用廃機ハンターが行く!

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【上海】上海航空科普館

<編集履歴> 26Mar.2019公開、02Dec.2021見直し更新(第4回目、体裁変更、写真追加)

<場所 Place>       上海航宇科中心、上海市闵行区沪闵路7900号、上海航空科普馆

<座標Location>       31.1383N, 121.4012E

<訪問日 Visit>      20Mar.2010, 21Nov.2014ほか数回

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写真1 ズラリと並ぶ戦闘機群。(2010年3月20日撮影)

 

<行き方 Access>

(1) 地下鉄一号線「锦江乐园(以下、日本語で錦江楽園と記載する)」下車。徒歩10分。

 <詳細>

1) 上海中心部から地下鉄一号線に乗車した場合、「上海南」駅の隣が「錦江楽園」駅だ。

2) 改札口を出た後、駅前の交通量の多い主要道路を正面に見て左に約150m進む。駅の左手は梅陇汽车站という上海南部エリアを結ぶ小さなバスターミナルになっている。別記事で紹介している枫泾古鎮のMiG-15を訪問する際に利用する。

参考:【上海】楓涇古鎮のMiG-15 - 用廃機ハンターが行く!

3) 横断歩道を反対側に渡る。(現在、スクランブル交差点になっている模様。その場合には次の4)の横断は不要で大通りを渡りつつ斜め前に進む)

4) 左を向いてもう一つ横断歩道を渡る。右斜め前は錦江楽園(遊園地)の正門(チケット売場)だ。錦江楽園を右手に見ながら大通りに沿って真っすぐに400mほど進む。(地下鉄「莲花路」駅方向に進む)

5) 錦江楽園の敷地を過ぎ、二つ三つビルを過ぎた辺りが航空科普館の入口となる。周囲のビルや施設に比べるとかなり貧弱な造りなので「これでいいの?」と思うかもしれないが、奥に機体の一部が見えるハズだ。

<解説General> 

(1) 1989年6月に「上海航宇科普中心」という名称で正式にオープンした中国国内では老舗の航空機展示場であり、「錦江楽園」という遊園地の裏手にある。明確な記録は見つけていないが、おそらく2015年4月ごろに入口にあった名称看板を「上海航宇科普中心」から現在の「上海航空科普館」へと変えている。どうやら上海市の青少年に対して航空宇宙に関する知識の普及を目的とした行政組織「上海航宇科普中心」が運営する「上海航空科普館」という名称の博物館(展示館)という位置づけのようだ。とにかく今後、本Blogでは組織名称ではなく博物館名の「上海航空科普館」で通すことにする。

(2) 屋外には歴代の中国戦闘機や元日航DC-8など10機が展示されているほか、展示館やビル内には空力説明、歴史説明、各種模型、スポーツ航空機(ライトプレーン等)が展示されている。開館は火~日の0900~1600(入場券販売は15時まで)、月曜休館、入場料8元。ただし年中無休とするサイトや火曜日休館とするサイトも存在するし、入場時間を0830~1530と記載するサイトもある。このため月火は避けて訪問すると良いだろう。なお外周からの撮影はできないので休館日の訪問は諦めよう。

(3) 脇を走る高速道路から”一瞬”見下ろすアングルで撮影するチャンスがある。

(4) 2014年11月21日には15時40分に入場し、15時55分に追い出されるまでの15分でさらりと一通りの撮影を行ったが、この時間帯だと南東を向く戦闘機群は立木やビルの陰になってしまう。西南西を向くDC-8や南西を向くIL-14の左側面は赤い夕陽を浴びていたが順光だった。総じて午前中の早い時間から昼過ぎごろにかけて訪問すると比較的良い光線で撮影できる。ただし2010-2014年の訪問時にはPM2.5のためか、写真がすべてやや白っぽく霞んでおり、写真掲載に際してはかなりコントラストをつけるなどの手を加えている。次に訪問する際には大気汚染は少しは改善されているだろうか。

【展示機 Aircraft】

(1) UTI-MiG-15 (12347) 開館当初からある機体の一つ。

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写真2 UTI-MiG-15。奥には隣接する錦江楽園の観覧車が見える。(2010年3月20日撮影)

 

(2) J-5 (12641) 開館当初からある機体の一つ。

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写真3 (2010年3月20日撮影)

 

(3) DF-102 (2996) 開館当初からある機体の一つ。DF-102(東風102)は北京の航空博物館にもあるが、中国国内ではレアな機体だ。

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写真4 DF-102。このアングルだとJ-6よりややキャノピーが長いこととコクピット前の機首部分がやや長いことが識別点だが、見慣れないと分からない。奥に隣接する錦江楽園の観覧車が見える。(2010年3月20日撮影)

 

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写真5 DF-102を斜め前から撮影する。(2010年3月20日撮影)

 

(4) J-6 (30733) 衛星写真だとDF-102と区別できない。2009年4月2日以降に取得したGE-Pro画像ではDF-102と並ぶ姿が確認できる。

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写真6 J-6を上記のDF-102と同じようなアングルで撮影する。違いを確認してみよう。(2010年3月20日撮影)

 

(5) J-8(201127, c/n. J8-0509) 展示機の中では最も新しい機体でGE-Pro画像によると2010年8月13日~2012年4月16日の間に搬入・展示された。写真を見ての通り翼下と胴体下に燃料タンク、翼下にはミサイルを装着しており、細部を確認したい向きにはおすすめだ。BobOgdenのS/N本(2nd.Ed.)によるとかつてのS/Nは”80057”とのこと。

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写真7 (2014年11月21日撮影)

 

(6) Q-5 (10406) このQ-5(Q-5I-A)はGE-Pro画像によると2002年12月28日~2008年11月6日までの間に搬入されている。

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写真8 (2014年11月21日撮影)

 

(7) CJ-6 (61571 / 02)

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写真9 (2014年11月21日撮影)

 

 (8) IL-14 (652) 開館当初からある機体の一つ。

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写真10 (2014年11月21日撮影)

 

(9) DC-8 (JA8048) 元日航機で上海空港でオーバーラン事故を起こして廃棄された機体。開館当初からある機体の一つ。本機のウンチクについては次の文献に詳しい。

・参考文献:「上海で見るDC-8」大路聡、航空ファン2014年7月号p.80

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写真11 この写真は横680ピクセルにして張り付ける。(2014年11月21日撮影)

 

(10) Z-5 (9328) 開館当初からある機体の一つ。かつてテイルブームに記載されていたS/Nは現在では消えている。

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写真12 (2010年3月20日撮影)

 

【その他】

(1) 敷地内にある展示館はGE-Pro画像によると2012年4月16日~2013年1月24日の間に建設された。

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写真13 展示館には小型機4機とエンジン等が展示されていた。(2014年11月21日撮影)

 

【展示後廃棄】

(1) ビーバー(AP-AVB) パキスタン籍のビーバー(U-6)が存在していたことが航空情報1999年5月号p.100-101の記事に紹介されている。GE-Proの2002年12月28日取得画像に機影が映っているが、次の2008年7月6日取得画像では消えている。

(2) UTI-MiG-15 (8761) 航空情報1999年5月号p.100に写真が掲載されている2機目のUTI-MiG-15。GE-Proの2002年7月24日取得画像にはすでに存在していない。

(3) J-5 (10406) BobOgdenのS/N本(1st.Ed.)に記載されている機体。

 

【参考】

・「上海航宇科普中心 上海市沪闵路6700」J.AOKI、航空情報1999年5月号p.100-101。おそらくは国内で初めて本展示場を紹介した記事だ。

 

以上