<編集履歴> **Aug.2018Mixiにて公開、17Feb.2019はてなBlog公開、28Aug.2022見直し更新(第12回目、記載事項見直し実施)
三菱F-1は1977年6月16日に初飛行した戦後初の国産ジェット戦闘機で77機が生産された(プロトタイプであるT-2特別仕様機2機を含まず)。三沢基地第3飛行隊、第8飛行隊、築城基地第6飛行隊で運用された(注:F-2に機種更新され、しばらくしてから第3飛行隊は百里基地へ、第8飛行隊は築城基地へと移動している)。このほか1~2機程度が浜松基地の第一術科学校にて整備訓練機として使用されていた。2006年3月9日に築城基地第6飛行隊にて最終フライトを行い引退するまでの29年間に4件の大事故が発生し、5機が抹消されている。国内には25機(機首部のみを含む)が展示されている。
*1 「残存機中の展示機化率」は34.7%
(残存機中の展示機化率(%) = 25機/(生産77機-減耗5機) ×100=34.7(%))
*2 「生産機に対する展示機化率」は32.5%
(生産機に対する展示機化率(%) = 25機/生産77機 × 100=32.5(%))
このほかに熊谷基地に垂直尾翼を用いたモニュメントが存在する。展示機のうち21機(垂直尾翼のみのモニュメントを除く)は自衛隊関連施設で展示されている。陸上自衛隊大津駐屯地の機体は一度築城基地に展示された後に移設されるという経緯を有している。民間・公共施設での展示は三沢航空科学館、旧レーシングパレス、ミツ精機(株)3か所のみだ。かつて浜松の喫茶飛行場に212号機の機首部分が展示されていたが、個人収集家に譲渡され、2012~2013年頃には無くなっていた。
写真1 東京の府中基地に展示されているF-1 275号機を外周の金網越しに中望遠レンズで撮る。(2018年04月08日撮影)
【展示機リスト】
全国に展示されている機体を(ここでは)S/N順に列挙する。
(1) 70-8201 埼玉県 入間基地修武台記念館、保存指定機(2006年2月27日指定*1)
(2) 70-8207 兵庫県 淡路市 ミツ精機(株)本社、無償貸付機*2
(3) 80-8219 福岡県 芦屋基地(消火訓練用)
(4) 80-8223 青森県 三沢基地 1998年設置、2020年6月10日前後に再塗装
(5) 90-8225 静岡県 浜松広報館(外板を外して展示)
(6) 90-8227 静岡県 浜松広報館
(7) 90-8231 静岡県 御殿場市 旧レーシングパレス、無償貸付機*2(博物館自体は閉鎖されているが、屋外にある機体は2020年12月時点で撮影可能。)
(8) 90-8232 滋賀県 陸上自衛隊大津駐屯地(35.0363, 135.8673)。元は福岡県築城基地に垂直尾翼を黒く塗った特別塗装機として展示されていたが移設。2007年5月の大津駐屯地祭開催時には存在していた。
(9) 90-8234 福岡県 春日基地
(10) 00-8241 青森県 三沢基地広報館、機首部分のみ。機首番号は233だが計器パネルに00-8241と記載されており、機首番号を書換えたものと思われる。
(11) 00-8242 北海道 襟裳分屯基地、2009年公開時以降存在
(13) 00-8247 青森県 三沢航空科学館、無償貸付機*2、退役時の特別塗装をまとう
(14) 00-8249 秋田県男鹿市 加茂分屯基地(秋田県男鹿市)
(16) 10-8257 長崎県 福江分屯基地。2014年に全体をブルーグレーに塗装
(18) 20-8263 神奈川県 防衛大学校 国内で唯一ロケット弾ポッド付
(19) 30-8268 東京都 横田基地
(21) 60-8273 埼玉県 熊谷基地 2008年4月頃設置
(22) 60-8274 茨城県 百里基地 2022年3月よりキャノピーを黒塗装
(23) 60-8275 東京都 府中基地
(24) 70-8276 奈良県 奈良基地 2008年4月頃設置
(25) 70-8277 福岡県 築城基地(#232に続く二代目の展示機)
*1 基地広報に問い合わせて確認した。
*2 JW誌2021年8月号別冊付録より
写真2 淡路島のミツ精機(株)に展示されている207号機。保存状態は極めて良い。(2019年10月7日撮影)
写真3 福岡県春日基地のF-1 234号機は外周道路から中望遠レンズでいつでも撮影できる。(2016年09月10日撮影)
<尾翼のみのモニュメント>
埼玉県熊谷基地に10-8255号機の垂直尾翼を用いたモニュメントがある。表通りから見える左側には「負けじ魂」という銘が書かれているが、右側(建物側)は元の塗装のままになっている。
写真4 航空自衛隊熊谷基地にあるF-1の尾翼を利用したモニュメント。(2019年4月14日撮影)
写真5 モニュメントの反対側には元の塗装が残されている。(2019年4月14日撮影)
<展示後行方不明・廃棄>
次の一機が行方不明(笑)となっている。
(1) 80-8212 1997年3月31日用途廃止(ヒコーキ雲さんより)。静岡県の喫茶飛行場に機首部のみが2004年3月20日には展示されていた。2012年7月にも存在が確認されているが2013年7月に訪問された方のBlog記事では既に撤去されていた。
写真6 生産機数の三分の二はスクラップとなった。神奈川県の廃棄物業者のヤードには一時期切断されたF-1の機首や胴体などが置かれていた。(1998年4月29日撮影)
以上