考え、屋内展示であれば10~15年程度以上は特に補修等を行う必要ななく、維持できるものと考えております。(資料8参照)
6.広報活動
(1) 次の時点で新聞社・TV局、旅行社、航空関連雑誌社などのメディアとインターネットを通じて発信を行います。
1) F-4EJの展示の検討を開始した時点
2) 議会あるいは予算処置でF-4EJの展示が確定した時点
なお検討の結果、展示しないことが確定した時点でも発信を行います。
これはネガティブ情報ですが航空プラザの存在を全国に知らしめるために必要と考えます。
3) 搬入機の到着予定日が決まった時点
4) 搬入された時点
5) 公開開始直前(事前公開)
6) 公開開始日
7) 公開開始後の学生の長期休暇中(フォロー記事)
7.その他
上記広報活動の結果は後日まとめ、youtubeなどに投稿して広報素材とするとともに、特典映像なども加えて販売することにより、わずかではありますが展示に係る費用の回収に帰することが可能と考えます。
以上