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【特集】ブルーインパルス塗装のF-86F展示機

<編集履歴> 15Apr.2019公開、22Dec.2023見直し更新(第8回目、見直し更新)

 

 航空自衛隊戦技研究班(当時)「ブルーインパルス(以下、本BlogではB.I.と略す)」の塗装を施したF-86Fは全国に7機が存在している。このうち3機はB.I.に所属したことがない通常の機体にB.I.塗装を施したものだ。また1機はかつてB.I.に所属していたものの引退時には部隊に配備されていて、通常塗装となっていたが、展示に際して再びB.I.塗装を施されている。最後までB.I.に所属し、かつB.I.塗装を施していた機体は浜松基地(広報館を含む)にある3機だが、このうちの1機はS/Nを塗り替えられている。天竜チーム時代の初期塗装を施したものは存在していない。以下に現存するB.I.塗装を施されたF-86F展示機の機体番号と展示場所を、おおむね北方から南方の順に紹介しよう。

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写真1 カラースモークを吐いて5機編隊離陸を見せるF-86F Blue Impulse。(1980年11月30日 浜松北基地祭にて)

 

【B.I.塗装のF-86F展示機】

(1) 92-7883 栃木県の陸上自衛隊北宇都宮駐屯地(36.5166, 139.8758)にあり、S/Nは実際とは異なる82-7818と記入されている。ネット上に記録の残る1983年4月から1992年5月の基地公開時までは4空団マークを記した通常塗装機であったが、その後にB.I.塗装を施されて現在に至る。本機(883号機)および818号機は実際にB.I.に所属したことはない。毎年5月末頃の一般公開時に撮影できる。

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写真2  陸上自衛隊北宇都宮駐屯地に展示された機体。(2018年5月27日撮影)

 

(2) 02-7962 山梨県河口湖自動車博物館所有機。02-7960と記入されている。本機(962号機)は1970-73年頃にはB.I.に所属するも、その後は築城基地6sqn.に配置換えとなっていて、引退時には通常塗装だった。例年8月中のみ一般公開される。

URLはこちら; http://www.car-airmuseum.com/

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写真3 河口湖自動車博物館の 02-7962はS/Nを02-7960に書き換えている。(2019年8月20日撮影)

 

(3) 62-7516 静岡県 葵区瀬名の菅野医院分院屋上。退役後にアメリカに返還された機体を「零戦愛好会」(会長は病院長)が貸与を受け、病院の屋上に展示したもの。本機はB.I.に所属したことはない。火木土の15時過ぎおよび日曜日の午前中に見学可能だが、事前に病院あてに申込むこと(054-262-5050)。(注:2023年秋の時点で、案内役の院長先生ご高齢のため、見学は中断/中止の模様)

菅野医院分院のURL; http://www.sugano-iin-bunin.com/greeting

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写真4 菅野医院分院の屋上にあるF-86F。(2020年8月24日外周より撮影)

  

(4) 12-7995 静岡県 浜松基地 基地北部のゲート近くにて機体番号を92-7929に書き換えて展示されている。995号機および929号機のいずれもB.I.所属機だ。例年10-11月ごろに航空祭が開催されるが、その時に撮影できる。

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写真5 機体番号は92-7929号と描かれているが実は12-7995号機。(2009年10月17日撮影)

 

(5) 02-7960 静岡県 浜松基地 広報館展示。B.I.所属機、保存指定航空機。 

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写真6 浜松基地広報館内に展示されている960号機。

 

(6) 02-7966 静岡県 浜松基地 広報館展示。B.I.所属機。

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写真7 浜松基地広報館の966号機。

 

(7) 82-7777    福岡県 春日基地に展示。展示当初は通常塗装機であったが1990年代後半ごろにB.I.塗装を施された。この機体も実際にB.I.所属となったことはない。例年秋ごろ、築城基地航空祭の前日土曜日を目安に一般公開行事が行われており、その際に見学できる。

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写真8 春日基地の777号機。B.I.に所属したことは無い機体だ。(2010年11月13日撮影) 

 

【余談】

 浜松広報館に展示してある960号機あるいは966号機のオシリの穴(排気口)には、発煙用のスモークオイルを高温のジェット排気中に噴出させるためのパイプを見ることができる。これはアクロ改造機の外部からの識別点の一つだ。近くにあるT-2B.I.とT-4B.I.にも同様のパイプがあるので、どこに取り付けられているのか探してみよう。

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写真9 浜松広報館のF-86F(960号機)の排気口に取り付けられたスモーク発生用のパイプ。(2018年8月13日撮影)

以上