用廃機ハンターが行く!

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【北京】中国人民革命軍事博物館

<編集履歴> 19 Mar.2019公開、06Dec.2022見直し更新(第4回目、記事修正)

<場所 Place>          中国人民革命軍事博物館  

<座標 Location>     39.9089N, 116.3240E

<訪問日Visit> 21&22 Dec.2013およびそれ以前に数回訪問したが、リニューアル後には訪問していない。

<行き方 Access>

(1) 地下鉄1号線あるいは9号線「軍事博物館」下車、目前。

<解説General> 

(1) 天安門の西約6kmにある1959年竣工の博物館。2011年6月~2017年7月にかけて大改装を行った。この際に新たな展示機を8機増やしており、大ホールで実機22機と撃墜したUAVを展示している。また地下一階には撃墜されたU-2の残骸が展示されている。よって実機展示機数は合計23機プラスUAVだ。入場は火~日の0900~1700(入場は1600まで)。月曜日休館。入場料は無料だがパスポートを提示してチケットを入手する必要がある。HPによると入場前に予約するようになっているが、同時に予約が無くても窓口でパスポートを見せれば入場できる旨の記載もある。恐らくは特定の休日(春節など)以外は予約なしで行っても入れるだろう。かつては大きな荷物(ディバッグ含む)は持込禁止であったが現在は不明。チケット配布窓口の脇に一時預かり所があるハズなので、これを利用しよう。(なお訪問に際しては旅行者の口コミにより最新情報をご確認ください。)

(2) 大改装により展示物そのものや配置に大きな変更が生じている。また改修期間中は未改修部分や特設屋外場などで一部の展示物を限定的な形で公開していたため、ネット上には「旧館の展示物の配置」「改修期間中の一時的な展示物の配置」「新館の展示物配置」の写真が入り乱れて公開されている。ネット配信日などに注意して、最新の情報を確認しよう。なお上述の通り、私自身は改修後には訪問していない。したがって本記事中で掲載した写真は2013年12月に訪問した際に撮影した「改装前に一時的な展示場所」に置いてあるときのものだ。ご注意あれ。

(3) 2010年代の一時期に特別展を行った際に中庭にJ-10とZ-9のレプリカを展示したことがあるが、これらは博物館に残っていない。

【展示機 Aircrafts】

(1) H-6A (20210) 大ホール中央にある本機は2017年のリニューアル時より新たに展示された機体。大きさからも現在の展示物の目玉となっている。

 

(2) MiG-15 (079) 2機展示されているMiG-15のうち、079号機は機体に北朝鮮軍の国籍マークを描き、以前から展示されていた。

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写真1 北朝鮮マークを描いたMiG-15。(2013年12月21日撮影)

 

(3) MiG-15bis (70209) こちらも以前から展示されていた機体だ。中国で使用していたMiG-15シリーズの見分け方は別記事を参照していただきたい。

【中国の展示機】MiG-15シリーズとJ-5(MiG-17)シリーズの見分け方 - 用廃機ハンターが行く!

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写真2 こちらはMiG-15bis。(2013年12月21日撮影)

 

(4) MiG-17F(30474) 国産化以前にソ連から購入したMiG-17Fとのこと。脚ドア内部などを見ることができればキリル文字が確認できるハズだ。以前からある機体だがリニューアル後は天井から吊り下げられている。

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写真3(2013年12月21日撮影)

 

(5) UTI-MiG-15 (67973) MiG-15のタンデム複座型練習機。以前から展示されていた。

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写真4 砂埃にまみれていたJJ-5.(2013年12月22日撮影)

 

(6) JJ-5 (71947) 中国製MiG-17の複座型練習機。本機は2017年のリニューアル時より新たに展示された機体で天井から吊り下げられている。

 

(7) J-6 (025) 以前から展示されていた機体で、胴体に「飛行試験研究院」の文字と垂直尾翼にはそのマークが描かれており、ロケット弾ポッドを装着している。

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写真5 「飛行試験研究院」と胴体に描いたJ-6。ロケット弾ポッド付。(2013年12月21日撮影)

 

(8) J-6 (81077) 本機は2017年のリニューアル時に新たに展示された機体で天井から吊り下げられている。

 

(9) JJ-6 (81773) 中国製MiG-19の複座型練習機。本機は2017年のリニューアル時に新たに展示された機体で天井から吊り下げられている。

 

(10) J-7I (31130) MiG-21F-13相当の中国生産機。以前から展示されていた機体だ。

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写真6(2013年12月21日撮影)

 

(11) J-8I (053) J8Iは2機が展示されている。053号機は以前から胴体に「飛行試験研究院」と描いている。

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写真7 「飛行試験研究院」と胴体に描いたJ-8I。翼下にミサイルを搭載していた。(2013年12月21日撮影)

 

(12) J-8I (72206) こちらのJ8Iはリニューアル時に新たに展示された。

 

(13) Q-5 (33027) 2機展示されているQ-5のうち、33027号機は以前から展示されていた。

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写真8 かつてのQ-5の33027号機。(2013年12月22日撮影)

 

(14) Q-5 (11162) Q-5の11162号機はリニューアル時に新たに展示された機体だ。

 

(15) Tu-2S (44792) 第二次世界大戦当時にソ連で開発・製造された双発爆撃機。1961年頃まで使われたというが、ソ連で使われた機体の話なのか、中国空軍での話なのか主語はハッキリしない。歴史好きな方は中国空軍での運用をジックリと検証していただきたい機体の一つだ。

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写真9 Tu-2と中国製HQ-2(ソ連製S-75 / NATOコードネームSA-2)。(2013年12月21日撮影)

 

(16) CJ-6 (70841 / 81) 垂直尾翼に"70841"、エンジンカウリングに"81"と描かれている。本機は2017年のリニューアル時に新たに展示された機体で天井から吊り下げられている。

 

(17) Y-5 (80401) 中国製An-2T。本機は2017年のリニューアル時に新たに展示された機体で天井から吊り下げられている。

 

(18) F-51D (03 / 44-73920) 以前から展示されている鹵獲機。

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写真10 F-51D。撮影時にはラダーがなったが現在では取り付けられている。(2013年12月21日撮影)

 

(19) F-86F (6272 / 52-4441) 1963年6月2日に台湾空軍第二聯隊11大隊43中隊の徐廷澤上尉が亡命した際に搭乗してきた機体だ。以前から展示されている。

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写真11(2013年12月21日撮影)

 

(20) T-33A (3024 / 55-3024) 以前から展示されている台湾空軍から1969年5月26日亡命した機体。垂直尾翼にあ62-**71と記載(**は読めない)。

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写真12(2013年12月21日撮影)

 

(21) U-2B (3512 / 56-6691) 撃墜された残骸の機首脇には台湾空軍機の晴天白日旗が残っている。運用はCIAだったとされる。リニューアル後は地下一階中央部に展示されており、機体の周囲に近づくことが出来るようになった反面、撮影はしづらくなった。

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写真13 目玉展示のひとつ、撃墜された台湾空軍のU-2。(2013年12月22日撮影)

 

(22) U-6A (8018 / 54-1725) 以前から展示されている1983年4月22日に台湾から亡命してきた陸軍機。

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写真14(2013年12月21日撮影)

 

(23) 立川九九式高等練習機 (2/103) 以前から展示されており、胴体側面に"103"、エンジンカウリングに”2”と描いている。

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写真15(2013年12月21日撮影)

 

【その他】

(1) BQM-147G 1964年から1969年の間に20機を撃墜したアメリカの無人偵察機(ドローン)。この展示機は第3番目に撃墜した機体・・・という説明板が現在はあるらしいが、真相は不明。以前から展示されており、リニューアル後には大ホールのJ-6(025号機)の脇に置かれている。

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写真16 撃墜されたBQM-147Gの残骸。このアングルでは良くわからないね。(2013年12月21日撮影)

 

以上