用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【Vinh Long】ヴィンロン博物館

<編集履歴> 23Mar.2019公開、01Feb.2022見直し更新(第3回目、体裁見直し写真追加)

<場所 Place>    メコン河(前江)脇の市場近くにあるヴィンロン博物館 (Bao Tang Vinh Long)                             

<座標Location>       10.2569N, 105.9713E 

<訪問日 Visit> 06May2006 and 09Oct.2016

<行き方 Access>

(1) Vinh LongへはHCM市のミエンタイバスターミナル(Ben xe Mien Tay)からミニバス、マイクロバス、中型バスなど各種あわせて一時間に2~3本ある。所要時間は2.5~3.5時間程度。

(2) Can Thoへは博物館裏手近くのミニバスターミナル(Ben Xe Buyt Tp., Vinh Long,10.2555N,105.9726E)から1時間に一本程度の割合でミニバスが発着している。2016年訪問時はCan Thoで新しいバスターミナルが出来たばかりであり、市内の交通もまだ十分に切り替わっていないような状態であった。このため2022年2月時点でCan Thoのどことバスが繋がっているかは不明だ。二つの街をつなぐバスは確実に存在するので、現地で確認していただきたい。

<解説General> 

(1) メコン河前江に面した博物館。開館は0730~1100、1330~1700(1800とするサイトもあり)、日・月休館とするサイトもあるが休館日を記載していないサイトもある。土曜日はどうやら11時までで午後休館の模様。つまり正確な開館情報は不明。これが本博物館を訪問する際の最大のネックとなっている。

(2) HCMからVinh Longへのバスは多数走っているが、最終的な行先は市内から約4km西に離れたVing longバスターミナルではなく、A地点あるいはB地点から街を迂回して近郊の他の街 (Vung Lien, Huu Thanhなど)に向かうルートであったりする。

A地点:10.2665N, 105.9283E

B地点:10.2577N, 105.9632E

これゆえメコン河にかかるミ―トゥアン大橋(Cau My Thuan, 2000年竣工)を超えてからは地図とにらめっこして降車場所を決めよう。A地点、B地点ならバイクタクシーも多いが、ここを過ぎると歩いて戻ることになる。ドライバーや周囲の客に「Vinh Long ! Vinh Long!」と言って騒ぎ、確実に下ろしてもらうようする。「適切な場所で降車すること」が本博物館訪問の際の二番目の試練だ。

(3) この博物館の目玉はベトナム戦争後、再塗装されることなく展示されているF-5Aだ。剥がれかけた塗装の下から、元イラン空軍機であったことを示すマーキングを見ることができる。ベトナム国内の他の場所に展示されているF-5Aは全て観光用に塗り直されているため、当時の様子を残す本機は貴重な存在だ。A-37BおよびUH‐1も戦争当時の塗装のままとなっている。

(4) 過去には閉館時であっても裏手にある現地風オープンカフェから展示機の後姿を見ることが出来たが、2015年頃にはこの店は閉じてしまったようで、2016年に訪問した際には機体の後姿を撮影することができなかった。現在の様子は不明だが裏手に回っても近寄れないようなら諦めよう。

(5) HCM市からは手ごろな時間距離にあり、Can Thoと合わせて一日で巡ることは可能だが、上述の通りアクセスと開館時間に不安定要素を多分に含むため、正直言って訪問の難易度はかなり高い部類に入ると思う。かつてはミト―を含めたHCM市内からのメコンデルタ一日観光コースに組み込まれていたこともあるが、近年では観光コースから外されているようだ。よって自力で訪問するしかない。健闘を祈る。

【展示機 Aircrafts】

(1) F-5A (68-9060, イラン空軍の3-457) 塗装の薄くなった機首部には"IIAF"の文字と”3-457”に相当するペルシャ文字が見える。ベトナム国内で展示されている本機以外のF-5Aは観光用に塗り直されてしまい、史料的価値を失っているが本機は当時のままの塗装を残しているため、マニア的には”お宝”だ。

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写真1~3 色褪せた機首部の塗装の下から「IIAF」の文字が浮かび上がるF-5A。ベトナム戦争当時、米軍はイラン、韓国、台湾からF-5Aをかき集めて投入した。(2016年10月9日撮影)

 

(2) A-37B (70-1295) こちらもベトナム戦争当時の塗装を残している。Can Thoにも同程度の機体があるので上述したF-5ほどの感動は無い。説明板やその他の展示物が周囲にあるのできれいな機体写真の撮影はしづらい。機体に向かって左手にはギロチンが展示されている。20世紀に初頭にフランスから導入され、南ベトナム各地で使われたとのこと。HCM市の戦争証跡博物館にも一台展示されている。

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写真4~6  A-37Bの展示状況。きれいな側面写真は撮ることができない。右後方からのショットはお隣のカフェからの撮影だ。2016年に訪問した際にはカフェは閉じていて入って撮影することができなかった。機首右側(向かって左側)にはギロチンが展示されている。(上、中は2016年10月9日撮影、写真6(下)は2006年5月6日撮影)

 

(3) UH-1H (68-15323 / 779)

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写真7,8 車両と木造舟に挟まれて展示されているので側面写真は撮影できないUH-1H。(上は2016年10月9日撮影、下は2006年5月6日撮影)

 

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写真9 展示エリアの全景。一回り大きい横680ピクセルで掲載する。(2016年10月9日撮影)

 

以上