用廃機ハンターが行く!

アジア各地に転がる用廃機を見に行くためのガイド(?)

【愛知県】南極観測船ふじ甲板上のS-61A

<編集履歴> 13Aug.2022公開、26Aug.2022見直し更新(第1回目、計算数値見直し)

<場所 Place> 〒455-0033 名古屋市港区港町1-9 名古屋港ガーデンふ頭内

https://nagoyaaqua.jp/garden-pier/fuji/

<座標 Location> 35.0903N, 136.8804E

<機体 Aircraft>  S-61A (8181)

<訪問日Visit>   10Aug.2022

写真1 南極観測船ふじの甲板上に展示されているS-61A。機体左側はこの撮影位置より船尾側には行くことができない。左側面写真は港を横切る橋の上か対岸から撮影しよう。(2022年8月10日撮影)

 

<行き方 Access> 

(1) 地下鉄名古屋港駅から南極観測船ふじの入場口まで約300m、徒歩約5分。

<解説General> 

(1) 名古屋ガーデンふ頭は名古屋水族館、ポートタワーや海洋博物館などの施設を含めたウォーターフロントレクリエーションエリアの総称だ。ここに係留されている南極観測船ふじは実際の船舶を利用した”南極観測船ふじ博物館”となっており、館内を見学できる。その飛行甲板上にS-61Aが機首を北北東を向けて展示されている。”ふじ”の開館時間は0930-1700(入場は1630まで)。月曜休館だが7~9月は無休となっている。用廃機ハンターとしてS-61Aヘリコプターを見るだけであれば、船尾付近を横切る観光用の橋(ポートブリッジ)の上や対岸から、一年365日いつでも眺めることができる(深夜は一部閉鎖される可能性あり)。

(2) 機体右側には見学用の台座が設けられているため、綺麗な写真を撮ることはできない。また乗船した場合には機体側面には回り込むことができず、機首前までしか行くことができない。機体左側を撮影するには前述のポートブリッジの上から対岸にかけて、フルサイズで135~300ミリ程度で狙う。午後1時過ぎには機体左側に光が回り込むようになるが、午後3時を過ぎると(季節によるが)橋のアーチ支柱の影が機体にかかるようになる。順光かつ機体に影がかからないで撮影できるのは午後0時30分から14時ごろまでと考えておこう。ちなみにGoogleMapの衛星写真で橋の支柱と機体の位置関係が分かるので、、太陽角度や高度を計算するサイトも併用すれば「何年何月何日に訪問する際には何時ごろから機体に影がかかる」ということまで分かる。訪問する前には事前に確認しておこう(試算結果は後述する「余談」を参照)。

(3) 機内やコクピットは公開していないが見学用台座から劣化した窓ガラス(アクリルだが)越しになんとか計器を見ることができる。また側面ドアを開けているので、ある程度は機内も覗くことができる。よく探すと銘板もみつかるぞ。

(4) 南極観測支援用の輸送用ヘリコプターはS-61Aの8181~8183号機と改良型(たしかエンジン強化型や一部の通信・航法装備を更新したタイプ。詳細は未確認)であるS-61A-1の8184および 8185号機の合計5機が存在していたが、今では全機が退役してCH-101に更新されている。海上自衛隊館山航空基地の正門ゲート脇にはS-61A-1(8185号機)が残されているが残る3機は廃棄された。黒い塗装から運用者やマニアからは通称”カラス”と呼ばれていた。

写真2 機体右側には見学用の台座が組まれているので、綺麗な姿を撮影することはできない。(2022年8月10日撮影)

 

写真3 対岸からフルサイズ320mm程度で撮影したもの。季節によるが、おおむね午後0時過ぎから光が回り始めるが午後2時を過ぎるとアーチ形の橋の支柱(右後方に見える薄青色の弧を描いた構造物)の影が機体にかかる。(2022年8月10日撮影)

 

写真4 機体に残る銘板には「形式 S-61A」、「製造番号 M61-008」、「製造年月 1965年6月」と読める。(2022年8月10日撮影)

 

【余談】

 何時ごろからポートブリッジの支柱の影が機体にかかるのだろうか?GoogleMap上の距離や各種の画像から橋のアーチの高さを求め、計算サイトで三角形の諸元を求める公式に値をブチ込み、太陽方位と太陽高度を求めてみた。

 S-61Aは磁方位「11度」の方向を向き、アーチの高さはS-61Aの置かれた”ふじ”の飛行甲板から30mとしておこう。参照点となる場所の距離には数メートル、角度にはおおむね5度程度以内の誤差を含むものとして算出すると、だいたい太陽方位角が213度より西になり、かつ太陽高度が46度を下回ると機首付近から影がかかり始めることになる。

 夏休みの2022年8月1日と冬休みの12月25日、それに春休みの2023年3月25日の「影のかからない時間帯」を求めた結果は次のようになった。なお太陽が機軸プラス10度となった時点(すなわち201度=機首方位11度+180度+10度)以降は「良好(綺麗に撮影可能)」としておく。

・8月1日 12:15~15:15(12:30以降良好)

・12月25日 12:45~1400(13:15以降良好)

・3月25日 12:30~1400(13:00以降良好)

 この結果は、あくまで「ザックリ数値を用いたザックリ計算の結果」ですので各自でお好みの精度の数値を代入して検算してみて下さいね。なお当然ながら晴天でない場合には全く関係ありません。(冬季には14時以降でも撮れたよ、というご指摘がありましたが、恐らくアーチの高さが「甲板上30m」よりも低いからかと思います。誤差よ、誤差!!)

以上