用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【ヒント その4】機体の記録写真

【記録すべき重要なポイント】

  展示機の記録を残すうえで重要なポイントは、「それが、そこにあった」ことが後々まで判るようなショットを得ることです。重要と思える点を列挙してみましょう。

1) 主題の全体像が明確にわかること

2) 周辺状況との関係がわかること

3) 被写体機を特定する情報を含むこと(シリアルナンバーや製造番号のほか、特定の改修痕などを含む)

4) 被写体機のもつ独特の特徴、構造やその細部が明確にわかること

5) マーキングの詳細と周辺構造との関係が明確にわかること(模型製作時に必要)

6) のちのち見直す時に系統立てて確認できること

 

 これらの事項を満たすため以下のようなチェックリストを頭の中で確認しながら撮影を進めましょう。沢山あるように思えますが、慣れてくると展示機の周りを一周するとほぼ全てを写しているような状態になるハズ・・・です。

 <全景写真撮影時のチェックリスト> 

1) 右側面写真を撮ったか?

2) 左側面写真を撮ったか?

3) 真正面からの写真を撮ったか?

4) 真後ろからの写真を撮ったか?

5) 斜め前からの写真を左右で撮ったか?

6) 斜め後ろからの写真を左右で撮ったか?

7) 撮影した写真は機首先端のピトー管の先から尾翼後端までの全景が画面の八割以上に入っているか?

8) 画面に撮影対象がバランス良く収まっているか?

* 余分なスペースが対象の上下・前後に空いていないか?

長いピトー菅や後ろに延びた水平尾翼の先端までをピッタリ画面に収めると、「絵の構図」としてはバランスが悪くなる場合がある。「余分」ではないが「適度」のスペースを設けて、バランスをとるように工夫しよう。

* 変に傾いた写真になっていないか?

なんとか機首先端から尾翼の先端までを入れようとして、カメラを45度傾けて対角線を利用するケースがある。記録するだけならこれでも良いが、第三者が見る場合にはたいへんに見づらい。また斜面に水平をとらずに機体を設置している場合がある。実際の水平線に従って撮るか、斜面の地平線に合わせて撮るか、状況に応じて判断しよう。

 9) 余分なものが写りこんでいないか?

周囲の人影、背景を通り過ぎる車、落ちているゴミなどを確認し、原則として可能な限りは排除する。もちろん雑然とした雰囲気を表現したい場合には、これらを積極的に取り込んでも構わない。ただし遊んでいる子供を怒鳴りつけて排除するとか、撮影場所をトラロープなどで勝手に仕切って確保するような公共マナーに反する行為は言語道断。こんなことまで書く必要があるのかと情けなくなるが、それをやる輩がいる(いた)のも事実なので記載しておく。

10) 光線加減は良好か?

原則として晴天順光が好ましいが、影を消すために「明るい曇天」の方が良い場合がある。雲の流れを確認し、必要に応じては明暗のコントラストのついた写真と、フラットだが細部が判る写真の両方を撮影するようにしよう。

 

<細部写真撮影時のチェックリスト>

1) 機体を特定するシリアルナンバーや製造番号等を記載した銘板は撮影したか?

2) 尾翼のマーキングや特別なマーキングは大きく撮ったか?

近づいて標準レンズで撮影するよりも、少し下がって中望遠レンズで撮影した方が自然な感じに撮れる場合がある。のちのちの「写真の使い方」に応じて撮影しよう。

3) 展示機を最後に整備したクルーの名前やお別れの言葉が目立たないところに書かれている場合がある。このような特別なマーキングが残されているかどうかを確認したか?もしあるならば、これを撮ったか?

4) 被写体機の特徴を示す構造部分をのちのち理解できる程度に大きく写したか?

5) 対象物がハッキリと記録されているか?

必要に応じて露光を変化させたり、ストロボを使用するなどしているか?

6) 偵察機材装着の有無、電子戦用アンテナ、射出座席やタイヤのメーカーなど、製造場所や製造時期によって異なるものがある場合には、これらの特徴やメーカーが判る程度に撮影したか?

7) 燃料タンクや模擬爆弾など外部搭載物がある場合、これらのクローズアップ写真と機体への取付方法を撮影したか?(展示用に”ミサイルに似せた金属の筒”を”ビス止め”していることもある)

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作例1 目立たない所に関与した方々の「記録」が残されている場合がある。これは石川県立航空プラザに展示されたT-3の主脚カバーに記された展示要員の階級と氏名。(2018年9月18日撮影)

 

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作例2 中国上海の古鎮に展示されているMiG-15の主脚扉内にあったプレート。キリル文字で「エアクラフトNo.137013」と記されている。製造番号だろう。後日の調査で何かが判るかもしれないのでとりあえず撮っておく。 

 

 以上

<編集履歴>

04Apr.2019  公開 

27Sep.2019 一つの文書を分割し、見直し

05Feb.2020 見直し