<編集履歴> 30Jan.2019公開、31Dec.2021見直し更新(第6回目、見直し実施)
【概要と特徴】
1. タイでは各地に官民を問わず、様々な航空機が様々な形で残されている。この理由としては次のことが考えられる。
(1) タイ空軍創設は100年ほど前の1912年であり、兵役制度があることも下地になって航空機は庶民になじみ深い物になっている。
(2) ベトナム戦争で米軍が残していった機体がある。
(3) ドンムアン空港やウタパオ基地・空港(サタヒップ空港やパタヤ空港などと表記しているサイトもある)にて航空機の解体が行われていることから、「廃品」が入手しやすい環境にある。
2. 各地に展示機が多いことに加えて、スポッターの多いヨーロッパからのリゾート観光客が多いこともあって各地の展示機に関する調査が行われている。その結果はネット上に数多く掲載されている。
3. 高温多湿の熱帯気候のため屋外展示機の腐食・劣化は早い。また一般的に民間施設に主にアイキャッチャー(目を引くための展示物、客寄せ)として展示されている機体の保存状況は悪い。このため展示機の交換や廃棄がしばしば生じている。機体が展示されたというニュースを得たら、可能な限り速やかに撮影するために現地を訪問することが望ましい。
【主な展示場所】
(1) 空軍博物館および通りを挟んだAviation Park周辺
(2) ウタパオ基地周辺
(3) Lop Buri陸軍航空基地博物館
(4) 陸海空軍の航空部隊が所属する基地のゲートガードや基地内軍事博物館
(5) JESADA Technik Museum
(6) 科学博物館(バンコク)
(7) 各地の民間商業施設における客寄せ(アイキャッチ用) なお新たに開業する場所は多いが、つぶれる場所も多いので最新情報を入手することが大事だ。
【航空ショー】
タイの1月第二土曜日は「子供の日(”ワンデク”という)」であり、各地で様々なイベントが行われている。政府関連施設や軍事施設においては一般開放が行われる。バンコクのドンムアン基地のオープンハウス・エアショーはタイ空軍基地の公開の中で最大規模のものだ。ここを訪問すればタイ空軍保有機のほぼ全てを一度に見ることができる。ドンムアン基地においては地上展示機はその日には帰投しないのが通例だ。
一方、地方の空軍基地では地上展示機は数機という場合がほとんどだが、絵になるショットを間近に見られることも多い。イベント構成はおおむね(1)所属機のデモ、(2)ヘリコプターと地上部隊によるCSARデモ、(3)他基地からの戦闘機のフライパスが午前と午後の2回行われるというのが標準的なもの。午後2時を過ぎるころから展示機の帰投が始まる可能性が高い(必ず帰投するわけではない)。
年に一度の機会なので、どこで何を撮るか、じっくりと考えて攻略しよう。
※2021年1月のワンデクは新型コロナウイルス感染予防のため、延期(期限不明)された。
【スポッティング】
1. 軍用基地では原則禁止だが、撮影した画像がネット上に多数存在する。
2. 民間空港では撮影できる。ただしドンムアン空港にてワンデク前に撮影していた日本人が注意されたことがある。2000年ごろにドンムアン空港にてエアバンドラジオを聞いていた日本人が逮捕されたとの報道があった。その後どうなったかは不明。
【参考文献(日本語)】
(1) 「タイ空軍博物館の日本機寸描」大路聡、航空ファン2015年ごろ(記録忘れ)p.70-73
(2) 「タイの展示機」山本晋介、航空情報2015年10月p.10-11
(3) 「ジェサダ技術博物館とバンコク周辺の日本機」大路聡、航空ファン2018年2月号p.66-72
(4)「タイ陸軍航空博物館とロッブリー県の展示機」大路聡、航空ファン2020年4月号p.72-75
(5) 「ウィンウィンメモリアルのMiG-21UMとタイの元カンボジア空軍機」大路聡、航空ファン2020年11月号p.70-73
【参考サイト】
(1) タイの航空機情報サイト https://www.thai-aviation.net/
(2) その他はairliners.netおよびSpottingmode.comを参照する。
以上