用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【撮影ガイド】RTAF DonMuang基地

<編集履歴> 06Jan.2020公開、31Dec.2023 見直し更新(第6回目、2024年子供の日はドンムアン開催)

【注記】

 2023年1月のエアショーはカンペンセーン基地で行われたが、2024年は再びドンムアンで行うとの発表が2023年12月中旬ごろにあった。

 

【以下、従来の記事】

 RTAF DonMueang(ドンムアン)基地はバンコク北部にあるLCCを主体とした国際空港の反対側にある基地で毎年一月第二土曜日の「タイの子供の日」には一般に公開されている。首都近郊ということもあり全国最大規模の入場者数・展示機数・デモフライト数を誇るエアショーが行われる。このため特別の理由がない限りは、このエアショーを見ておけば他の基地に行く必要はない。

 ここでは子供の日の公開時の案内をメインとして書き進めることにする。なお私自身は1997年1月に初めて訪問して以来、10回程度訪問している。当初に比べると変化した部分もあるが、直近の様子を元に紹介しよう。

(訪問日:12Jan.1997、9Jan.1999(コラートと掛持ち), 13Jan.2001(ウタパオと掛持ち), 12Jan.2002(チェンマイと掛持ち),  8Jan.2005(Srat Thaniと掛け持ち), 14Jan.2006, 9 Jan.2010, 12Jan.2013, 10Jan.2015, 9Jan,2016,  12Jan.2019, 11Jan.2020)

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写真1 F-5Tのタキシング。真横で100㎜程度だ。(2019年1月12日撮影)

 

1. ロケーション

 地図を貼りつければ話が早いのだが、私は「地図にコメントを書きこんでこのBlogに張り付ける」術を知らないので緯度経度情報を列挙しておく。以後の話は地図上の位置を各自で確認しながら読み進めてほしい。

(1) 13.9208, 100.6231.  基地ゲート(その1)。一般入場不可。

(2) 13.9195, 100.6225.  博物館入口。一般入場門。

(3) 13.9188, 100.6210.  博物館裏の通用門。

(4) 13.9181, 100.6211.  博物館バックヤード

(5) 13.9192, 100.6203.  シャトルバス乗降場(2019年まで)

(5-1) 13.9175, 100.6203. シャトルバス乗降場(2020年)

(6) 13.9192, 100.6170.  C-123

(7) 13.9205, 100.6177.  C-47

(8) 13.9141, 100.6141.  シャトルバス乗降場

(9) 13.9137, 100.6134.  エプロン入口

(10) 13.9141, 100.6122.  展示会場中心

(11) 13.9088, 100.6160.  基地ゲート(その2)

(12) 13.904, 100.6124. T-28

 

2. 開催日:毎年1月第二土曜日のみ

 スマトラ沖大地震(2004年12月26日)の直後でもエアショーを開催する国である。タイ国王が2016年10月13日に亡くなっても3か月後にはエアショーを開催する国である。政治デモにより市内にバリケードが作られていても行われる。ちょっとやそっとのコトでは中止にはならないと信じていたが、2021年1月度は新型コロナウイルス感染防止のために中止されてしまった。なお1997-2000年頃は木曜日または金曜日から入場可能であったが、現在では土曜日のみの公開となっている。金曜日はアライバルデーだ。

 

3. アクセス

(1) アクセスは別稿の王立空軍博物館と同じなので、そちらを参照ください。 

【Bangkok】王立空軍博物館 - 用廃機ハンターが行く!

 

4. 入退場: 午前7時から15時までで入場無料。

入場門は空軍博物館正門(2)と(11)の空軍ゲート(その2)だ。ここ数年は(1)の空軍ゲートは開けていない。

4-1.博物館ゲートからのアクセス(2020年1月方式)

(1) 博物館正門より入場し、左手に進むと手荷物検査がある。

(2) 博物館裏手の通用門(3)から基地内に入る。なお博物館のバックヤード(4)に面白いものが転がっていることが多いが、その確認はお昼過ぎにしよう。

(3) 道に沿って進む。途中にシャトルバス乗車場(5-1)があるが、なかなか来ないので先に進む。

(4) 突当りを右折し、約400m進む。正面は滑走路方向(エプロン前)だ。

(5) 突当り(エプロン前)を左折し、約550m進むとエプロンの入場口となる。

 

<参考:2019年までの博物館側からのアクセス方法>

(1) 博物館正門より入場し、左手に進むと手荷物検査がある。

(2) 博物館裏手の通用門(3)から基地内に入る。

(3) 通用門から80mほど先にシャトルバス乗降場(5)があるが、なかなか来ないので展示されているC-123(6)をを目指して歩く。遠くにC-47(7)が見えるが近くに行くことはできない。

(4) C-123脇からはエプロンの建物を右手に眺めながらエプロン入口(9)まで歩く。

(5) シャトルバスは手前の(8)付近に停車する。エプロン内では水の購入が困難(人が多すぎ)なので、持ってくるのを忘れた場合には(8)(9)付近の屋台で購入しておこう。

(6) 2000年代前半ごろまでは空軍ゲート(1)より日の出前の朝5時ごろからエプロンに入ることができたが、2000年代後半ごろより早朝の入場が出来なくなり、また入場門は空軍ゲート(1)から博物館ゲートへと変わった。

 

4-2.空軍ゲートからのアクセス(2020年1月方式)

(1) 入口の手荷物検査を受ける。

(2) 道路を滑走路方向に490m直進する。途中、左手にT-28D(12)が見える。可能ならば撮影しておこう。

(3) 突当りを右折し、340m進むとエプロン入口だ。

 

4-3. 退場

(1) エプロンは15時になると直ちに追出しが始まる。もっとも残っているのは外国人マニアくらいなので追い出されるのは早い早い。人を入れずに地上展示機を撮るチャンスだが、追出しとの兼ね合いになる。

(2) 空軍博物館のバックヤードや屋外展示機は17時ごろまで見ることができる。

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写真2 基地内に展示されているC-123。元南ベトナム空軍機だ。2020年公開時には近づくことができなくなった。(2019年1月12日撮影)

 

5. 地上展示

(1) タイ空軍保有機のほぼ全機種が展示される。(地方では数機種だけ)

(2) 展示機の間隔は狭い。

(3) 2019年までは機体周りの近いところにロープが張られていたが、その中で記念撮影をする人が絶えなかった。また機体の影となる主翼下、胴体下には多くの観客が休みをとっていた。しかし2020年には柵で機体と観客の分離が徹底されたため、機体撮影は容易になった。ただし博物館所有機(用廃機)にはロープ囲いはなく触り放題だった。

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写真3 追い出し間際に中望遠レンズで展示機を狙う。T-28は博物館所有機だ。(2016年1月9日撮影)

 

6. 飛行展示

(1) 午前9時ごろから10時半ごろまでと13時から14時半頃までの2回、同じようなプログラムで飛行展示が行われる。プログラムはネット上に事前公開される(タイ語のみ)。

(2) 一般的には国旗色のスモークを引いた3機のAU-23によるフライパス、練習機のパス、戦闘機のデモ、CSARデモといったところか。会場入口に予定を書いた看板が立てられているが、時間の数字および機種名まで全てがタイ語で書かれていることが多い。近年では機種名は英語でも書かれるようになった(注:タイ空軍では独自の機種名を使用している)が、数字だけでもタイ語を読めるようにして行こう。

(3) 近年は朝一番で滑走路側の最前列が埋まるようになってきた。子供の日のイベントであることをよく認識したうえで、場所取りを行おう。

(4) タキシングはF-16クラスで真横70~100ミリ程度から。離陸は300ミリ程度以上。民間機の離発着も多く、200ミリがあればA320クラスの真横は十分。

(5) 滑走路方向は03-21。お昼頃までは順光だが、午後のフライトは逆光となる。

(6) 経験論だが一日に1機はド珍機が離発着する。ただし日中30℃を超えるエプロンで一日中離着陸機を見るだけの気力・体力がないので、たいていは日陰で通り過ぎる機体を目で追って「あ~、しまった・・・」とつぶやいている。フライパンのようなエプロンに一日居られる体力がある者だけが珍機をゲットできるのだ。

 

7. 基地内展示機

上述のC-123、C-47、T-28以外にもUH-1などが立入禁止エリアに存在する。訪問した年だけ一般公開エリアとなる場合もあるのでGoogle Map/Earthの衛星写真でどの辺りに機体があるのかを確認してから出かけよう。 

 

8. 外撮り

 空港北東部の道路から着陸する機体を撮影できるが、高度は高い。National Memorialよりやや南側の歩道橋が撮影ポイントの目印だが歩道橋に長時間いると警察に注意される。2000年代には空港脇の駐車場でエアバンドを聞いていた者が逮捕されたことがある。彼のその後の動向は不明だ。

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写真4 空港北東部の歩道橋付近よりA320のアプローチを狙う。高度は高く、200㎜程度で見上げるような感じで撮れる。(2015年1月9日撮影)

 

8. 屋台

 エプロン入口周辺に多くの屋台があり、飲食物を購入できる。市内価格の2倍程度だが、日本人の購買力からみれば大したことはない。 

 

9. そのほか

(1) 訪問・入場する前に飲料水を購入して持参すること。一日いるなら1L以上を目安とする。前述の屋台ではミネラルウォーターのペットボトルはあるが、冷やされていないことが多い。氷入りのソフトドリンクは小さな袋に入れてストローをつけてくれる(甲子園のカチ割ドリンク風)。250ml程度で20Bあたりが相場。

(2) 交通手段を確保した場合、ドンムアンのほかにもう一か所の基地を訪問するコトが可能だ。具体的にはU-tapao、コラート、チェンマイ、スラーターニーに行ったことがある。ただしドンムアン空港発着便はデモフライトによって1時間程度の遅延が生ずるので注意。2005年にはドンムアンからスラーターニに行こうとしていたが、よりにもよってスラーターニから飛来した4機のF-5Eの対地攻撃デモのために出発が1時間遅れ、そのデモの様子を機内から遠めに眺めることになった。これは・・・悔しかったねぇ。

(3) 2023年1月6日ごろ、タイ空軍は2023年1月14日(土)のドンムアン基地でのエアショーを約100km離れたカンペンセーン基地(訓練基地)に移動すると発表した。理由は民間機のトラフィックを妨げないようにするためだそうな。隣接する博物館でのイベントは従来通り行われるとのこと。

 バンコクからカンペンセーン基地へはバスでカンペンセーンの町まで行き、ソンテウやバイクタクシーに乗り換えるか、バンコクでタクシーを一日チャーターして行くのが良いかと思われる。ナコーンパトム鉄道駅前(1ブロック離れているが)からカンペンセーン行のソンテウが頻発しているが、タイ語が分からないと行先すら分からず利用できない(アルファベット表記は無いゾ。苦笑)。

(4) タイ空軍は2023年12月20日頃、2024年の子供の日には再びドンムアンでエアショーを行う旨を発表した。昨年「バンコクからカンペンセーンまで行かなくてはいけない」という状況に相当な苦情があったのではないだろうか。

以上